あの有名予備校講師が「勉強は本来『遊び』であるべき」と語る理由とは
「頭のいい人」と聞くと、皆さんはどんな人を思い浮かべるでしょうか? 有名大学を卒業した人、それまで誰も考えたことがなかったようなモノをつくり出す人、などなどさまざまな尺度、基準があると思いますが、その中のひとつには「難しい物事もシンプルに説明できる人」といった見方もあると思います。
物事を論理的に捉え、そして説明できるのは、決して先天的な頭の良さによるものではなくトレーニングで身につけられる――そう力説するのは、本書『頭のいい人の考え方』の著者・出口汪さん。「今でしょ」のフレーズでおなじみの林修さんと同じ東進ハイスクールの現代文講師で、本書も実際の大学入試で出題された現代文の問題を例示し、それを解きながら論理的思考を身につけることを趣旨としたものです。
そんな『頭のいい人の考え方』の第3章では、東京大学の入試問題が。東大の入試問題というと一般の人には難しいイメージがありますが、出口さんは「東京大学の問題は決して難しいわけではありません。もし難しいとすれば、すべての設問が説明問題(註:回答者が文章を記述する形式)となっていることです」(本書より)といいます。
たとえば、問題文で「夢のようだ」という表現についての論考が記されているのですが、全文をきちんと読めば「『夢のようだ』は時間の早さについての表現である」ことが示されているとわかります。このように筆者の主張を読み明かせば、「何を書けばいいのかわからない」となりがちな説明問題にも、取り組めるようになるということです。
一方、本書の中には「勉強」に関するアドバイスも。
出口さんは、予備校での講義で「頑張れ」という言葉は使わないそうです。その理由について出口さんはこう説明します。
「なぜなら、勉強は本来『遊び』であるべきだからです。(中略)ところが、『頑張れ』といったとき、本来遊びであった勉強が、一転仕事に転じてしまいがちなのです。仕事になれば、面白いかどうかは二の次、効率重視、結果重視の考え方にならざるを得ません」(本書より)
結果重視となれば、いかに偏差値の高い大学に合格するかが目標となってしまい、勉強本来の面白さを味わうことができなくなってしまう、というのが出口さんの主張。たしかに、本来は受験が目標ではなく、人生を豊かにするための知恵、そして論理性を身につけるために勉強するのですから、面白さを忘れてしまうのは損なのかもしれません。「若いころは勉強嫌いだった」という人は、”勉強は本来『遊び』”という出口さんのスタンスに則り、勉強の面白みを見出しつつ改めて学んでみてはいかがでしょうか。
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