「バタフライ効果」への関心から生まれた作品シリーズ。三嶋章義の新作個展「明瞭模糊」が開催

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三嶋章義の新作個展「明瞭模糊」がNANZUKAにて開催。
本展は、1990年公開の「ジュラシック・パーク」や2004年公開の「バタフライ・エフェクト」といった映画でも取り上げられている「バタフライ効果」(カオス理論の一つで、「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こすか?」という予測不可能性に関する問題提起)に寄せる三嶋の関心から生まれた作品シリーズからなっている。本展のタイトル「明瞭模糊」は、そのバタフライ効果の問題設定に含まれる「明らかな曖昧さ」を視覚化しようとする三嶋の試みに由来する造語で、一連の作品群は「蝶になる前の青虫が食べた葉」を暗示しているのだ。本展に寄せて三嶋は「この明らかに曖昧な関係性に基づく現在の世界が、無から137億年かけて作り出されたものだと科学が証明するのであれば、 曖昧な現象をバカバカしい個人的な見解で視覚化することも、未来への変化の可能性の一部である。」と語っている。三嶋は一連の新作たちを、人の手の痕跡を消すこと、同時に人の知を暗に感じさせること、という矛盾する着地点へ導くために、キャンバスプリントのコラージュという手法を用いて制作された。「描く行為」と「考える行為」とがそれぞれ独自の発展を遂げている現代美術の現在への三嶋なりの挑戦でもあるのだ。

 

【概要】
2016年9月3日(土)-10月1日(土)
オープニングレセプション:2016年9月3日(土) 18:00-20:00
会場:NANZUKA [ACCESS MAP]

■三嶋章義
1978年大阪府生まれ、ミクストメディアと映像、インスタレーションを主戦場に、東京で制作活動をしているアーティスト。三嶋は、これまで「QUARTER」(NANZUKA、2006)、「FAMILY」(NANZUKA、2009)、「ヒエラルキー」(NANZUKA、2011)の3つの個展にて、世代を超えて更新されていく知性や感覚や本能的な闘争と進化といった生物進化論的なテーマを、自身の存在を基軸にしながら相関図的に表した作品を発表してきた。その集大成として、2012年にベルリンのGalerie Lena Brüningにて行った個展「AWAKING HYPNOSIS(催眠覚醒)」では、2011年3月11日の東北大震災および福島原子力発電所の事故に対応して新しい子供たちを意味する「Indigo Children」と題した作品を中心に、人間の前進する根源的なエネルギーを表したインスタレーションを発表している。
そして、2013年以降に行った個展、「荘厳」(Christian Nagel Cologne Project space)、「察する」(Galerie Nagel Draxler, 2014)、および「節穴」(NANZUKA、2014)では、より受動的な立場に自身の身を置き、私たち人間自身の営み(進化)を含む世界のあらゆる事象を突き動かしている「些細なこと」に着目したシリーズを展開した。

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