ゆとり第一世代がドラマ『ゆとりですがなにか』を見て思ったこと(第8話)
こんにちは。ゆとり記者のよしだです。
日本テレビのドラマ『ゆとりですがなにか』(日曜22時30分~)について、ゆとり第一世代の視点から思ったこと、思い出したことなどをアレコレと書き連ねております。
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【連載】ゆとり第一世代がドラマ『ゆとりですがなにか』を見て思ったこと
山路(松坂桃李さん)にモテキ(?)が到来。まりぶ(柳楽優弥さん)が植木屋に転職。ゆとりちゃん(島崎遥香さん)はまりぶとの別れを選択。坂間(岡田将生さん)はエリアマネージャーに昇進。坂間の上司で伝説の営業マンこと早川(手塚とおるさん)が急展開のキャラ開花……と、折り返しを迎えたストーリーもさらなる展開が盛りだくさんだった前回。
第8話は「坂間、会社やめるってよ」からスタートし、坂間の兄・宗貴は家業の造り酒屋を離れて「北海道で農業をやりたい」と言い出します。勝手なことばかり言う息子たちに母親は激怒。「長男のクセに」という考えは怒りをぶつけるのに簡潔で便利な言葉だと思いました。暗黙の了解のうちに、長男であれば家業を継いで当然、大黒柱として家族を支えて当然、という意味が込められているのは明白なのです。
イマイチ掴みどころのない若手社員に対して「これだからゆとりは」と言いたくなるのも同じ原理だと思います。「ゆとりだから」と言ってしまえば、相手を分かったような気になって心持ちも楽になる。理解不能なモノを理解の範囲に留めるための便利な言葉なのです。
まりぶが「既婚者だから」不倫はダメ、というのは法的な問題です。でも、ステレオタイプとは、それと同じくらい思考の範囲を狭める危険性があることを忘れてはいけません。
まりぶが鳥の民で働く坂間を称し、「ゆとりゆとり言うけどさ、あんなにゆとりのねぇヤツもゆとりなんだぜ。いろんなところにぶつかって、皿割って、バイトに怒鳴られて、タレと塩間違えて水道で洗ってさ。いねぇよ、そんなヤツ。向いてねぇよ。カッコいいじゃん」と語った場面。
文字だけを見れば完全にバカにしているのですが、第2話で坂間が漏らした「みんな違う。クズだけど、それぞれ違うクズなんだから、ゆとりなんて言葉で括らないでください!」というセリフと同義の愛が詰まった言葉だと感じました。
だからこそ、まりぶにとって坂間は、ゆとり世代の中でも「自分にとって大事なモノちゃんと分かってるし、そのためにハードな状況でズタズタになって闘ってる」ゆとりである、と個体化して見ることができるのです。
そんな坂間はいよいよ辞職を決意。そして宮下(安藤サクラさん)との結婚を誓います。「誰より上を目指すんですか。社長になれるワケじゃあるまいし、もう十分です」と、わずかな成功体験を糧に退職に踏ん切れるあたりは、やはり良くも悪くもゆとりなのだと思います。
それでも、連名で退職届を提出した二人に、「これだからゆとりは」とボヤいた上司の表情は、どことなく穏やかだったような気がします。
日曜ドラマ「ゆとりですがなにか」第9話予告編(YouTube)
https://youtu.be/Z09VyUuEgDk
日本テレビ『ゆとりですがなにか』公式サイト:
http://www.ntv.co.jp/yutori/index.html[リンク]
※画像は日本テレビ公式サイトより引用
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