共産党の志位委員長、「野田政権の看板は民主党だが、中身は自民党」
「原子力・エネルギー政策」をテーマにした日本共産党の志位和夫委員長の講演・質疑が2011年10月5日、日本記者クラブ主催で行われた。志位氏は共産党の脱原発ビジョンについて語る一方で、政府の原発事故後の対応などを批判。民主党で3代目となった野田政権については「看板は民主党だが、中身は自民党」と述べ、政権交代時の国民の民意に沿っていないと批判した。
原発事故収束への政府の対応の遅さを指摘した志位氏は、放射能の除染作業がなかなか進まない点に触れ、「(放射能で汚染された土壌の)最終処分の場所、方法の決定を先送りするな」と言及。「仮置き場が作れないために除染が進まない。政府が最終処分の展望、仮置きの期限を示していないから、仮置きと言われてもずっと置かれるんじゃないかという不安から、住民の合意を得られず、仮置き場が決まらない」と述べ、最終処分場の計画を早急に具体化し、明確な仮置き期限を示すことを求めた。
また「原発をゼロに」という姿勢を明確に打ち出している共産党だが、志位氏は野田首相の「脱原発か原発推進かの2項対立ではなく、中長期的には原発の依存度を可能な限り引き下げていく」といったあいまいな答弁・態度を批判。「結局は原発にずっとしがみつく姿勢が、だんだん露わになっている」と語気を強めた。
さらに野田政権への評価を問われた志位氏は、鳩山政権、菅政権がことごとく公約を破った末の3代目とした上で
「看板は民主党だが、中身は自民党だ。自民党と全く変わることのない、うり二つの政権が誕生した」
と述べ、2年前の総選挙で政権交代を実現した国民の意思に反しており、「こういう道を続ける限り先はない」と批判した。
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv66178317?po=news&ref=news#56:37
(安部伸介)
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