【ここは法廷だゼ!】「覚えてない」前科11犯の精液ぶっかけ男
11月17日に、群馬県高崎市の“とんかつ和幸”元店長、後閑崇史容疑者(35)がわいせつ図画陳列の疑いで逮捕された。この後閑容疑者については、自らの精液を女性にかけるなどの行為を撮影したと思われる動画をインターネット上にアップしたほか、『Twitter』上でもその行為をにおわせるつぶやきを発信していたなどにより、数日前から大きな話題となっていた。『Twitter』には他にも、女子中学生を盗撮したと思われる写真や、常日頃から屋外で女性に精液をかけるなどの行為を行っていたと推察される投稿もあり、状況によっては再逮捕の可能性もあるだろう。
見知らぬ女性に公共の場で精液をかけると……
ところで、今回の逮捕容疑であるわいせつ図画陳列罪では過去、アニメ『ワンピース』の声優が「入れ墨を自慢したくて」という理由で自らの下半身をネット上に掲載したという事件などが有名であるが、後閑容疑者が行った〈女性に精液をかける〉という行為自体については、主に器物損壊罪で裁かれる(親告罪なので被害者の告訴がなければ公訴提起はできない)。精液を服などにかけることによって、モノを損壊した、とみなされるようだ。よって器物損壊罪の法廷は、例えばタクシーを蹴ったりしたという荒くれ者の被告人か、後閑容疑者のように精液ぶっかけの被告人かに分かれる。今回はそんな精液ぶっかけ器物損壊裁判の話を紹介させていただこう。
被告人は42歳のH之。昨年5月の早朝、混み合う埼京線内の池袋〜新宿間で、19歳の女性のスカートに射精しそれを使用不能にしたという罪で逮捕、起訴された。今年、別件で逮捕された際に採取されたDNA型がこのときの型と一致したため逮捕となった。
「電車乗ってたのも覚えてないんですが、証拠が出てるんで、間違いないだろうと思います。今まで似たような犯罪、犯してきたので、そういった部分で、ハッキリ分からない……」
と本人が語る通り、H之には公然わいせつ、迷惑防止条例違反などでの前科が11もあった。今回の罪も記憶がないというから、ワイセツ行為が日常と化していたのだろうか……? 今回、裁判になったことは母親には話していないという。
「それを知ったら、命を絶つかもしれない、と思うからです……」
さらに、前科11犯でありながら、なんと妻子もいる。子供は女の子である。これはすかさず検察官からのツッコミの対象に。
検察官「娘さん、かわいいですか?」
H之「はい」
検察官「娘さんが、同じ目に遭ったらどうする?」
H之「何度も考えました……自分の事は棚に上げておくと思う」
検察官「許せない?」
H之「ハイ……」
H之には懲役8月の判決が下された。冒頭の後閑容疑者もそうだが、犯行前に家族や大事な人のことを思い出していれば、結果は変わったのかもしれない。
傍聴人。近著『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)ほか古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』(扶桑社)など。好きな食べ物は氷。
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