10万円~の高級腕時計を所有する意味って? グルメやクルマより投資すべき理由

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あなたは今日、腕時計を付けていますか?

機能的に不足のない時計が1000円程度で手に入り、スマホと連動したスマートウォッチも普及し始めているなか、一見時代と逆行している「高級腕時計」。

経営層や富裕層が楽しむ贅沢品というイメージがありますが、実は投資アイテムとしての価値を持っているのです。

今回は『腕時計投資のすすめ』の著者である斉藤由貴生さんに、使うたびに価値が上がるという腕時計投資について、ビギナー向けの始め方から、メリットや注意点を含めてご紹介いただきました。

「時間確認なんてスマホで十分」と言わず、ビジネスパーソンなら一度は勧められたことのある高級腕時計の価値を見ていきましょう。

損をしないうえ、長い資産価値をもつ「腕時計投資」とは?

斎藤さんが最初に腕時計投資を思いついたのは、中学生の頃。バイトもできないので当然お金が無い中学生時代に、どうやって時計を買おうかと考えたときに「売る前提で買う」という腕時計投資を思いついたといいます。

「腕時計は30万円で買ったとしても価格がゼロになることはなく、下がったとしても半額の15万円程度に抑えられます。なぜなら高級腕時計はクラシックカーのようなものだからです。例えば、生産されてから10年程度の車は“価値のない中古車”として扱われ安値の傾向ですが、生産終了から40年ほど経つと「クラシックカー」として評価されます。中古の高級腕時計は中古車よりもクラシックカーに近いためゼロ円にはなりにくい。つまり腕時計は長い資産価値があるのです。しかも株などと違い、日常的に身につけて利用できるというメリットもあります。」

しかし日常使いをしていて傷がつくと、そのぶん価値が下がってしまうのでは?という懸念については「腕時計の価値は傷の有無で決まるわけではない」といいます。

「20万円以上という前置きが必要ですが、そのぐらいの価格帯の時計であれば、大事に扱われる傾向があり深刻な傷が付いているケースは少ないです。また、日常生活のなかでついた傷を気にする必要はありません。というのも、革ベルトの時計であればベルト部分は消耗品として年に数回取り替えるという前提がありますし、金属の時計であれば傷ついた表面を磨けば新品状態まで復活します。

時計は、時間を確認するだけであれば時刻を自動で合わせてくれる電波時計のほうが正確ですし、しかも防水機能のある優秀な電波時計だって一万円以下で手に入ります。しかし、そこに何十万、何百万というお金をかけるのは、所有する楽しみがあるから。その楽しさのなかに、これまでは無かった『売って楽しむ』という要素を取り入れたのが『腕時計投資』です。」

まずは腕時計を「所有する楽しみ」を知ってみよう

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腕時計投資を始めるために、ビギナー向けにオススメの腕時計を伺うと「まずは腕時計を楽しむところから始めるのが良い」とのこと。

「腕時計投資に興味を持ったら、まずは30万円ほど貯金して、腕時計の「体験」から始めると良いと思います。もし腕時計の知識が無いなかで最初の1本を選ぶなら、いわゆる王道といわれるロレックスやオメガを購入すると、腕時計業界のノリやトレンドの変化が肌で感じられ、楽しさが分かってくるのではないでしょうか。

そこでさらに腕時計の価値はゼロになりにくいと分かってくると、2本目、3本目が買いやすくなると思います。」

そして、実際に利益を出すための売買についても伺いました。

腕時計の売買というと高額な取引のイメージがありますが、斎藤さんは気軽に利用できるネットオークションでの仕入れと売却が多いようです。

「200万円以上の高級腕時計ですとお店の仲介が必要になる場合があり、取引の敷居が高くなりますが、十万円単位の時計であればネットオークションなどを利用して個人間で手軽に売買できます。

私は最近ですと、購入時には時計専門店の通販サイトから、売却にはネットオークションだけでなく買取専門店などを利用します。例えば今あまり流行っていない、または人気がないモデルなどは、買取専門店のほうが高値で買い取ってくれるケースもありますので、使い分けが重要ですね。」

流行りに価値が左右されない「中古品」もオススメ

そして、投資のタイミングを決める腕時計価格の上下について。腕時計の価値は、その時代のブームに大きく左右されるといいます。

斎藤さんによると、そもそも高級腕時計にこだわっている世代は若い頃に「ロレックスブーム」を経験した人がほとんどだそう。1997年頃に放映された木村拓哉さんのドラマをきっかけにロレックスが流行った時期があり、そのとき20代後半〜30代だった世代がそのまま年を重ねて、現在の高級腕時計の顧客となっているといいます。

「腕時計は、だいたい5年周期で価値の上下が起こります。ここ5年で人気が上がっているのは、ロレックスやパティックフィリップ。逆にフランク・ミュラーは下がっているなど、人気の波はブランドによって様々です。

10年前ぐらいであれば、新品のオメガが10万円台、ロレックスは30万円台が相場でした。しかしその後定価の大幅な値上げなどによって新品の価格が上がってしてしまい、オメガならば40万円、ロレックスは60万円ぐらいまで出さないと買えなくなってしまいました。」

こうした価値の変動に左右されないために、中古品の購入という選択肢もあるとのこと。

「私も最初は中古品の購入に抵抗がありましたが、腕時計の楽しさが分かってきた4本目に中古品を購入しました。もし初めから中古品を買ってみようと思うなら、いまは美しく装飾されたデザインが特徴のカルティエやブルガリが安いのでオススメです。」

そして、腕時計を選ぶ際の注意を伺うと「流行りモノはやめたほうがいいです」と即答。

「例えば『キムタクのロレックスブーム』のとき、当時ロレックスの該当モデルの定価は34万円だったのですが、正規店の在庫が無いため60万円の値段をつけている時計販売店もありました。この時60万円でロレックスを購入したほとんどの人は損してしまっていますが、ブームが去ったあと30万円前後で購入した人は、ちゃんと利益が出る売却ができたと思います。

特にブーム終息後、2013年頃までロレックスは20万円程度まで下がっていたのですが、現在また40万円ぐらいまで上がっています。

このように“流行っているモデルは買わない”は腕時計投資の鉄則です。」

腕時計投資から、自分の「消費行動」を見直すきっかけを

高級腕時計を購入することに抵抗が大きいという人々に対し、斎藤さんはその「消費の仕方」について疑問を抱いているようでした。

「最近の若い人は時計に興味がないといいますが、興味の有無ではなく、お金の問題……というよりも『多少無理してでも買う』という価値観や消費行動ではなくなっているのでしょうね。」

斎藤さんが主張したいことは「高級腕時計をいくつも買うべし」ということではありません。毎日コンビニ等でなんとなく無駄遣いをするより、月に3万円ずつでも貯金をして、資産価値を持った新品の高級腕時計を購入するという消費行動をしてはどうか、という提案です。

「購入時の価格だけを見て、お得かどうか、つまり「コスパがいいか」を判断されるようですが、そうではなく売る時の値段を見越して購買をしてはどうでしょう。私は、購入時の値段から売却時の値段を引いた価格こそ、『モノの価値』ではないかと考えています。

若い世代の方は、時計を買わない、車を買わない、それでどこにお金を使っているかというとグルメだと思います。オシャレで高いレストランには多少無理してでも行って、そこで消費して終わってしまう。でもこうした食品への消費は食べたらその場でなくなってしまいます。まるでTwitterのタイムラインのようにただ流れてしまう消費ではなく、日記やブログのようにストックしておけるような消費行動をしたほうが結果的には“お得”なのではないかと思いますね。」

時代に左右されない価値をもつ腕時計を日常的に身につけることで、“モノの価値”の本質を感じるきっかけをあたえてくれる「腕時計投資」。

しかも実利も期待できて、一石二鳥です。新たな趣味として、まずは一本いかがでしょうか?

<プロフィール>

斉藤 由貴生

腕時計投資家。中学1年の時に、企業のホームページ作成業務を個人で請け負い、その資金を元手に高級腕時計を購入。中学3年の時に“買った値段より高く売る”「腕時計投資」を考案。高校卒業後に就職し6年間の社会人経験を経て、筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢することのプロフェッショナルとして「腕時計投資」を推奨している。

<WRITING>伊藤七ゑ

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