暑い夏に日本酒を楽しむための酒の「肴」と「飲み方」について
暑い夏だからこそ楽しめる日本酒の飲み方とは?
今年はなんと6年ぶりの猛暑の予報が出ています。
暑くなればなるほど「ビール」の消費が一気に伸びます。
逆に「日本酒」の消費は厳しくなるのが現状です。
しかし、こういう時期でも日本酒を美味しくいただく方法があるのです。
日本酒好きの方だけではなくそうでない方も、夏ならではの清涼な飲み方をしてみましょう。
夏に日本酒を楽しむバリエーションが増えてきた
お燗酒は流石に敬遠してしまう夏の暑さ。
そんな時はきりっと冷たく飲む日本酒を楽しみましょう。
『雪冷え(ゆきびえ) 5℃』
『花冷え(はなびえ)10℃』
『涼冷え(すずびえ)15℃』
と言う日本酒を冷たくした時の温度ごとに呼び名が実はあります。
つまりこんな温度で呑む日本酒があると言う事です。
因みに、30℃日向燗、35℃人肌燗、40℃温燗、45℃上燗、50℃熱燗、55℃飛び切り燗と言いますが、15℃~30℃の間が『冷(ひや)』と言われ、いわゆる「常温」です。
『冷(ひや)』と言うと冷蔵庫に入っている『冷酒』と勘違いされている場合が多いので注意しましょう。
日本酒そのもので「季節の旬」を感じさせる「夏酒」として売り出す蔵は近年増えてきています。
涼しさを感じさせるラベルやネーミングを冠し、フルーティー系の純米吟醸を中心としたキリっとしたタイプや甘酒を思わせる「夏にごり」で出荷されることが多いのも特徴です。
なぜ冬酒の定番「にごり酒」が夏に出されるようになっているのかと言うとそこには酒粕成分が関わっているからです。
今はもっぱら冬場を中心に飲まれている「甘酒」はもともと夏の健康ドリンクで夏バテ防止飲料水でした。
米麹を利用した日本独特の甘味飲料で酒粕成分の栄養素が元気水として飲まれていたからです。
元々夏場に飲まれていたこともあるので、夏場に「にごり酒」が出されるのは、不思議でもなんでもないのです。
日本酒のカクテルには世界的人気のものも
また日本酒には日本酒をベースにした様々な飲むスタイルがあります。
まずは夏定番の飲み方は「オン・ザ・ロック」。
出来れば氷はカクテルバーなどで使われている、溶けにくい「丸氷」や市販されているゆっくりと凍らされた硬い氷を使うと水っぽくならなくてとても良いです。
お酒は純米原酒や生酛山廃仕込タイプの様なしっかりとした芳醇な日本酒が最適です。
そして純米吟醸のフルーティーで華やかなお酒をベースにソーダ割りやトニックウォーターで割るのも夏ならではの飲み方です。
柑橘類の果物をスライスして加えると更に清涼感が増し、涼しげに楽しむことが出来ます。
日本酒のスパークリングタイプも近年は大人気です。
しっかりと炭酸が効いたタイプもあれば微発砲系もあり夏に飲むにもぴったりです。
アイスクリームに濃厚な日本酒を掛けて楽しむ強者もいます。
アイス用の日本酒を出している酒蔵があるほどです。
日本酒をシャーベット状にしてしまい日本酒そのものをアイス感覚で食べるのも乙なものです。
世界では日本酒ベースの定番カクテルがいくつかあります。
その中でも「サムライロック」はどこの国のバーでもあるほど有名。
日本酒にライムを入れるだけのもので、シンプルなのですが最高な味わいに仕上がります。
トマトジュースに日本酒を入れる「レッド・サン」やヨーグルト割りも女性には人気です。
酒の肴は夏バテ防止も兼ねて
酒の肴は夏バテ防止も兼ねて有効と言われているのが、タンパク質、ビタミンB1、B2とクエン酸を多く含む食材です。
日本酒の酸味は黄麹(アスペルギルスオリゼー菌)が産み出す「乳酸」が由来です。
泡盛や芋焼酎などの黒麹(アスペルギルスアワモリ菌)で醸すお酒は「クエン酸」が由来です。
炭水化物を摂取してもビタミンB1、B2とクエン酸が不足すると吸収も落ちるので夏バテ解消にはつながりません。
酢の物や豚肉料理と柑橘類を一緒に食したり、豆腐にネギ類をいっぱいかけて食べるなども効果的です。
お酒を飲むと必ず脱水症状が激しく進みます。
ただでさえ脱水状態になりやすい夏の季節。
和らぎ水(チェイサー)を飲みながらアルコールによる脱水を防ぎ、健康に楽しく夏の夜長を日本酒と共にお過ごしください。
(鎌田 孝/利酒師)
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