「犯人が火をつけたら終わりだと思った」 支配人が語る渋谷ライブハウス放火未遂事件
東京都渋谷区のライブハウスで2011年8月31日夜、ガソリンとみられる液体がまかれ、無職・島野悟志(23)容疑者が殺人未遂と現住建造物等放火未遂の疑いで逮捕された。同事件で島野容疑者を取り押さえたライブハウスの支配人は取材に応じ、「(島野容疑者が)火をつけたら終わりだと思った」と語り、事件当時を振り返る。
警視庁によると、島野容疑者は2011年8月31日20時45分ごろ、東京都渋谷区宇田川町にあるライブハウスで、持ってきたバケツでガソリンのような液体を店の床にまき、不特定多数の人を殺害しようとした疑いがある。島野容疑者は、ライブハウスの支配人ら数人に取り押さえられ、現行犯逮捕された。
支配人は9月1日、取材に応じ、事件当時の現場の様子を語った。支配人によると、当時ライブハウスでは音楽イベントが開かれており、「約80人の客がいた」という。ステージ近くにいた支配人は、フロアにいた出演者らに「変な客がいる」「トイレがガソリン臭い」と指摘され、支配人がトイレに行ってみるとガソリンの携行缶(容量10リットル相当)があったと話す。
「恐い」――。支配人が恐怖を感じながらトイレから戻ると、店の入口に液体の入ったバケツが置かれ、周辺はガソリンのような臭いが立ち込め始めていた。さらに、「変な客がいる」と指摘した出演者から「あの人だ」と告げられ、支配人が見てみると「まさに(島野容疑者が)ライブハウスの受付スタッフに催涙スプレーを吹きかけていた」ところで、支配人は「タックルを仕掛けて島野容疑者を押し倒した」という。
「(島野容疑者が)火をつけたら終わりだと思った。絶対に離さないように死にものぐるいで押さえつけた」
その後、数人が支配人の助けに入って、島野容疑者は取り押さえられた。このもみ合いの際、支配人は島野容疑者から催涙スプレーを吹きかけられ、手を負傷。島野容疑者はもみ合いの最中、「殺してやる」「みんな死ねばいい」などと叫んでいたという。また、客の多くが事態に気づいたころには、すでにライブハウス全体にガソリンのような臭いが広まり、一時騒然となったと説明してくれた。
(山下真史)
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