【速報】2016年分路線価を発表。全国の平均値が8年ぶりに上昇

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国税庁から2016年の路線価が発表された。なにかと気になる地価が上がったのか下がったのか。今年の注目ポイントを見ていこう。

公示地価の80%程度の水準で路線価が決められる

路線価は相続税や贈与税を算出するときの基準となる地価のことで、国税庁が道路ごとに1m2当たりの単価を定めている。毎年1月1日時点で評価される公示地価を参考に、その80%程度の水準になるように路線価が決められるのだ。

そのため、3月に発表された公示地価の動きと基本的には変わらない。今年の公示地価では住宅地や商業地など全用途の全国平均が8年ぶりに上昇したので、路線価の変動率の全国平均値も8年ぶりに上昇している。

14都道府県で路線価の変動率の平均が上昇

都道府県別にみると、変動率の平均値が上昇したのは首都圏や大阪府、愛知県など大都市圏や中核都市を中心とした14都道府県のみ。昨年より4道県増えているが、残りの33県は下落した。滋賀県のように昨年は横ばいだったが、今年は下落に転じたところもある。

とはいえ、上昇率・下落率ともにいずれの都道府県も5%未満の小幅にとどまっている。そのなかで最も平均値の上昇率が高いのは東京都の2.9%で、昨年(2.1%)より0.8ポイントアップした。次いで震災復興の影響から宮城県(2.5%)、福島県(2.3%)が高く、いずれも昨年と同じ上昇率だ。さらに沖縄県は昨年より1.4ポイントアップして1.7%だった。

逆に平均値の下落率が大きいのは秋田県(マイナス3.9%)、愛媛県(マイナス2.1%)などだが、下落率は昨年より縮小している県が多い。全体的には「都市部の地価が上がり、地方では下落が続く」状況にさほど変化はない。

最高路線価のトップは31年連続で銀座中央通り

国税庁では都道府県庁所在都市ごとの最高路線価も発表している。各都市の路線価の中で最も高いところだ。

それによると、1位は東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通りで、堂々の31年連続トップ。全国で最も地価の高い東京都の中の最高路線価なので、当然のことながら全国で最も地価の高いところとなる。

ちなみに銀座中央通りの路線価は1m2当たり3200万円で、前年より18.7%アップしている。ちょっとしたマンションを1戸買えてしまえるくらいの価値ということだ。

地価上昇の動きが中核都市の中心部にも波及

最高路線価の「上昇率」のランキングを見ると、トップは大阪市だ。場所は北区角田町の御堂筋で、前年より22.1%アップして1m2当たり1016万円だった。2位は前述した東京(18.7%アップ)で、3位は京都市下京区の四条通り(16.9%アップ)、4位は名古屋市中村区の名駅通り(14.1%アップ)となっている。

大阪市や京都市では中心部などでマンションの分譲が活発化していて、地価も上昇の勢いが増しているようだ。特に大阪市は今年の公示地価で中央区の心斎橋や道頓堀で上昇率40%台を記録する地点が出た。

また、最高路線価の上昇率ランキングでは上位10位までが2ケタの上昇率となっており、仙台や広島、福岡、札幌といった中核都市がランクインしている。大都市中心部での地価上昇の動きが、中核都市の中心部にも波及している様子がうかがえる。

地価の上昇は住宅価格のアップに直結する

相続税や贈与税を払う人にとっては負担増につながるものの、地価が上昇するということは土地や不動産に投資する人やおカネが増えていることを示すので、日本経済にとってはプラス要因だろう。

とはいえ、これから住宅を買う人にとっては、地価の上昇は住宅価格のアップに直結するので気になるところだ。今回の上昇率なども参考に考えてみよう。●参考

・国税庁/路線価図・評価倍率表
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