ニコニコ超会議で日本刀鍛錬! 飛び散る火花と快音に惚れたッ
幕張メッセで開催されている、超巨大イベント「ニコニコ超会議2016」。
ブースナンバー「HALL9-102」の「超刀剣」では、700年以上の伝統を持ち、“刃物のまち”として古来より栄えた岐阜県関市の刀匠たちが刀鍛冶を実演しています。関市は刃物メーカーとして有名な「貝印」や「フェザー安全剃刀」発祥の地でもあり、年に一度開かれる「刃物まつり」にも多くの人が訪れるそう。
そんな伝統技術を持つ刀匠が「本気で日本刀を鍛錬してみた」の姿を間近で見られるだけあって、ブースには多くの人が詰めかけていました。
文・写真 松本塩梅
「相槌を打つ」はこの仕草から生まれた言葉らしい
今回見学できる日本刀の製造工程は、「折り返し鍛錬」と呼ばれるもの。砂鉄などからつくられた日本刀の素になる「玉鋼」を熱してミルフィーユ状に重ね、大鎚で叩いては折り返し、さらに固さを増していく作業です。
この様子が一番見どころがあり、叩いた際の音も魅力的ということから、見学の演目になったそう。
作業中、刀匠たちは声を発しません。その代わり、手元のふいごを調整して炭の燃え方を調整し、玉鋼を熱する刀匠が、手元に置いた小槌を叩いてあらゆる合図を出します。たとえば、小槌で側面を2回叩くと「止め」の合図になります。
実際の刀鍛冶の現場では、さまざまなところから声が響くため、指示が聞こえにくい。そのため「もうすぐ大鎚を使うので来い」「もっと早く叩け、もっと強く叩け」「この部分を叩け」といった作業に関するほぼすべての指示を、手元の小槌を使って行うそう。小槌の合図に合わせて、叩き手が作業を変化することから、「相槌を打つ」という慣用句が生まれたのだとか。
この古式日本刀鍛錬の実演は各日3回ずつ開催され、抽選制で刀鍛冶体験の時間も設けられています。実際に体験を終えた18歳の女子大生に感想を聞いてみました。
──刀鍛冶された体験をうかがってもいいですか?
女性 大槌は思ったよりも重くて、みなさん軽々やっているように見えるんですけど、ふとももにしっかりと柄を当てて、反動をうまく使いながら打ち付ける、というのがなかなか大変で……。やってみないとわからないですね。日本刀への見え方が変わりそうです。私もできるのかなって思っていたけれど、一本をつくり上げるのも大変なんだなって……。
──叩くスピードも結構早いですよね。
女性 はい、出してくれる合図が早くて、でもポンポンとやれるのは楽しかったです!
──もともと刀はお好きなんですか?
女性 そうですね。仙台へ行った時に美術館で見て「きれいだな」って思って。
──刀を見ようと思ったきっかけは?
女性 アニメの『戦国BASARA』を見て、ですね。
──ちなみに推しキャラは?
女性 伊達政宗です!
この日のために関市からいらっしゃった出展者の方にもうかがうと、最近は歴史モノのゲームやアニメなどの作品が増えたこともあり、関市を訪れる若い人が増えているのだとか。
関市としても地元の武将「大嶋雲八」をメインキャラクターに据えた『幻の名刀 雲揚羽』なる謎解き観光アプリをリリース。物珍しさもあるとは思いますが、たしかにブースを熱心に見つめる10代や20代の若年層も多い印象でした。
ちなみに今回実演する古式日本刀鍛錬は、関市にある「関鍛冶伝承館」でも実演をしているとのこと。超会議に行けなかった! という方は、前述の動画だけでなく、ぜひ実際に見てみると、その迫力に圧倒されるはず。
超刀剣ブースには他にも、 関市が所有する歴史的な名刀『兼元』『兼定』の展示も行っています。やはり惚れ惚れしてしまう美しさ。刀剣ファンならずとも「本物」を目の当たりにすると、感じ入るものがあることでしょう。
引用元
関連記事
ウェブサイト: http://kai-you.net
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。