【電話する前に】ビジネスで役立つ、頼みにくいお願いメールの書き方とは?
仕事のやり直しをお願いしたい。支払いの期限を延ばしてもらいたい――。ビジネスパーソンとして働いていると、取引先やビジネスパートナーに向かって言いにくいことを伝えなければならない場面に直面することがあります。今回はビジネスシーンで役立つ「頼みにくいメール」の書き方を、例文を交えてご紹介します。
文例1 取引先にやり直しをお願いする
いつもお世話になっている取引先に納品物のやり直しをお願いする場合、どのようなメールを送ればいいのでしょうか?文例とポイントをお伝えします。
●シチュエーション
大事な取引先からお願いしていた新商品のデザインが上がってました。ところが、確認してみると、期待していたレベルをはるかに下回っています。上司は「やり直してもらえ」の一点張り。取引先との関係を壊さずにデザインのやり直しをお願いするには、どんなメールを送れば良いのでしょうか?
●文例(本文)
本日、デザインのデータが届きました。誠にありがとうございます。
短い期間の中でご尽力くださったことに感謝いたします。
それにもかかわらず、このようなことを申し上げるのは非常に心苦しいのですが、再度のご検討とデザインのご修正をお願いしたく存じます。
既存の商品から大きくリニューアルしたことを、もう少し明確に訴えたいというのが弊社の考えでございます。
今回頂いたデザインでは、既存の商品と差別化できる点が一見わかりづらく、これでは御社の優れたセンスがお客さまに十分伝わらないのではないかと思われます。
弊社といたしましては新商品の販売で成果を上げることはもとより、今回のお仕事を機に御社との関係をより一層深めていければと願っております。
お忙しいところ恐れ入りますが、どうか事情をお汲み取りいただき、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。
●ポイント
押さえておきたいポイントは3つです。 感謝の気持ちを伝える 相手を肯定的に持ち上げつつ、やり直しを要求する 相手との関係を深めたいという意思を明確に伝える
まず、短期間でデザインを納品してくれたことに感謝の気持ちを伝えます。その上で「御社の優れたセンスがお客さまに十分伝わらないのではないか」と肯定的に持ち上げ、「御社との関係をより一層深めていければ」と今後の関係性についても触れるのがポイントです。取引先のセンスを高く評価していることと、これからも一緒に仕事をしたいのだという点に言及すれば、やり直しをお願いしても関係が壊れる心配はほぼないでしょう。結局はやり直してもらう以外に方法はないわけですから、表現に細心の注意を払いつつ、こちらの要求はしっかり伝えましょう。
文例2 講師を頼んだ先生に対し直前キャンセルのお願い
こちらから講師を依頼した先生に、直前になってキャンセルのお願いをしなければならなくなった場合、どのようなメールを送ればいいのでしょうか?文例とポイントをお伝えします。
●シチュエーション
会社主催の講演会を開くことになり、若手の人気作家を講師として呼ぶことになりました。しかし、ようやく作家からOKをもらったにもかかわらず、土壇場になって社長から「別の人にするように」とNGを出されてしまいました。電話でお詫びをする前にメールでワンクッションを入れておきたいところです。
●文例(本文)
さて、○月○日の講演会の件でございます。
大変申し上げにくいのですが、講師のご依頼を取り下げさせていただかざるを得なくなりました。
ご多用のところをお引き受けいただきました○○先生には、お詫びの言葉もございません。
何卒キャンセルということでご了承くださいますよう、お願いいたします。
ご迷惑をお掛けしてしまい、誠に申し訳ございません。
弊社一同、先生のご講演を心より楽しみにしておりましたが、業務上の都合により開催が難しい事態となってしまいました。私どもの不手際であり、誠にお恥ずかしい次第でございます。どうぞお許しください。
あらためて部長の○○よりお詫びを申し上げたく存じますが、取り急ぎメールにて失礼いたします。
末筆ではございますが、○○先生のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
●ポイント
押さえておきたいポイントは2つです。 「申し訳ない」という言葉を使用するのは一度だけ 言葉を変えながら何度も謝罪する
謝罪をする際には、繰り返し詫びることで悪いという気持ちを切々と訴えていくことが大切です。しかし、「申し訳ない」「すみません」だけではビジネスメールとしては表現が不十分。文例では「申し訳ございません」「お詫びの言葉もございません」「お許しください」と言葉を変えながら謝罪の言葉を積み重ねています。
その上で、「あらためて部長の○○よりお詫びを申し上げたく」と続けることで、このメール一本で謝罪を終わらせるつもりはないことを相手に伝えるのが良いでしょう。
「自分は悪くないんだけど、会社の人間が突然…」と書きたい気持ちは、相手とよほど親しい場合以外は避けるのが無難です。
文例3 支払いを待ってもらう
最後は、支払い期日を延期してもらうためのメールの書き方です。こちらの信用を落とすことなく支払いを待ってもらうには、どのようなメールを送ればいいのでしょうか?文例とポイントをご紹介します。
●シチュエーション
従業員5人の小さな会社を経営しているが、取引先の一件が経営破たんに陥った影響で、指定期日までに支払いをすることができなくなった。ただ、資金繰りのメドは立っているので、今回だけ支払い期日を延期してほしい。
●文例(本文)
さて、本日はお願いしたい件があり、ご連絡をいたしました。
誠に申し上げにくいのですが、○○のお支払いにつきまして、ご猶予をいただけないでしょうか。
○月○日には必ずお振り込みをいたします。恐れ入りますが、お許しをいただけますようお願い申し上げます。
理由といたしましては、ご承知の通り、弊社の関連取引先が倒産手続きに入ったことで、予定していた入金が行われなかったことでございます。
日頃大変お世話になっている御社にこのようなお願いを申し上げるのは心苦しい限りでございます。
心よりお詫びを申し上げます。
今後はご迷惑をおかけしないよう努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
●ポイント
支払いを待ってもらいたいときは、「いつまでに必ず払う」という期日を示すことが重要です。期日を書かないと、相手から「では、いつ払ってくれるんですか?」と畳み掛けられてしまいます。そこで、「○月○日までには必ず払う」ということが書かれていると、相手も「それくらいなら待ってやるか」と理解してもらえる可能性が高まります。
むやみに謝らず、要点を先に
頼みにくいメールを送るときは、気が重いものです。しかし、社会人になったら、そういうメールを送らなければならないシチュエーションに直面することがあります。そんなときは「要点を先に書く」「謝りすぎない」という2点を意識してメールを書きましょう。謝りすぎないためには、お詫びに関する表現の幅を広げることが役立ちます。また、「自分は悪くない」「自分の責任ではない」と書きたい気持ちもわかりますが、相手にとっては言い訳にしか聞こえません。申し訳ない気持ちを心を込めて表現しつつ、要求すべきところはしっかり要求する。これが頼みにくいメールを書くときのポイントです。
参考文献:月刊『CIRCUS』2012年5月号
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