「楽器がもし歌ったら…という感覚で歌う」 『まど☆マギ』EDを歌ったKalafinaにインタビュー

『まど☆マギ』EDを歌ったKalafina(カラフィナ)

 『.hack』シリーズや『機動戦士ガンダムSEED』など、アニメやゲーム、映画などの音楽を数多く手がけてきたプロデューサー・梶浦由記さん。「Kalafina(カラフィナ)」は、そんな梶浦さんがプロデュースする女性3人組のボーカルユニットだ。これまでにもアニメの楽曲を歌ってきたKalafinaは、2011年9月21日に「Magia」(『魔法少女まどか☆マギカ』エンディングテーマ)、「輝く空の静寂には」(『黒執事』劇中歌)を含むアルバム『After Eden』を発売する。だが、楽曲の知名度に比べ、Kalafinaの素性については謎に包まれているところが多い。そこで、アルバム発売を前に、3人に話を聞いた。

■「リーダーがいないから支え合っている」

――はじめに、Kalafinaについて教えてください

「メンバーのなかで一番しゃべる」というWakanaさん

Wakana: Kalafinaは『空の境界』という劇場版アニメの主題歌を歌うためのユニットとしてスタートしました。7曲も主題歌を歌わせて頂いたので、始めはずっと空の境界と一緒に歩んでいるという雰囲気でした。その後(Kalafinaがエンディング テーマを歌った)アニメ『黒執事』が始まったとき、Kalafinaの「第2期スター ト」という感じでしたね。ライブなんてするとも思っていなくて、(プロデュー サーの)梶浦さんの作る世界観を表現するということに精一杯だったんです。でも今、Kalafinaがスタートしてから3年半、ライブを始めてから2年くらいになって、「Kalafinaというものが、自分たちのことなんだな」とわかってきたような気がします。

――Kalafinaではリーダーが決まっていないということですが。

Wakana: そうなんです。だからこそ、お互いに助け合っているという感じですね。

Keiko: 誰かが困ってるときは誰かが助ける、ということが自然にできる関係なので、逆にリーダーがいなくてよかったなと思います。

――歌うときにも、それぞれがメインボーカルをやっているそうですね。

Wakana: 「一人ひとりがメイン」というのが、Kalafinaのコンセプトなんです。3人それぞれ違う声の持ち味があるので、一人ひとりの個性を活かしています。私はクラシックをやっていた分、声楽っぽい歌い方を要求されるし、Keikoはロックの歌い方で、HikaruはJポップ。2人ともロックっぽい曲がすごくかっこ良くて、そこに私の声楽の歌い方が入っていくと、Kalafinaらしさが出るのかなと思っています。

――ミステリアスなイメージのあるKalafinaですが、皆さんのプライベートはどんな感じですか?

Hikaru: 寝てるか、読書、パズル、DVDを見たりとか・・・インドア派ですね。最近は海外ドラマの『NUMB3RS』を見ました。

Keiko:  私は体を動かすのが好きなので、プライベートでは目標を決めてアクティブにトレーニングをやっています。飽きないようにグッズとかも変えてやってます。足の外側の、立ったときに筋が出る”美脚ライン”がすごく好きなんですけど(笑)。なかなか難しいので、ゆっくりやっていこうと思います。

Wakana: 私は「あまりしゃべらないんですか」と言われるんですが、この中で一番良くしゃべります。声楽をやっていたということもあって体を動かすのも好きで、最近は「毎日1万歩を歩くぞ」って意識してるんですね。あと、料理を作ることも好きなんですよ。特にみじん切りが好きなんです。とにかくみじん切りがしたくて・・・。すごくストレス発散になりますね。

■「楽器がもし歌を歌っていたら」 ”梶浦語”を語る

「梶浦さんの曲は悩むスキのないほど強い」とKeikoさん

――『空の境界』をはじめ、『黒執事』『魔法少女まどか☆マギカ』などアニメ作品との楽曲には、壮大な世界観を持つものが多いと思います。どんな風に感じていますか?

Keiko: 梶浦さんは作品に沿った音楽を作ってくださって、楽曲の持つ力が自然に私たちをその世界に連れていくという感じがすごくあります。あえて一生懸命入って行くというよりは、音楽が自分たちの想像力を膨らましてくれるような。悩むスキもないくらい、曲の力が強いんですよ。

Hikaru: 私たちの想像をはるかに超えた楽曲を梶浦さんが作られるので、毎回曲をいただくたびに「今回もすごい曲だな」と思います。

――プロデューサー・梶浦由記さんが作られる楽曲には、いわゆる”梶浦語”と呼ばれる独特の造語が登場しますね。

Wakana: 楽譜でいただくときはローマ字で書いてあって、そこから綺麗な音色になる歌い方を編み出すんです。そこに意味があるわけではなくて、言葉というよりも「音色」なんです。Kalafinaという名前もそうなんですが、音の響きで。

Hikaru:  曲の雰囲気に合わせた響きになっているんです。

Wakana: ある意味、日本語よりも気持ちを伝えやすいんですよね。梶浦さんの造語は「シュッ」と体に入って来るような気がして、個人的にも好きです。独特だけど、親しみやすいというか。「楽器がもし歌を歌っていたらこんな感じなのかな」とか、「外国の言葉のようだな」とも思えて。不思議なんですけど、造語を歌うときはいつも自分の中でしっくりくるんです。

――カラオケでKalafinaの曲を歌いたい人にアドバイスはありますか?

Hikaru: カラオケに初めて集まって合わせてみようと思っても、「あれ? 思ったよりできない」というのが第一印象だと思います。でも回数をこなすと、だんだん気持ちいいところが分かってくると思います。

Keiko: CDではメインボーカルを立てているので、サブボーカルになっている方の歌を聴きづらいと思うんですが、DVDでライブ音源を聞いていただけると分かりやすいと思います。

Hikaru:  一人で行くときは、もう、好きなところだけをチョイスして歌うのが楽しいと思います!

Wakana: 私も一人でカラオケに行ったりするんですが、好きなところだけ歌ってやめちゃうとかもできて、楽しいんですよね。それだけで。

――皆さんではカラオケに行かれたことはないんですか?

Wakana: 行ったことないですね。行きたい!

■Kalafinaの名刺、”コルセット”

Kalafinaは「コルセットを締めて完成」すると語るHikaruさん

――Kalafinaの独特の世界観を表している衣装ですが、今日の衣装はどういったものですか?

Keiko: 今回の衣装は「Kalafina LIVE Spring TOUR 2011″Magia”
」のときの衣装なので、「Magia」に合わせてクールな印象ですね。三者三様のキャラクターに合わせた衣装になっています。HikaruとWakanaの衣装がシンメトリーのようになっていて、姉妹みたい。

Wakana: でもみんな同じ部分があるので、衣装だな~と思います。衣装を着るとカチッとするというか、Kalafinaになれるんですよね。

Keiko: Kalafinaといえばコルセットだよね。なくてはならない、名刺がわりの衣装。

Hikaru: コルセットを締めて「完成!」みたいな感じです。

――9月21日に3枚目のアルバムとなる「After Eden」が発売されるということですが、このアルバムについて教えてください。

Wakana: 前作まではファンタジックで異世界のような、どこか遠い世界を表現していた楽曲が多かったのですが、今回はより人間味のある、等身大の私たちが垣間見られるようなアルバムになっています。そういう意味でも、前作を聴いて頂いた皆さんには新しい部分をみせられると思います。

Keiko:  アルバムを作っている間、毎日、それぞれ違う挑戦があって、それを隣で感じながら、一日一日乗り越えていくことで、グループだということをすごく感じましたね。

――アルバム発売を記念して様々な企画が進んでいるということですが。

Hikaru:  はい! 9月25日まで、「Kalafina Week in Shibuya」という渋谷のパルコさんとのコラボを中心に様々なイベントが開催されます。見どころはたくさんありすぎるんですけど・・・。まず、「Kalafina Cafe」というカフェがオープンします。これは今年3月にもライブに合わせてオープンしたんですが今回、リバイバルオープンとなりました。私達考案のオリジナルメニューの美味しい食べ物をご用意しています。それと、SR6というパルコさんの一部の建物を全部Kalafinaでプロデュースした「Kalafina Eden」ができます。1Fがオリジナルグッズを販売していて2Fが私たちのミュージアムで、衣装やライブ写真などを展示します。

――今後Kalafinaは、どうなっていくのでしょうか。

Wakana: 3人の目標は全国ツアーなんですけれども、今はサードアルバムが皆さんのお手元に届くということが嬉しくてたまらないんです。この気持を持ったまま、いろんな人に伝えていきたいと思います。

Keiko: サードアルバムを出せたことは、とても幸せなことだなと思っています。これをきっかけに、様々なところに生のKalafinaを届けに行きたいです。たくさんの方と音楽を感じ合いたいです。

Hikaru: これからライブもツアーも待っているので、そこで皆さんにどうやって新曲を発信していくか、今から考えています。ライブでは、皆さんのリアクションを直接感じることができるので、今回のアルバムもどういう風に感じてくれるのかとても楽しみです。

◇関連サイト
Kalafina OFFICIAL WEBSITE – 公式サイト
http://www.kalafina.jp/

(伊川佐保子)

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