『ワイヤレススピーカーシステム SC-ALL05』水没しても大丈夫! お風呂でもBluetoothより高音質で楽しもう
くつろぎのバスタイム、お風呂スピーカーがあればよりその時間は楽しくなる。そこでBluetooth接続のワイヤレス防水スピーカーを導入した人も多いと思う。ところがこれ、やはり音が悪い。その点この『ワイヤレススピーカーシステム SC-ALL05』ならWi-Fi接続で浴室を高音質リスニングルームに変えてしまう。
たとえ浴室でも、Bluetoothスピーカー特有の貧弱音質に耐えられない人に
Bluetoothは便利な仕組みで、誰でも簡単に近くにある機器に接続できてしまうので活用している人も多いだろう。ヘッドホンやスピーカーなど、Bluetooth接続に対応している機器ならば、スマホとペアリング(接続)するのは直感的に可能。ただこれ、音楽を聴くという点に関してはデータを圧縮して伝送するので、確実に音質は落ちる。音楽ファンならがっかりしたことがある人が多いのではないか。
そもそもBluetoothは機器間で簡易的にデータをやり取りするための規格として開発されたので、そもそも音質をどうこう言うのはお門違いで、各メーカーで高音質化の努力はしているもののやはり劣化の度合いは激しいもの。記者もBluetooth経由の音楽はほとんどの場合、気持ち悪くて聴きたくなくなる。不安定で途切れがちというのも大きなウィークポイントだし。
そこで近年人気なのがApple社による「AirPlay」。Apple謹製だけども他社でも対応スピーカーも数多く、Bluetoothスピーカーよりは高価だけれど、音楽ファンにとっては重要な選択肢の一つになった。そんな中、AirPlayに対抗するがごとく登場したのが米国クアルコム社による「AllPlay」という接続方式。Wi-Fi経由で接続するところも名前も似ているが、これは別物。
現状国内ではパナソニックとFONしか対応機器が出ていないのは寂しいが、今後普及の可能性がある新規格である。そんな「AllPlay」規格で高音質再生を実現したのが、パナソニックの『ワイヤレススピーカーシステム SC-ALL05』(推定小売価格 税抜30,000円・2016年6月3日発売)だ。高音質という魅力とともに、水没しても大丈夫という強靭な防水性能を誇る新製品。Bluetoothスピーカーとは比べようもないくらい高価だが、別物といえるくらいその特徴は違うので、検証してみたいと思う。
地道に指示通り設定すれば上手くいく!
この『ワイヤレススピーカーシステム SC-ALL05』の性能をフル活用するには、専用アプリ「Panasonic Music Streaming」のスマホへのインストールが必要となる。
【iOS】iPhone、iPad両対応( iOS 7.1 以降。iPhone、iPad、および iPod touch に対応)
【Android】(Android4.0 以上)
インストールと設定は落ち着いてきちんと指示通りにこなすこと。ここをAppleユーザー的姿勢で直感的に何とかなるだろうと適当にするとうまくいかない。記者はそうだった。Wi-Fi設定で『ワイヤレススピーカーシステム SC-ALL05』が存在することを確認し、その後で自宅のWi-Fi環境に接続するという手順。途中でアプリが英語になったりするのが少々戸惑った。
ただ一度接続してしまえば後はスピーカーの設定画面を見ると分かる通り、常に専用アプリ「Panasonic Music Streaming」を開けば接続している状態に。時間を開けて起動すると、SC-ALL05を探す時間があるのは何だが、1分もかからない。ちなみにBluetooth接続もできるのだが、音質が落ちるので、あくまでAllPlayを選びたい。
その後はスマホ内に音楽ファイルがあれば、そのまま「Browse」で探すことができ、再生可能。独自のプレイリストを作ることもできる。ただiPhoneユーザーでApple Musicを利用している記者は、そのままApple Musicのプレイリストで再生できないのに戸惑った。容量の関係で、iPhone内にはあまり音楽ファイルを置かずにクラウドに置いているだけに。iPhone内にダウンロードしておけば良いのだが。
再生できるのは他にDLNA対応ネットワークサーバー(NAS)内の音楽ファイルや、使える人は限定されてしまうが、パナソニックのミュージックサーバー機能搭載モデルの「ディーガ」内の音楽ファイル。しかし一番記者が気になっていたのは、何と言ってもインターネットラジオが聴けるということだった。
音楽ファイルだけでなくインターネットラジオも聴ける!
「Panasonic Music Streaming」の設定欄に「音楽サービス」という項目があり、そこに連携アプリが登録できる。対応サービスは以下の2つ。
■海外ラジオが聴ける「Qualcomm AllPlay™ Radio powered by TuneIn」
【iOS】iPhone、iPad両対応( iOS 7.0 以降。iPhone、iPad、および iPod touch に対応)
【Android】(Android4.0 以上)
■J-POPを聴くための定番アプリ「レコチョク Best」
【iOS】iPhone、iPad両対応( iOS 5.1.1以降。iPhone、iPad、および iPod touch に対応)
【Android】(Android2.3 以上)
※「レコチョク Best」はインターネットラジオではなく、聴き放題アプリ。
音を『ワイヤレススピーカーシステム SC-ALL05』から出すのに苦労したが、再生画面右下のスピーカー(青くなっているところ)でSC-ALL05を選択すると無事音が出た。
「Qualcomm AllPlay™ Radio powered by TuneIn」はiPhoneなどのインターネットラジオアプリの人気ブランド「TuneIn」なので不足なし。世界各国のインターネットラジオ局が聴ける。お風呂で音質良くインターネットラジオ局が聴ける。これこそ願い待ち望んだこと。素晴らしい。ちなみに6局までなら本体にプリセット登録できてお手軽お風呂インターネットラジオの完成。これはたまらない。
ずっしりとした重みで、浴室ではオーバースペックな大音量を叩き出す!
次は『ワイヤレススピーカーシステム SC-ALL05』のスピーカーとしての性能を検証しよう。本体は専用ACアダプターによる充電で約8.5時間駆動する。実用最大出力は20W(10W+10W)だがACアダプター使用時に限られる。充電池駆動の場合は8W(4W+4W)となるが、重低音を加速するパッシブラジエーターを搭載しているのでオーバースペックなくらいの音量が出る。フルレンジの6.5cmのスピーカーユニットの威力は結構なもので、最高レベルにすると恐らくご近所は怒鳴り込んでくるのではないか。ACアダプターを使うとストリートミュージシャンが公園などで簡単なライブをしても良いレベル。
実際に浴室に持ち込んでみると、音量が足りないということはありえないと感じた。しかもステレオ。形状的に広がりは今ひとつだが、音質はクリアでメリハリが効いている。音楽を聴く浴室環境としては十分すぎるだろう。
防水性能は万全なのか、水没させてみよう!
防水性能はIPX5/IPX7相当ということで、水没さえも可能な強力さ。まずシャワーをかけてみたが、スピーカー前面の網状になった部分が濡れたことによって音がこもる以外は異常なし。普通はわざわざシャワーを浴びせかけて聴くことはないだろうし。ちなみに音が水濡れでこもってしまった場合は、「VOICE」ボタンを押すことによって音声を聞き取りやすく調整してくれる機能もある。
念のため恐る恐る水没もさせてみた。動作に異常はないが、音が聞こえにくくなった。当たり前。まあ水没させても大丈夫だが、この状態で使うことはありえないだろう。
水没時に気になるのは、端子部分だが、ここはロック式の開閉ドアになっており、ロックすることによって水分から身を守る。くれぐれも水場に持って行く時にはしっかりロックしておくこと。またスピーカー内部に水が溜まってしまった時用の水抜き穴が底面に用意されているのが面白い。
操作はタッチパネルで行うが、手が濡れていると反応しにくいときが多少あった。
まとめ:良い音でバスタイムを充実させたいなら、買い!
たとえ入浴中であろうと、記者のようにBluetoothの音じゃ納得いかんという人には、『ワイヤレススピーカーシステム SC-ALL05』は少々高価だがおすすめ。特にプリセットでインターネットラジオを切り替えられるのが、最高に良い気分。ぬるい湯温でじっくり浸かる方が体に良いと分かっていても手持ち無沙汰ですぐ出てしまうという人にうってつけ。逆に音質はこだわらないという人、海外曲中心のインターネットラジオを楽しむ可能性がない人には少々オーバースペックかもしれない。
【スペック】
サイズ:W170×H179×D77mm
重量:約1.5kg
通信機能:無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n)、有線LAN(100Base-TX/10Base-T)、Bluetooth 3.0(コーデックはSBC)、AllPlay
電源:ACアダプター/内蔵リチウムイオンバッテリー
無線 LAN 規格:IEEE802.11a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)※WPS接続可能
対応 フォーマット(AllPlay):MP3/AAC/FLAC/ALAC/WAV
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