平松大阪市長、マニフェストを発表 橋下氏の「大阪都構想」を批判
今月27日に投開票が行われる大阪市長選へ出馬を表明している現職の平松邦夫市長は、2011年11月3日午後に開かれた記者会見で、マニフェスト(選挙公約)を発表した。また同日夕方、平松市長はニコニコ生放送の番組に出演。この中で、平松市長は「上から目線で切り分けるだけで世の中うまくなるというのはミスリーダーシップだ」と語り、ライバルの橋下徹・前大阪府知事の掲げる大阪都構想とその姿勢を批判した。
今回の大阪市長選では、大阪府と大阪市などを再編する「大阪都構想」を掲げる地域政党・大阪維新の会代表の橋下氏が、府知事からのくら替え出馬を表明。同日27に行われる大阪府知事選とともに「大阪秋の陣」とも呼ばれ、橋下氏の陣営と、橋下氏に反発する平松氏らの陣営に分かれ、大都市制度をめぐる岐路として注目を集めている。
会見の冒頭、平松市長は「I have a dream.(私には夢がある)」とアメリカの公民権運動の黒人指導者キング牧師の言葉を引用しつつ、「大阪を愛するすべての市民、あらゆる人たちと一緒に、この町をもっと良くしていくこと」と自身の夢を語った。その上で平松市長は「おおさか満足度日本一」と題されたマニフェストを発表。マニフェストでは「子育てと教育満足度日本一」「安全・安心、仕事・雇用支援満足度日本一」など7つの柱と89の具体的案施策が掲げられている。
このマニフェストに対しては、記者から「(橋下氏と違い)『これだけはやりたい』という目玉に欠ける印象がある」との声があった。これを受けて、平松市長は「私は現職なのでこの間取り組んできたこと、幅広くやってきたことが道半ば、8合目まで来たことを市民の皆さまに知っていただくことにポイントを置いた」と説明。その上で平松市長は、
「(大阪都構想のような)単に制度を変えれば世の中が良くなるというシングルイシュー(1つだけの争点)に乗っかって、一番しんどい思いをする人たちは、逆に、今途方に暮れている人」
と語り、大阪都構想に焦点を当てる橋下氏をけん制した。
また、平松市長は記者会見終了から約1時間後、ニコニコ生放送の番組にも出演。この中でジャーナリストの角谷浩一氏から「独裁者とリーダーシップの違いは何か」との質問を受けた平松市長は、「あらゆる人の意見を聞きながら、全体をどう良い方向に導いていくかを、しっかりと地に足を着けて引っ張っていくのがリーダーシップ」「独裁は自分に従わないものは排除する」と説明。その上で平松市長は、
「民主主義社会というものは時間がかかる。即効的な効果があるものが、単に枠組みを変えてできるとは思っていない。なおかつ地方自治体だから、一番身近なことをしっかりと支えていかなければならない。その社会を、上から目線で切り分けるだけで世の中うまくなるというのはミスリード、ミスリーダーシップだ」
と語った。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 平松市長のマニフェスト発表から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv69411457?po=news&ref=news#0:00:05
・[ニコニコ生放送] 「独裁者とリーダーシップの違いは何か」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv69412324?po=news&ref=news#36:38
(山下真史)
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