総勢約180品種! 原寸大で紹介する日本の「豆」のガイドブック
煮豆や餡、さやえんどう、お祝い事にはお赤飯、大豆から発酵してつくられるみそや醤油、納豆…。私たちの食卓は、豆からつくられる料理は欠かせないものだ。
そんな日本の豆が勢ぞろいしている本がある。
『日本の豆ハンドブック』(文一総合出版刊)である。
本書は在来豆ハンターである著者の長谷川清美氏が、各地で出会った「在来豆」約180品種をすべて原寸大で掲載。長谷川氏が自ら取材して手に入れた豆と情報のため、各地の行政や農業試験所の人ですら認識していないような珍しい在来豆が多数収録されている。
■「在来豆」とは一体何なの?
そもそも在来豆とは何なのか。
本書によれば、農家が自給作物をつくるために長い時間自らタネを採り栽培してきた在来種の豆(品種)のこと。在来豆は、栽培豆と違い、誰も品種を管理していないため、系統がバラバラで、新品種が何なのかもわからないほど、バラエティに富んでいる。
■よい豆の選び方指南
スーパーで野菜の形や色などでどれがよいか選ぶのと同じように、豆にもよい豆の選び方がある。本書ではそんな「豆の選び方」についても紹介している。
たとえば、しわの寄った豆は、病気や気候の影響で完熟する前に乾燥してしまった豆だ。しわが入った豆は水に戻しても戻りにくいうえに煮えにくいが、こうした豆は熱湯で戻すと吸水し、時間をかけて煮ると普通に煮える場合がある。
とはいえ、皮がしっかりとしていて、張りがある豆を選ぶようにするべきだろう。
一般の量販店が扱う豆は、ほとんどがピカピカだ。これは機械で磨いているため。一方、道の駅や直売所にある農家が脱穀し袋詰めした豆は、不自然な光沢はない。こういったお店では、落ち着いた自然なつやがある豆を選ぶのがよいという。
また、白など色の淡い豆は、黄色や茶色に変色していないか確認するのも大切だそうだ。時間の経過とともに豆は日焼けして、乾燥が進み変色するので鮮度の見極めにもなる。
完熟の度合いが高く、パンパンに張っている豆は少しの衝撃で割れてしまう。この割れ豆は、完熟しているよい豆の証でもある。
上記の条件をクリアしていそうで、見た目は問題なさそうでも、水で戻してみると、まったく吸収しない豆もあるので注意が必要だという。
在来作物に興味があるガーデニング愛好家や料理に興味のある人は特に楽しめる本書。在来豆ハンターが日本全国に足を運び、見つけてきた在来豆を写真と解説を見て、読んで楽しめる本書。奥深い豆の世界を覗いてみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
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