アウディ Q7は今後のアウディをけん引する存在だ

▲完全に個人的な趣味の話になってしまうが、もしもSUVを生活に取り入れるならば、もう少し「ゆるい」方が好み。アウディらしいといえばそれまでだが、新型 Q7の完成度の高さにはスキがなく、私には優等生すぎるかも……

▲完全に個人的な趣味の話になってしまうが、もしもSUVを生活に取り入れるならば、もう少し「ゆるい」方が好み。アウディらしいといえばそれまでだが、新型Q7の完成度の高さにはスキがなく、私には優等生すぎるかも……

名実ともにアウディの新たなフラッグシップモデルに

新型Q7を知ると、SUVに対する考えが大きく変わるかもしれない。大型のプレミアムSUVは、モデルチェンジのたびに押し出しの強さをウリとするようになり、いつの間にか威圧感にも近いキャラクターが特徴となってしまったように思う。ポルシェ カイエンしかり、メルセデス・ベンツ GLEクラスしかり。

そんななかQ7は、シンプルで高品質なデザインとスタイリングをもち他ブランドとは一線を画すモデルとして支持されてきた。残念ながら、日本市場では対歩行者安全基準を満たしていないために途中からラインナップ落ちしてしまっていたのだが、このたび満を持して新型が投入された。

ボディは全長、全幅ともに切り詰められ、スペック的にはコンパクトに。加えて、曲面で構成されていた先代から、シャープなエッジを効かせた新しいアウディデザインをうまく取り入れることで、視覚的にも大きさを抑えていることが特徴だ。さらに、先代比マイナス300kgという軽量化が、新型の走りを支えている大きなトピックスといえる。

搭載するエンジンはV6 3Lの3.0TFSIと直4 2Lの2.0TFSI。とくに2Lエンジンに対しては、「このサイズのSUVではパフォーマンスが不足するのでは? 」と心配する向きが多いようだが、ボディの軽量化や優れた8速ATとのマッチングにより、鈍重に感じられる場面はまずない。

また、高品質で静粛性の高いインテリアは、A8と比べるとゲストをもてなすアイテム数こそ少ないが、掛け値なしにフラッグシップと呼ぶにふさわしい環境といえる。新型Q7こそが今後のアウディブランドをけん引する存在であるとアピールしているかのようだ。

▲先代モデルより全長35mm/全幅15mm小さくなったものの、室内は広くなっている。独立式3列目シートはオプションで用意された

▲先代モデルより全長35mm/全幅15mm小さくなったものの、室内は広くなっている。独立式3列目シートはオプションで用意された

▲メーターパネルに12.3インチTFTディスプレイを採用したバーチャルコックピットを装備(2.0 TFSIクワトロはオプション)。ラゲージ容量は295から770Lに

▲メーターパネルに12.3インチTFTディスプレイを採用したバーチャルコックピットを装備(2.0 TFSIクワトロはオプション)。ラゲージ容量は295から770Lに

▲走行状況によりダンパー減衰力や車高を自動調整するアダプティブエアサスペンションや、オールホイールステアリングをオプション採用する

▲走行状況によりダンパー減衰力や車高を自動調整するアダプティブエアサスペンションや、オールホイールステアリングをオプション採用する

【SPECIFICATIONS】

■グレード:Q7 2.0 TFSI quattro ■乗車定員:5/7名

■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1984cc

■最高出力:252/5000-6000[ps/rpm]

■最大トルク:370/1600-4500[n・m/rpm]

■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT

■全長×全幅×全高:5070×1970×1705(mm) ■ホイールベース:2995mm

■車両価格:804万円text/菊谷聡

photo/阿部昌也

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