先日解散した旧ライブドアさんから、お便りが届いてました
差出人は「株式会社LDH 代表清算人」
今日(8月18日)、帰宅してなにげなく自宅ポストを確認したら、『株式会社LDH』さんからの郵便物が届いていました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、この『株式会社LDH』という会社は、かつて堀江貴文氏が社長を務めていた、あの『ライブドア』の存続会社なのです。
いわゆるライブドア事件の後、『株式会社ライブドア』は『株式会社ライブドアホールディングス』を経て、2008年8月に『株式会社LDH』へと商号変更を行いました。
ライブドア株に関しては、私は上場廃止が決定してから、「1株株主になって大揉めの株主総会に行ってみたい」という極めて不純な動機で100株買ったのです。取得単価は、1株あたり95円。100株買ったといっても、既に株価はそんな状態だったので、トータルの出費は「9,500円」でした。
ですので、上場廃止後の「剰余金の配当」の恩恵にもあずかることができ、社名がLDHに変更しようとも、当然株主宛ての各種書類はずっと届いていました。
ニュースにも取り上げられましたが、その「旧ライブドア・現LDH」は、この8月5日に臨時株主総会を開き、解散を決議しました。http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110805-OYT1T00911.htm
つまり、1996年に堀江氏が立ち上げた『有限会社オン・ザ・エッヂ』が、紆余曲折を経てついに解散した、というわけなのです。私は私用があってその臨時株主総会に行けなかったので、ある意味での歴史的瞬間に、生で立ち会えなかったことを今では若干後悔しています……。
ちなみに、今日私に届いた郵便物は「供託通知書」というものでした。ひとことで言ってしまうと、「あなたはまだ受け取ってない配当金があるから、これこれこういう手続きをすると還付されますよー」という内容のものでした。
在りし日のライブドアを思い出してみるなど
上場廃止で、紙屑になるかもしれないと思われていた当時のライブドア株。当時の私は「ボロ株マニア」でもあったので、お金をドブに捨てるつもりで100株買ったわけです(その後の株主総会で、100株が1株に併合されたため、私は文字通りの「1株株主」に)。たまたま運が良かっただけなんですが、私の場合は9,500円の出費で、その後も配当もらえたり株主総会に行けたりと、充分すぎるくらいに元を取ることができました。
ちなみに、LDHに商号変更してからの配当は下記のとおりです(ライブドア時代は無配)。
1回目:6,500円(2009年6月)、2回目:1,600円(2009年11月)、3回目:2,500円(2010年6月)、4回目:800円(2011年3月)。合計額:11,400円。
9,500円の出費で11,400円のリターンがあったというわけで、1,900円の黒字でした(この記事を書くにあたって初めてちゃんと計算してみました)。
元が取れたな、と実感できたのは株主総会にも行けたことです。2006年6月14日、事件直後の株主総会@幕張メッセにも当然行きました。怒号が飛び交い、質疑応答が延々と続いたあの手の株主総会は、そうそうあるものではありません。
ライブドア事件発生前に、大量に株を保有していて被害に遭った方々には申し訳ない気分にもなるのですが。
上の写真は、2006年10月に発行された株主通信です。タイトルがイカしてます。『ライブドアは元気です。』元気じゃないと思われてるからこその「元気アピール」だと思うのですが、内容も面白いです。当時の平松庚三社長と、USENでおなじみの宇野康秀氏の対談が載っていたりします。
これは当然、ライブドア上場廃止後も株主であり続けた人にしか届けられていない代物なので、レアです。
上の写真は、個人的にはお宝です。『ライブドアホールディングス』時代の、文字通りの株券です。
株券電子化の絡みもあって、当時の落合紀貴・執行役員が株主総会で「紙の株券はむしろ持っていると危険なので、ハサミを入れてください」とおっしゃっていたのを思い出します。落合さんごめんなさい、私は今でもハサミを入れずに記念に保存しています……。
『株式会社ライブドア』は存続しています
よくある誤解に、「LDHとライブドアの混同」というものがあります。「旧ライブドア、解散」というニュースの見出しが出れば、勘違いしてしまうのもよくわかります。
LDHという会社は、表向きは持株会社ですが、「清算会社」が本質ですので、旧ライブドアが行っていた事業を全力で売却しました。ポータルサイト『Livedoor』を主力とする現・ライブドアは、NAVERで知られる韓国のNHNに2010年5月に売却。ですので、LDHの手を離れた今、現・ライブドアはLDHがどうなろうと『株式会社ライブドア』として存続し続けます。ちょっと紛らわしいですけれども。
ユーザー目線では、大株主が変わっただけで、今後も何の違和感もなくライブドアのサービスが利用できる、ということです。
手っ取り早く言ってしまうと、LDHはかつて傘下にあった子会社を全部売って今や抜け殻状態なので「清算」というわけですね。それはそれで合理的なのかな、と感じる今日この頃なのでした。
写真撮影:池沢智史
参考サイト:Bloomberg.co.jp「モルガンMUFG:旧ライブドアに会社解散提案、残余財産分配へ」http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aV4xQ3uv_I7A
※この記事はガジェ通ウェブライターの「池沢智史」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
Webディレクター、個人トレーダーなどをこなしつつ、心の拠りどころはテキスト書き。執筆ジャンルは投資全般で、日本株・FXに関しては単著もあります。サッカーくじ・totoも「投資」だと言い張ってJリーグの試合に一喜一憂する、平和な日々を過ごしています。
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