「震災婚」は不安感が後押し 「震災離婚」は価値観のズレが浮き彫りに

婚活ブームの火付け役でジャーナリストの白河桃子氏

 東日本大震災の前と後で、日本人の結婚観は変化したのか? 精神科医で立教大学教授の香山リカ氏と、”婚活ブーム”の火付け役・ジャーナリストの白河桃子氏が2011年11月15日、「ニコ生×Voice 『激論!結婚すれば幸せなのか?~震災後の絆の行方~』 香山リカVS白河桃子」で議論を交わした。番組の中で白河氏は、震災をきっかけに結婚に踏み切る「震災婚」について”つり橋効果”のようだと語り、またその裏で「震災離婚」も増えたという見解を示した。

■不安感が結婚を後押し

 震災後も続く不安感などから、結婚に踏み切る「震災婚」。つり橋の上のように、「お互いが危ない状況のとき出会った男女は恋に落ちる確率が高い」という”つり橋効果”があるのか? と香山氏から意見を求められた白河氏は、「付き合っていた2人に関しては決着がついて(結婚をした)。本当に揺れていて怖い、というときに起きた恋愛というのは、もちろんある。それは本当に震災後の恋愛ですね。つり橋効果かと思っています」と述べた。

 また震災前は、リーマンショックの影響や古い結婚観などから、女性が結婚に金銭的・物質的なメリットを求める傾向にあったと分析する白河氏だが、一方で

「震災後何らかのショックで、損得だけを考えていたものをちょっと超えさせたところが一瞬あったと思う」

と述べ、”つり橋効果”で結婚への願望が高まったと同時に、損得勘定の意識も変化した、との印象を語った。そして「このトレンドがどこまで続くのかは、なかなか分からないところ」とも付け加えた。

■震災で価値観のズレが浮き彫りに

精神科医で立教大学教授の香山リカ氏

 「震災婚」の話を受けた精神科医の香山氏は、結婚生活で苦しんでいる人を多く診察している経験から「あらゆる結婚にまつわる、夫の問題や、夫の家族の問題や、仕事の問題などいろんな大変なことが待っているのに、なぜ結婚したがるのかね君たちは、みたいな気持ちのほうがどうしても強くなっちゃう」と、自身の考えを述べ、

「震災後に価値観のズレが見えてしまったとか、原発問題、放射性物質の問題をどう扱うかで夫婦間で価値観が違い、別れちゃったとか」

と逆の事例を紹介。白河氏もまた、

「こういう大きなこと(震災)があると、ライフイベントに関してすごく影響があり、結婚もあり、離婚もあり、別離する人、復縁する人もいる」

と結婚が増えたのと同じように、別れを選ぶ「震災離婚」も増えている現状を指摘した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]「震災後、損得を超えさせた」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv70273818?po=news&ref=news#00:18:43

(浜リサ)

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