世界遺産になった国立西洋美術館 「8つ」の見どころとは?
2016年7月17日、トルコ・イスタンブールで決定された”ル・コルビュジエの建築作品”世界文化遺産登録。これによりフランス10資産、スイス2資産、ドイツ1資産、ベルギー1資産、アルゼンチン1資産、インド1資産、そして日本1資産の計17資産が世界遺産に。ル・コルビュジエが日本における近代建築運動に大きく貢献した建築物として、日本からは国立西洋美術館が世界遺産に登録されました。
その独創的な発想と斬新な手法により、20世紀の建築界を牽引したといわれるフランス人建築家のル・コルビュジエ(1887〜1965)が手がけた、東京・上野公園に建つ国立西洋美術館が竣工したのは1959年。
本書『ル・コルビュジエが見たい!』によれば、その主な見どころは大きく8つあるといいます。さっそくどのような点なのか少し見てみましょう。
まず注目すべきは、エントランスに通じるピロティ。建物の1階部分に柱だけの空間をつくることで、建物に軽やかな印象を与えているのだといいます。2つめは玉石を敷き詰めた外壁と前庭床のコンクリート製の石畳。3つめは建物の中心にある19世紀ホール。ここからスロープを通って2階の展示室に向かうことになりますが、コルビュジエの建築では、空間の移動手段としてスロープを配した”建築的プロムナード”も特徴的なのだそうです。
そして4つめは律動ルーバー。ガラスの外側に、桟のような板状のコンクリートをリズミカルに配置することで、室内に入る光が変化するようにデザインされているのだそう。5つめは雨樋。通常屋外にある雨樋をあえて屋内に設置。支柱の隣に、楕円柱型の雨樋が館内を垂直に通っています。6つめは中3階。現在は使われておらず、立ち入ることはできませんが、元々は小さな作品の展示が想定されていたそうです。
7つめは展示室。間仕切りがない展示室は、壁の絵を見ながら回遊する構造に。天井の高さに変化があるため、空間の変化も楽しめるのだといいます。そして8つめは屋上庭園。ル・コルビュジエ建築の代名詞ともいえる屋上庭園は、国立西洋美術館にもつくられており、館内に光をたくさん取り入れるための窓がたくさん出ているのが特徴的なのだそうです。
本書では、国立西洋美術館をはじめとする、このたび世界遺産になった17資産それぞれの特徴や見どころを写真とともにわかりやすく解説。その人生や作品の変遷を辿りながら、ル・コルビュジエ建築の魅力に迫っていきます。世界遺産登録を機に、本書にて改めてル・コルビュジエ建築を振り返ってみてはいかがでしょうか。
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