『シマウマ』竜星涼&須賀健太インタビュー「“どれだけ暴力的か”が大事な映画」

IMG_2692

同名のベストセラーコミックを実写化したクライムムービー『シマウマ』が現在大ヒット上映中。依頼者が抱く恨みをさまざまな方法で晴らす回収屋となった青年が、裏社会で活躍していく姿を追った本作は、何かと規制が厳しい日本映画界の中で「攻めている」「骨太のヴァイオレンス」と話題を呼んでいます。

本作で主演のドラ役を務めたのは、『獣電戦隊キョウリュウジャー』で大ブレイク後、数々の作品に出演する竜星涼さん。回収屋の一員で奇抜なメイクを施した猟奇的な快楽殺人者・アカに須賀健太さんと、実力派若手俳優がこれまでに無い役柄に挑んでいます。

今回は竜星さん、須賀さんに作品についてインタビュー。色々とお話を伺ってきました。

【関連記事】日本映画よ表現の規制を超えていけ! “攻める邦画”まとめ2016初夏
https://getnews.jp/archives/1464487 [リンク]

IMG_2681

―本作はかなり過激なヴァイオレンスシーンもあり、脚本を読んだ時は驚かれたのでは無いでしょうか?

竜星:このお話をいただいて漫画を読んで、結構ハードなシーンが多いので「このまま映像化出来るのかな?」とは思いました。でも、台本からすごくパワーを感じましたし、どこかでゆるめてしまっては『シマウマ』という作品になりませんし、中途半端にせず思い切りやりきっている所が一番の魅力なのでは無いかと思っています。

須賀:色々と難しい時代にかなり攻めている作品だなと思います。「どれだけ暴力的だったか」という所が大切になってくる、特殊な現場だったと思います。特に僕の演じたキャラクターの「アカ」は、おかしな人間だらけの中でも特別個性的だったので、振り切って演じました。

―竜星さんは『キョウリュウジャー』や映画『orange—オレンジ—』等への出演もあって、女性ファンがたくさんいらっしゃると思うのですが、このかなり悪い役柄である「ドラ」を演じるのに抵抗はありませんでしたか?

竜星:もともとこういった作品は好きなので、抵抗はありませんでした。俳優という仕事はイメージの中でやっている所があり、それを毎回壊したいって思うのが正直な気持ちです。そういう意味で今回すごくいいきっかけをもらって、イメージを変えるチャンスをいただけたなと思っています。男はどこかでこういう悪い役をやりたいと思っている所があるので。

―「アカ」はファッションやメイクに加えて、妙にニコニコしている表情とか、理解出来ないけどなぜか惹き付けられる魅力的なキャラクターとなっていましたね。参考としたヒール・悪役はいらっしゃいますか?

須賀:『ダークナイト』のジョーカーはやはり意識していて、映画を観直して、こういう表情やセリフまわしをするのか、という事は研究しました。撮影の順番も、過去のシーンを先にとって、現在に、というやり方だったので、アカがどう変化していったかを演じられて良かったです。

竜星:高校生時代の回想シーンから先に撮ったので、その後の須賀君のアカへの入り込み方は驚きました。後、映画では最初の方となりますが、コミックどおりにアカが女装をしているシーンで、須賀君の足が綺麗で驚きました。

須賀:(笑)。そうですね、ぜひ僕の女装に注目してください。

―確かにあれは女性顔負けの美脚でしたね! そういった細かな描写までコミックが再現されていて、原作好きとしては盛り上がりました。コミックを実写化してしまうと描写がマイルドになってしまったりと、がっかりする方もいらっしゃると思うので。

竜星:『シマウマ』をマイルドにしたら、『シマウマ』じゃないですよね。“絶対に読んではいけない漫画”というキャッチコピーは、映画を観たらすごく納得すると思うし、何も隠さないこの『シマウマ』の世界観だからこそ面白い映画になっていると思うので。

須賀:登場人物に共感出来るとか、自分の思い出に重なるといった事が無い作品ですから、エンタテインメントとして楽しんでもらう事が一番だと思います。過激な描写もたくさんありますけれど、この作品が気になって観たら、自然に楽しんでいる自分がいると思うんです。気に入らない方もいると思いますし、万人に受け入れられる作品ではありませんが、好きな人は大好きだと思います。

竜星:ハッピーエンドでも無いですし、映画が終わってからも、ドラとアカには今後色々な出来事があって、今でも東京の街でバトルしている気がするんですよね。この2人の関係は、一筋縄ではいきませんから。

―どこかで『シマウマ』の世界が続いている、というのは確かに分かります。個人的に続編も観てみたいです。最後に、本作はコミック原作の映画でしたが、お2人が今好きなコミックはありますか?

竜星:漫画って大好きでよく読むんですけど、今は『ワンパンマン』が好きです。男子はやっぱりバトルにワクワクしますね。

須賀:『とんかつDJアゲ太郎』という作品です。ファンの方がtwitterで「この主人公、須賀君に似てますよ!」って教えてくれたのですが、もともとシュールな作品が好きなので、ハマりました。グッズとかも色々買ってます。

―『とんかつDJアゲ太郎』が実写化された際は、須賀さんが主人公決定ですね。

須賀:そうですよ、他の方には譲りません(笑)。

竜星:俺だって『ワンパンマン』が実写化されるなら、頭速攻で丸めますよ!(笑)

―今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!

映画「シマウマ」はヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開中。
公式HP : http://shimauma-movie.com/

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 『シマウマ』竜星涼&須賀健太インタビュー「“どれだけ暴力的か”が大事な映画」

藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。