就活生は経団連の新卒採用スケジュールを信じて動けば大丈夫!?
大手企業の新卒採用スケジュールは昨年同様と決定
大手企業の新卒採用スケジュールに関する経団連の指針は、2015年卒生から以降3回にわたり変更が繰り返されてきましたが、2018年卒生の採用に関しては、前年度同様で変更なしと決まりました。
この発表を受けて学生からは、「安心した」「先輩に就活の進め方を聞いて参考にできる」といった声が多くあがっているようです。
では安心して就活の準備をする18年卒生たちの、現実の動き方はどのようになるのでしょうか?
経団連の採用スケジュールを厳密に守る企業であれば、学生に向けて会社説明会などを開催するのが3月1日からになります。
学生はそれに合わせて、1月~3月の間に自己分析と仕事研究、業界研究を済ませておき、いざ説明会へ向かいます。
説明会に出席すれば、すぐその場でエントリーシートや、それに近いものを書かされることもあります。
そう考えると、自己アピールは当然のこと、各企業に対する志望動機まで、ある程度書けるくらいの準備が、3月までに出来ていることが望ましいでしょう。
3ヶ月間のマッチング期間を経て、6月1日からいよいよ面接開始です。
早ければ7月には内々定、内定が出されます。学生はそれを目標に、6月までに面接対策を万全にしておくよう薦められます。
以上が経団連の指針を守った「行儀の良い」採用スケジュールの例ですが、同じパターンのはずだった2017年卒生の就活状況を見ると、様子はかなり違っています。
経団連の採用スケジュールとかなり異なる就活状況の実態
経団連指針を遵守する企業であっても、前の年の夏から、「インターンシップ」受け入れという形で、多くの大学生とコンタクトを取ります。
しかしインターンシップとは名ばかりで、特に「ワンデイ」と呼ばれる一日だけのインターンシップでは、完全に会社説明会の内容になってしまっています。
こうして夏から冬までの半年間をかけて、企業側は優秀な学生を見つけ接触を繰り返し、事実上の選考過程を済ませてしまいます。
年が明けた春には、めぼしい学生に内々定を出しており、最終面接を6月にする場合でも、それは形ばかりのことのようです。
経団連に非加盟の上場企業に関しては、2月早々から選考活動を開始して、4月には内定を出すようなスケジュールのようですし、外資系や一部のマスコミでは、更に早い11月から選考を開始し、年明けには内定を出すという企業があるようです。
その他、中小企業については、大企業と選考時期が重なると自社に不利となることを予測して、それよりも前倒しにするか、逆に後ろにずらすかを選択するパターンになるようです。
後ろにずらす場合は、夏休みから秋にかけてを中心に選考することになります。
実際の採用活動に乗り遅れて後悔しないようにしっかりとした準備を
結論として2018年卒生の就職活動は、2016年夏のインターンシップから始まり、2017年春に選考の山場を迎え、4年生になってすぐの4月~6月時点で内定を取れていない学生は、さらに秋に向かって就活を続ける・・・。ざっとこのようになることでしょう。
つまり3年生の夏から4年生の秋までの1年間を就活に費やすということです。
この現実が良いのか悪いのか、評価はさまざまですが、渦中にいる就活生はそれをどうにも出来ません。
ただ乗り遅れて後悔しないように、しっかりと準備をしていきましょう。
特に短期大学の学生は、授業などのスケジュールが4年制大学よりも厳しいので、就活を開始するのが遅れる傾向があります。
注意したいものです。
就活をする人の心構えとして、早く内定を取ることを目標とせず、少しくらい辛い事があったとしても頑張れると思えるような仕事/企業を見つけることを目標としましょう。
そのためには自己分析、仕事研究を、学年問わず、今すぐから始めることをお勧めします。
(安藤 ゆかり/研修講師・キャリアコンサルタント)
関連記事リンク(外部サイト)
個人消費刺激策の「プレミアムフライデー」働き方にも変化はあるか?
女性登用の数値目標、義務付けは必要か?
就職留年のメリット・デメリットを考える前にやるべき行動とは?
最新の気になる時事問題を独自の視点で徹底解説するWEBメディア「JIJICO」。各分野の専門家が、時事問題について解説したり、暮らしに役立つお役立ち情報を発信していきます。
ウェブサイト: https://mbp-japan.com/jijico/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。