孫社長「利益は1円もいらない!」と激高 堀代表は「政商」発言撤回

肩を組むソフトバンク孫氏とグロービズ掘氏

 ソフトバンク社長の孫正義氏とグロービス・グループ代表の堀義人氏が2011年8月5日夜、日本のエネルギー政策を考える公開討論「トコトン議論」を行った。堀氏が自身のツイッターで孫氏のことを「政商」だと批判したことに端を発しているこの討論会だったが、途中、孫氏が「たいがいにせい!」「利益は1円もいらない!」と激高し、これに対して堀氏が「政商」発言を撤回。両者が肩を組み、握手をする場面があった。

 約3時間半にも及んだ今回の討論会。日本の原発・エネルギー政策を考える両者の主張が、文字通り「トコトン」行われた。しかし、議論の「核心」である堀氏が孫氏を「政商」だと批判したことについて深く言及されたのは議論が始まってから2時間半以上経ってからのことだった。

 孫氏は、

「僕は、堀さんも含めていろいろな人から『政商』だと言われている。政治家におべっかを使って、ソフトバンクの私事の利権を貪るために、この自然エネルギーに血眼になっていると非難されている」

と話し、直後、声を荒らげて、

「たいがいにせい!」

と怒りをあらわにした。会場に緊張が走り静まりかえるなか、孫氏は続けて、「自然エネルギーはソフトバンクの本業ではなく、新会社をつくる方向で検討している」と明かし、その上で、

孫氏の宣言

「ソフトバンクが過半数の株を取ろうとも思っていない。ジョイントベンチャーという形で出資者を募ってやるつもりでいる。出資者は平均的な利回りが無いと出資に応じてくれない。常識的な出資に対する配当は必要だと思う。だけど、僕は別に本業があるから、このことに頼らなくていいから、得られる利益の配当は少なくとも40年間1円もいらない!1円でももらったがゆえに非難されることのほうが嫌だ。僕はそんなことのために、口から泡を飛ばして、夜も寝ずに考えているのとちゃうわい! と言っておきたい! 政商だと言ったことを撤回してほしい!」

と堀氏に詰め寄った。これに対して堀氏は、

「これは撤回します」

と応じ、両者は肩を組み、笑顔で握手をした。緊張感が解けた会場からは、両者に大きな拍手が送られた。

(丹羽一臣)

◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv58739430?po=news&ref=news#2:48:20

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