日中30分程度の外出なら、エアコンはつけっぱなしが得!?
「エアコンをつけっぱなしにするのとこまめに入り切りするのでは、どちらの電気代が安くなるのか?」
話題になるものの結論がよく分からなかったこの疑問に、空気にまつわる課題や疑問を検証する『ダイキン 空気のお悩み調査隊』が、同じ条件の2部屋を使って検証した。その結果とは?【今週の住活トピック】
第5回『ダイキン 空気のお悩み調査隊がゆく!』検証結果公表/ダイキン工業
検証実験1:つけっぱなしVS 30分間隔でつけたり切ったり
→日中なら、つけっぱなしのほうが電気代は安い
調査隊は次のような条件の下で、2つの検証実験を行っている。
・8月の猛暑日(最高気温は、検証実験1で36.3℃、検証実験2で36.9℃)に
・大阪にある鉄筋コンクリート造りのマンション(築10年)で
・同じ広さ(約14畳)・間取り(1LDK)、向き(南向き)の階違い(2階と3階)の2室を使って
・14畳用のエアコンを冷房26℃、風量自動で設定し
・9:00~23:00まで、1室はエアコンをつけっぱなし、もう1室はONとOFFを使い分けた場合で、消費電力を比較する。
エアコンのオンオフの使い分けを変えて、2つの検証実験を行っているのだが、1つめの結果を見ていこう。
検証実験1では、1部屋がエアコンをつけっぱなしであるのに対して、もう1室は30分間隔でつけたり切ったりした場合。結果は、「日中9:00~18:00なら、つけっぱなしのほうが電気代は安いが、夜間18:00~23:00はこまめにつけたり切ったりのほうが電気代は安い」というものだった。
その理由は、次の2点。
●室内温度と設定温度の差が大きいと、エアコンは起動時の消費電力が大きくなる
●日中は上記の温度差が大きいので、こまめにつけたり切ったりすると、そのたびに消費電力が大きくなる。しかし、夜間は外気温が低下して温度差が小さくなるので、起動時の消費電力は日中より小さくなる
なるほど、設定温度をキープできる「つけっぱなし」は、日中では有効ということのようだ。
ただし、外気温や急な天候の変化などによって消費電力が変わるので、必ずしもつけっぱなしのほうが電気代が安いとは限らないということだ。 【画像1】エアコン「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の時間帯別の累積消費電力量推移[日中の時間帯(9:00~18:00)](出典:ダイキン工業/第5回『ダイキン 空気のお悩み調査隊がゆく!』検証結果」)【画像2】エアコン「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の時間帯別の累積消費電力量推移[日中の時間帯(18:00~23:00)](出典:ダイキン工業/第5回『ダイキン 空気のお悩み調査隊がゆく!』検証結果」)
検証実験2:つけっぱなしVS 外出時にはエアコンを切る
→つけっぱなしのほうが、1日の電気代が約35円高くなった!
「外出時にエアコンを切る」場合の外出は、一日の生活スケジュールを想定して、「朝の買い物1時間、午後子どもの送迎に30分、夕方散歩に30分、夜に外食で2時間の計4回外出する」という前提だ。
この検証結果では、1日の消費電力量は「つけっぱなし」が 5.7kWh、「外出時に切る」が 4.4kWh 。電気代に換算すると153.9円>118.8円で、つけっぱなしのほうが電気代は高くなった。
最大の要因は、朝の1時間と夜の2時間の外出時に、消費電力に差がついていること。つまり、「長い外出ならエアコンは切ったほうがよい」ということのようだ。【画像3】エアコン「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」の消費電力量推移[1日の想定生活スケジュール](出典:ダイキン工業/第5回『ダイキン 空気のお悩み調査隊がゆく!』検証結果」)
日中は35分、夜間は18分を超える外出ならエアコンを切ったほうがよい?
調査隊が検証データを分析して、何分までの外出であれば「つけっぱなし」のほうが電気代は安くなるかを計算したところ、図表1のような結果になった。【画像1】時間帯による「つけっぱなし」のほうが安い外出時間(出典:ダイキン工業/第5回『ダイキン 空気のお悩み調査隊がゆく!』検証結果」)
真夏のマンションでのエアコンという条件下では、「つけっぱなし」のほうが電気代が安くなる目安は、日中は35分まで、夜間は18分までの外出となった。したがって、調査隊では「日中は 30分程度の外出ならエアコンをつけっぱなしにし、夜間はこまめに停止させるといった調整を行うことで、お得な運転ができる」とレポートしている。
ただし、室内の温度や湿度が高い日中の部屋に帰宅する際の不快感などもあるので、電気代だけに限らず、上手に使い分けるのがよいと結論付けている。
自転車をこぐ場合も、一定のスピードでこぎ続けるのは楽だが、止まった後に発車するのは力がいるもの。上り坂と下り坂でも、向かい風と追い風でも負荷は大きく変わる。思い込みをせずに、環境の変化に応じて、賢くオンとオフを使い分けていきたいものだ。
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