「素人だけど私は私で信じることを一生懸命言う」 孫正義×堀義人 対談全文書き起こし(6)
ソフトバンクの孫正義社長とグロービス代表の堀義人氏が2011年8月5日、日本のエネルギー政策に関する討論会を行った。東日本大震災とそれにともなう福島第1原発の事故後の「言論の自由」に話がおよぶと、孫氏は「ツイッターで『責任を伴う影響力の大きい孫さんが、あまり勝手にいろいろ言うな』というふうにツイートしておられたけど、それについては撤回いただきたい」と堀氏に詰め寄った。
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv58739430?po=news&ref=news#2:19:40
以下、孫氏と堀氏のやりとりを全文、書き起こして紹介する。
「孫さんに3つくらい合意します」 孫正義×堀義人 対談全文書き起こし(5)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw97275
■「孫さんとは危険性の認識の部分が異なっている」
堀義人氏(以下、堀): 孫さんが十分に喋られましたので、僕も多少は話す時間をいただきたい。
孫正義氏(以下、孫): 十分喋ってください。いくらでも大丈夫です。
堀: これからは、共通点とそれから相違点をもとにいろいろと話をしていきたいと思っています。「人命」大賛成です。もちろんこれが一番重要です。僕は1円とかって人命に関して計算はしていませんから。基本的には今回の事故によって放射線に起因する死亡者というのは、恐らくほぼゼロに近いでしょうというのが、いま放射線医療に携わっている人たち、僕の信じる方々の意見です。従って人命に関しては、これはものすごい重要なものであって、一方で忘れてはならないのは、2万2000人の人々が亡くなっているわけです。それは放射線ではなくて津波によって、あるいは地震によって亡くなっているという事実も認識した上で、その人命というものに関して、僕らは考えていきたいと思っています。
それから先ほどそういった意味で、僕と孫さんが恐らくすごく共通しているのは、「日本に対する思い」であって、その「日本に対する思い」というものについての方法論が違うだけであるというふうに認識しているので、今日は「トコトン議論」を通して、さまざまな形で共通点とそれから違っている点を明確にしていきながら、その中で違っている点は違っているままで良いと思うのです。その後また共通になるかもしれませんが。
私が聞いていてかなり共通点だと思うのは、原発をミニマムとしながら維持すると言うことを仰っている。あと私は「自然エネルギーは賛成」と言っている。この部分は共通点で。あとはLNG(天然ガス)に関しては、私はこれは本当に全部が替わり得るのか、LNGに関していうといま現在、世界からの輸入の3分の1がすでに日本なんです。それからさらにコンバインドガスを導入してLNGを買えるのか、ただでさえ単価自体がボトルネックになっていて、今はそれができない。価格が高騰していく、それに伴うコストがどれだけかかるのか、コストがかかるから止めろと言っているわけではなくて、それは経済性をしっかり考えないと空洞化を招いてしまうのではないか。
したがって、その実現性というのは検証しなければならない。一方では一番恐らく孫さんとの違いというのは危険性に関する認識の部分が違っていて。その部分というのは、もう恐らく埋まらないかもしれませんが、ただ、その原子力に関しては、今後とも僕は自然エネルギーというものがどこまで進展していくのか、あるいは経済性がどれだけあるのか、それがどれだけコストが上がっていくのかを考えなければ、あまりにも経済に対するインパクトと、それこそ将来の子供たちに対するインパクトというのは大きいので、そういう意志決定というのはしっかりとしたエネルギー政策をもとに話をしていきたいというふうに思っています。従って、一方では石炭と原子力を加えて(CO2を)削減されているということで書かれていますが、石炭だけであったら半分に削減されるのです。原子力だけであったらそもそもゼロですので。そういった意味で原子力に関してはCO2が出ないということで考えてきて、本当にLNGで全部代替できるのか、コストはどうかというのは検証する必要性があると思っていますが、基本的な考え方というのは理解できました。ありがとうございます。
孫: ありがとうございます。
堀: こちらこそ、ありがとうございます。
孫: いや、僕は「恐らく大丈夫」という、その「恐らく」がポイントなんです。結局、誰も大丈夫だと言い切れないではないか。今から20年、30年経たないと分からないではないか。専門家と言っている人ですら断定できない状態ではないか。断定できない状態で、わざわざ取り返しのつかないリスクを冒す必要がどのくらいあるのだ。もし安定供給が保てないというならば、それは安定供給は大事だということで、僕は安定供給は大事だけども、それを本当にミニマイズする。ミニマイズというのは、場合によってはゼロも含んだミニマイズをしなければいけない。研究開発はいくらでもどうぞおやりください。大学で研究するのは構わない。でもその研究開発もなるべく山奥でやってください。
堀: 孫さんの仰る通りで、その部分というのは誰もが断定できないかもしれない。ただし今度は考えなければならないのは、危険性が高いといって1ミリ(シーベルト)とか2ミリシーベルトによって避難をさせてしまうコストのほうが大きいわけです。そう考えた場合・・・。
孫: それは、国際的にも言われている20ミリ(シーベルト)云々のところについては、僕は政府が避難という指示を出すというのは、今考えられる範囲の中のある種のコンセンサスだろうとは思います。ただ子供については、僕は20ミリでも本当は危険ではないかという心配を大変している。その上で、それぞれの住民の方が1ミリで避難するのか、10ミリで避難するのかというのは、それぞれの住民の方の自主判断だというふうに僕は思いますけど。
■「自由には責任がともなうわけです」
孫: 「20ミリを超えたらとりあえず避難指示を」というのは、いまの政府の判断はそれなりに一定の理解を僕はできます。ただ子供については本当はもっと(規定値を厳しく)すべきではないかと思うし、幼稚園の子供とか小学生の子供が福島の運動場で地べたに体育座りをして、あるいはサッカーで擦り傷を作りながらバーンとスライディングをすると、野球でヘッドスライディングをすると、口に砂ぼこりが入るという状況の中で、内部被曝のリスクが大変あるという状況の中で、そういうところに放置をするというのはいかがかなという心配を大変している。そこから先は、それぞれの親御さんがある意味、十分な情報をディスクローズ(開放)された上で、専門的なアドバイスも得て、いろんな両方の説を聞いてご自身が判断するのは、ご自身の自由だろうというふうには思います。
堀: 私も孫さんと同じように心配をしています。それは心配しています。だからこそ今、現場で現地で内部被曝の検査をしているわけです。現時点では問題無いのです。
孫: 問題無いというのは断定はできない。
堀: それは検査をすれば分かることですから。
孫: いや、検査をして結果、それが何ベクレルだ、何ミリシーベルトだ。それ(結果数値)が安全なのかどうかも分からないでしょう。恐れがあるという範囲の中で分からないでしょう。
堀: 基本的に問題無いと政府も言っているし。
孫: 政府が言っていることも、必ずしも信じて良いのかどうかも分からないと言っているわけです。
堀: それは疑うことも自由だし、それを発言することも自由だと思うんです。それは良いと思っているし、ただそれに伴って、それを発言することによって、多くの人が心配になってしまってストレスを抱えることもあるかもしれない。
孫: 発言をするのが自由だと言ったあとに「ストレスが溜まるから言うな」みたいなことを言わないでほしい。
会場: (笑いが起こる)。
堀: 自由には責任が伴うわけです。
孫: いや、だから両方の説を唱える人がいっぱいいて、学者は学者で一生懸命説を唱えて、素人だけど私は私で信じることを一生懸命言う。どこが悪いのだ。あなたも一生懸命言えばいいと、私も一生懸命言いたい。
堀: 仰る通り。自由であって、ただし責任があるし、僕らは・・・。
孫: 誰でも皆責任があるんですよ。
堀: もちろん。ただ日本のリーダーとしては僕もボコボコに批判は来ますし、従って自分の言論に対しては・・・。
孫: それは、あなたも私も批判を覚悟でこういう場に立つということ自体は、もうすでに勇気がある。
堀: それは、本当にそう思います。
会場: (拍手が起こる)。
孫: それは本当に大変なんですよ。今日も何を言ってもお互いに批判される。
堀: 今日も多くの人に「勇気がある行為だね」と。
孫: 国民が全員片方の側にいるわけではない。反対側の人は反対側の人を批判するというのは・・・その批判を覚悟で実名で名乗り出て、こういう形でオープンに議論をしているということは大切なことだと思うのです。だから「影響力があるから黙っていなさい」というふうに言わないでほしい。
堀: いや、どうぞ言ってください。
孫: それは学者も専門家も政治家も幼稚園の先生も、皆がこういう時というのはオープンに議論をするということのほうが僕は大切だと。そもそも言論の自由というのはそこにあるのではないかというふうに僕は思うのです。
堀: 仰る通りです。私はそこも合意しています。
孫: ありがとうございます。
堀: 基本的には自由であって、ただし責任が伴うので僕は気を付けたいと思っていますということです。
孫: 少なくともあなたがツイッターで「責任を伴う影響力の大きい孫さんが、あまり勝手にいろいろ言うな」というふうにツイートしておられたけど、それについては撤回いただきたい。
堀: 撤回します。
会場: (笑いが起こる)
孫: ありがとうございます。
会場: (拍手が起こる)
■「僕だって最後は自主的に判断すべきだと思う」
堀: ただ、「ただし」があります。ただし責任が伴うので、こういう場で議論をしていただいていることを、大変僕は感謝しています。この違いが認識されることによって、違いのまま平行線でいっても多くの人がどっち側に付くかということが、お互い日本のことを思った上で話をしていることによって決まってくると思いますので。
孫: いや我々だって、現実問題として福島に我々の携帯のソフトバンクショップがあるわけです。そこにも家族がいて、そこにも母親がいて云々と。まあ代理店ですから、それぞれのお店が独立した経営なんですけど。(福島第1原発から)20キロ範囲以内は当然全部、閉店していただいています。20キロを超えた所について、僕はうちの経営会議とかその他で「できれば50キロ以内は全部店を閉じてもらってくれ」と、「できれば1日も早くみんな避難してもらってください」ということを相当強く言いました。
少なくとも店の経営者だけではなくて、その店で働いておられる女性スタッフだなんだということも含めて、あるいは男性の社員でも奥さんがいないのか、小さい子どもがいないのか、全部の店員スタッフについて聞き取り調査をしてください。ソフトバンクの社員ではない、代理店の独立経営の所だけど、心配なので聞いてみてください、その上で小さいお子さんがいるとか、心配しているけど店の経営者に頼まれているから無理矢理、我慢しながらいるということにだけは絶対にならないように。もしそれで、その女性スタッフなり、あるいは家族の人がもっと遠くに避難するということ、でも経済的に大変だとかいうことがもし万が一あったら、全面的に支援するから。
とにかく1日も早く店を閉じるなり、あるいは一部の社員が避難するなりと言ってくれということを相当強く言いました。その上で、全員に一人一人しっかりヒアリングして、小さいお子さんがいないとか。自分たちはそこでしっかり残っている住民の方々に対してサポートしないと、我々が店を全部閉じたら、そこに住んでいる人たちもやはりいるわけだから。その人に対する継続的なサービス継続、支援というのは一方の責務だとそう言っておられる方が多い。だったらそれは、それ以上は我々も強制はできません。最後は自己判断です。自らの判断です。
だけど、なにがしかの理由で泣く泣くそこで留まっているという人がいないように、徹底的な配慮をしてやってくれということを強烈に言っております。ですから、最後は僕だって、そこにいる人々は自分の自主的な判断によるものだというふうに思います。
だけど少なくともその人たちに、最初の頃はそもそも危険だという情報を出すなという感じのマスメディアになっていましたから。ですから情報が圧倒的に不足していた。牛の藁だってあとから分かってきたという状況ですよね。ですから僕は、十分な情報は少なくとも徹底的に開示されるべきだし、諸説を聞いた上で最後は自らの判断だということだと僕は思っています。だからそれはいろんな判断。次に、さっき仰ったLNGがそもそも足りなくなる、コストが高騰するということに対して、最近アメリカでは(天然ガスの一種)シェールガスとかが。
堀: そうですね、仰る通りですね。
孫: 新たに見つかって。これは大量に何百年分くらいありそうだという説もある。ですからこれは案外、天然ガス、特にアメリカではシェールガスに相当重点を移そうとしているという説を聞きました。原発も急に全面停止とかは無いかもしれないけども、力点をシェールガスに短期的には置く。中長期では、この自然エネルギーに大いにシフトする。短期的にはシェールガスを相当本命として拡大するという話も説もいろいろ聞いている。
堀: そうですね。
■「シェールガスに関しては孫さんのおっしゃる通り」
孫: その上で、堀さんは「あと一発爆発したら大変だ。それだけは絶対に起こしてはいけない」ということを仰りましたけれども、「原発ミニマム論者」の僕としては、いますぐ全世界1基足りとも原発を許さないなんていうことをゴリ押しするほどの原理主義者ではない。だけどこれを地震の多い所はなるべく少なくしないといけない。他の代替手段があるところは、なるべく少なくしなければいけないというふうに「非常に心配している」という説の人間です。
その上で、コスト問題ですけども、原発がやはり安いのだと未だに堀さんも思っておられるかもしれないし、そう思っている経団連(日本経済団体連合会)の方もいっぱいいるという中で、では過去の利益を一発の事故で全部吐き出してしまった。過去の原発によって得た利益は全部吐き出した。それでも足りない。
もしここから原発を無軌道に再稼動をバンバンやって、「ミニマム論」ではなくて「ストレステストを通ったやつは全部OK論」でいった場合に、もしこれから30年40年の中で、あと一発事故が起きたら、その今から30年40年のあいだに、やはり「原発は安いのだ」と思い込んでいた残りの次の今からの40年間分の利益も全部また吐き出す。しかもその時は今回の事故のレベルで止まらない危険性もある。吐き出しても経済的にも足りない部分がある。その上に経済論を超えて、さっき僕が結論で言った「人の命というのはお金の天秤で量れないではないか」ということです。
堀: まったく同感ですね。孫さんのコメントでいくつか意見を申し上げると、シェールガスに関してはまったくおっしゃる通りだと思いますね。ただし、ぼくは一方では原発に関しては僕は安いとは一言も言っていないんですね。安いかどうかというのは相対的には太陽光はまぁ高いですね、これは。したがって40円ということを仰っていて。
孫: 今はね。
堀: したがって高いわけであって、それに関して安いというのは、まぁ相対的には安いと思ってはいますが、太陽光に比べて。化石燃料と比べてどうかいうのはわからないですね。
孫: 僕もそれはわからない。原発が太陽光より安いというのもわからない。
堀: 現時点で明らかに安いというのはわかりますよ。
孫: いやわからない。わからない。本当のトータルコストを今のね自己の補償費だとか土地の除染コストとかゆうことまで含めたら、本当に40円より安いのかというのは僕にはわからないと。さらに人の命の値段まで含めたらこれはもうプライスレス、なんかの宣伝でありましたね。
堀: まぁそれは計算してから話をして。僕は基本的に「安いから導入せよ」と言っているわけではなくて、僕が申し上げているのは安全保障だと。その安全保障という観点と、それから日本が原発やめた瞬間に化石燃料をすべて日本に輸入しなければならないと。そうなるとコストが、要は足元見られるわけですよね。「お前たち買わなければてんでよく賄えないだろう」ということで。それに伴う市場が大きく影響していく。それがどんどん相場によって影響していくと、価格変動コストがあがってくると。したがって「多様性を持ちましょう」というのが僕のポイントです。その中で、一方ではたまには政府を含めて褒めたいんですけれども、政府のとった避難というのは適切だったと思います。スピードに関しても。これは福島交通のバスを運営している方に聞いても、茨城交通も一緒になって助けて最大限のことを行ったと。で、これは世界でも評価されています。そのスピード感と20キロ圏内の避難に関しては。
■「法律の枠組みがないから自然エネルギー後進国になった」
堀: 一方ではその後の吉田所長を含めた東電のその作業員の方々に対してはしっかりときちんとやられてこられたということに関して、僕は評価したいと思っていて。今はすでに冷却循環ができる体質になってきているわけであって、これはまだ足りないというふうに思うかもしれません。あとカバーがいけば少なくとも福島第1原発からの放射線の放出というのはなくなるでしょう。
今度はあとは除染というのが発生するのであって、そのコストはどれくらいというのは考えなければならないし、福島の皆様が本当に心配なく過ごして頂ける為の努力を精一杯しなければならないと思いますし、私は政府の人間でもない、政治家でもないんですけど、私はやっぱりそういうふうなことを思っていますということですね。そこでちょっと孫さんにひとつおうかがいしたいのが、太陽光のコストは固定価格買取制度ということですが、自由化するという考え方はないんでしょうか? その買取に関して。自由化してどんどん市場価格にまかせてやっていけばいいんじゃないかという意見が実はツイッターでもきてまして。
孫: じゃあもしあなたが自由化で、お金があって時間があって意欲があって、自由化されて太陽光で事業やろうと思います? それがいったい何社がそれをやろうと思います? 僕は現に日本の代表的商社の経営陣にも会ってきました最近ね。彼らに聞きましたよ。あなた方が国外では太陽光発電もやってる、風力発電もやってる、ガスによる発電もやってる、ノウハウがある、金がある、その経験もある、で、ブランドもあると。「なのにどうして日本ではやらないんですか」と聞いたんですよ。海外では立派にやっているんですよ。大量に。しかも増やしているんですよ。今日現在も。「なんでそのあなた方が日本でやんないんですか」と。「だって法律がないじゃん」(と返ってくる)。それが現実なんですよ。
いままでやったとこはみんな赤字なんです。それはだって法律がないから。電力会社は買ってくれるのか買ってくれないのかもわからない。メガソーラーだ、地熱だと。今日も地熱の会社の社長に会ってきましたよ。そしたらもう泣きそうな顔で言ってましたよ。「赤字です」。つまり法律のそういう枠組みがないと。日本はもともと太陽光発電だって世界一の技術を持っていた。地熱だって世界中の特許の7割くらい持っているという話。世界一進んだ技術を持っている。風力発電だって6割くらいの風力にも風車が日本の部品が入っているなんて話がある。つまり、日本には世界に誇れるだけの技術力がこの資源エネルギーに対してあるのに、たった1つ、「全量買取制度の法律の枠組みがない」、この1点だけで自然エネルギー後進国になっちゃったと。その1点だけですよ違いは。他は何もないんです。
その1点だけの違いで世界四十数カ国ですでに現状価格よりも6倍とか10倍の価格で、電気代の価格に対して6倍、10倍の価格でとりあえずはこれを促進しなければいけないと、そして足がかりをつくらなければいけないと。その足がかりをつくって量産効果を出してノウハウを蓄積していくことによって、今から10年後、20年後、30年後には立派にそうなれば化石燃料のコストは上がると。これに頼れない。そのときに自然エネルギーは、資源エネルギーのコストは技術開発が進んで、量産効果も進んで、系統へのマネジネントのノウハウも出来て、結果的にはこちらが主力電源になると。ということをちゃんと戦略的に議論し考えて、その上でなおかつ特定のその会社がボロ儲けとかならないように、毎年のように価格は見直していくと。十分ボリュームが立ち上がってくれば、価格は下げていくと。立ち上がらなければ、価格はちゃんと魅力的なものにして産業をきちんと興すということを市場を見ながらコントロールしながらやってるわけですね。
それよりもはるかに低い値段で日本は決めようとしている。立ち上がってもいないのに低い値段で、立ち上がってもいないのに短い期間で、立ち上がっていないのにキャップまでかけようとしている。僕はこれはね、そもそも自然エネルギーの議論がこれだけの大事故があったときに初めて日本で真剣な議論がされている中で立ち遅れている日本が、ただでさえ萎縮したようなルールで決めて本当にいいのかということを、むしろ僕は危惧している。僕が自然エネルギーをやるべきのは唱えるのは、唱えれば唱えるほど政商だとか密室で許せんとか言われているけれども、たいがいにしてほしいと。僕はどこでも同じことを言っている。どこでも誰に対しても何党であれ、何派であれ総理大臣であれ街のおっちゃんであれ、同じことを言っていると。どこにも僕は後ろ指をさされる覚えはないと。
「たいがいにせい!利益は1円もいらない!」 孫正義×堀義人 対談全文書き起こし(7)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw97499
(協力・書き起こし.com)
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