のこりわずか 都内で見られる205系で旅をしよう

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『写真①』(1)

JR東日本、205系電車は昭和60年(1985年)に当時の国鉄が製造した通勤型電車です。

ぴかぴかに輝くオールステンレスの軽量車体、軽量ボルスタレル台車、界磁添加励磁制御、電気指示ブレーキ…

当時の最新技術を盛り込み、これまで『車体一色塗り』が主流であった通勤電車にフィルムによるラインカラー(帯)をまとった姿は非常に画期的な車両でした。

最初に山手線に集中投入されたことから、日本の通勤電車の象徴ともいえる存在となり、他路線にも順次投入されていき、近代化を進めていきました。

そんな205系も全盛期はわずかに配置された関西地区も含めて1413両という大所帯となりJR発足後に誕生した新形式車両たちと混ざりながら大都市の通勤輸送を支えてきました。

しかし誕生から今年で31年を迎え、当時画期的であった技術も次第に時代に合わなくなってきました。

そして後輩の新型車両に活躍の場所を譲り、その姿を見るのも少なくなってきました。

今回は現在も205系が残る路線にスポットを充てて2016年の都内を走る205系を見てみましょう。

東京都内を走った205系の活躍線区

※営業運転開始日と最終運転日を記載。都外の鶴見線や宇都宮線、日光線、仙石線は除外

1.山手線…昭和60年(1985年)3月25日⇒平成17年(2005年)4月17日
2.横浜線…昭和63年(1988年)9月22日⇒平成26年(2014年)8月23日
3.南武線(支線は現役)…平成元年(1989年) 3月11日⇒平成28年(2016年)1月9日
4.中央・総武線平成元年(1989年)8月1日⇒平成13年(2001年)11月27日
5.埼京・川越線…平成元年(1989年)7月1日⇒現在。
6.京浜東北・根岸線…平成元年(1989年)10月26日⇒平成8年(1996年)2月1日
7.京葉線…平成2年(1990年)3月10日⇒平成23年(2011年)7月25日
8.相模線…平成3年(1991年)3月16日⇒現在。
9.武蔵野線…平成3年(1991年)10月8日⇒現在。
10.八高・川越線…平成15年(2003年)11月⇒現在。

『写真②』(1) 『写真③』(1)

2016年5月現在で都内で見ることのできる205系は4路線のみとなっています。

埼京・川越線

1989年(平成元年)7月1日から川越車両センターに最大で10両編成32編成の320両が配置されていました。

このうち25編成は2号車と3号車に6ドア車を組み込んだ編成で構成されていました。

2013年(平成25年)6月30日から後継のE233系7000番台が導入され、2014年2月以降は1編成を残して全て引退しました。(6ドア車組み編成はこの時点で引退)

引退した車両は大部分の車両が海を越えてインドネシアの鉄道会社、KRLジャボタベックへ譲渡されたほか、2編成が4両編成化されて宇都宮線に転属、それ以外は廃車となりました。

現在はハエ28編成のみが最後の埼京線205系として孤立奮闘中。

これは2017年秋から導入が予定されているATACSのE233系7000番台側へ対応機器設置改造に伴う予備車として残されているものです。

比較的、運用にもよく入っており、最後の10両編成205系ということもあって、力強いモーター音を響かせながらファンの注目を集めています。

『写真④』(1)

運行区間:川越駅(川越駅)⇒大宮駅(埼京線)⇒大崎駅(埼京線)⇒新木場駅(東京臨海高速鉄道りんかい線)

相模線

相模線205系500番台は1991年(平成3年)3月16日の相模線電化開業時から活躍しており登場時からほとんどオリジナルスタイルを保っています。

朝と夕方のラッシュ時は橋本駅から横浜線に乗り入れ、八王子駅まで足をのばしています。

他路線の205系とは大きく異なる独特のデザインは一見、別形式とも思えるほど。

国府津車両センターに4両編成13編成の52両が配置され、相模線全列車の運行を担っています。

全旅客列車が205系で運転されており、今後も同線の主力車両として活躍が期待されています。

『写真⑤』(1)

運行区間:茅ヶ崎駅(相模線)⇒橋本駅(相模線)⇒八王子駅(横浜線)

武蔵野線

武蔵野線205系は大きく分けて2つのグループに分けられます。

1991年(平成3年)10月8日に登場した新製グループと2002年(平成14年)11月23日から他路線(中央・総武線、山手線)から転属してきたグループです。

新製車はかつて京葉線に投入されていた205系と同じく、前面デザインが変更されています。

また205系で唯一、前面にスカート(排障器)を設置されていない点も特徴です。

他路線から転属してきたグループも細かく分けることができます。

ドアの窓が小さい車両はかつて山手線で活躍していた車両で205系の中でも古参の初期車に当たります。

勾配の多い武蔵野線を走行するために不足する電動車をVVVFインバータ制御に改造し、5000番台になった車両も。

さまざまな路線で経緯を歩んだ205系が集まっているので趣味的にも楽しい路線です。

京葉車両センターに8両編成42編成の336両、都内で最大の205系運用線区です。

『写真⑥』

運行区間;府中本町駅(武蔵野線)⇒南船橋駅(武蔵野線)⇒東京駅(京葉線)
     ※このほか、『むさしの号』『しもうさ号』でも活躍。

八高・川越線

埼京線205系と同じく、川越車両センターに4両編成5編成の20両が在籍しています。

2003年(平成15年)11月から山手線で活躍していた205系を先頭車化改造してものです。

山手線にE231系500番台が導入された2002年(平成14年)から2005年(平成17年)にかけて205系は非常に大きな動きがありました。

当時山手線は11両編成52編成という205系最大の運用線区で保安装置を新型のデジタルATCに更新するに伴い、車両側にも機器更新が必要とされました。

山手線は日本を代表する路線です。そこでデジタルATC化に伴い205系に機器更新を行うのではなく、新型車両の導入(E231系)をすることでイメージアップを図ることになったのです。

しかしこの時点で205系はまだ廃車にするほど老朽化はしておらず、各線への転属、つまり『転勤』がさかんに行われました。

八高・川越線の205系3000番台もそんな山手線から転勤してきたグループです。

『写真⑨』

運行区間:八王子駅(八高線)⇒高麗川駅(八高線)⇒川越駅(川越線)

できればラッキー 都内ひと筆描きの205系の旅

2016年5月現在で都内を走る205系は上記の4路線。

せっかくなら205系に乗りに行ってみましょう。撮るのも楽しいけどやっぱり乗るからこそさらに愛着がわくもの。

ここで、都内ひと筆書き、205系の旅を提案してみます。経由地に神奈川県、埼玉県や千葉県が一部入りますがご容赦ください。

相模線205系500番台   茅ヶ崎駅⇒八王子駅(横浜線直通列車)
八高線205系3000番台  八王子駅⇒川越駅(川越線直通列車)
埼京線205系       川越駅⇒新木場駅(りんかい線直通列車)
武蔵野線205系5000番台 新木場駅⇒府中本町駅

埼京線205系が1編成だけしか在籍していないこともあり、運用の都合上、実現が難しいかもしれませんがぜひチャレンジしてみるのもいいでしょう。

『写真⑩』

新型車両とはひと味違う、アナログなメカニズムを楽しんでみるのもおもしろいですね。

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(執筆者: kenttakamatsu) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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