地底1000メートル「神岡」から生中継 「アインシュタインの宿題」に挑む科学最前線 

東京大学宇宙線研究所の神岡宇宙素粒子研究施設(岐阜県飛騨市)に設置された重力波アンテナの原型機

 岐阜と富山の県境にある神岡鉱山は、かつて四大公害病の一つ「イタイイタイ病」の発生源となった暗い歴史をもつ山である。しかし21世紀になって明るい光に照らされた。この山中に作られた宇宙素粒子研究施設「カミオカンデ」が、遠いかなたの超新星から発せられたニュートリノを捕まえ、2002年に小柴昌俊博士にノーベル物理学賞をもたらしたのだ。

 現在はカミオカンデの後継施設「スーパーカミオカンデ」がニュートリノを観測しているが、同じ山中には、ほかにも宇宙科学の最先端施設が整備されている。その一つが東大宇宙線研究所が設置した「重力波」を検出するための巨大装置だ。そんなサイエンスの最前線の現場で「アインシュタインの宿題」に迫る特別番組が企画され、2011年7月24日16時からニコニコ生放送でライブ中継される。

 番組のテーマである重力波は、科学の巨人・アインシュタインが相対性理論でその存在を予言した「重力のさざ波」のことだ。遠い星から送られてくる重力波を検出することができれば、ノーベル賞級の大発見といわれている。今回は、宇宙からの重力波をとらえる大きな検出装置のすぐ脇で、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長と朝日新聞の科学記者である尾関章編集委員が対談。「アインシュタインの宿題」といえる重力波を捕える仕組みや意義について、解き明かしていく。

 この科学対談は、朝日新聞の言論サイト「WEBRONZA」とニコニコ動画の共同企画。番組では、視聴者からツイッターやメールで寄せられた質問にも随時こたえていきながら、基礎科学を追究する醍醐味を味わってもらう。

 番組当日、神岡の研究施設に乗り込んだ尾関編集委員は「ここにくると、重力波をとらえる装置がリアルに見えるが、それは凄いことだと思う。アインシュタインの理論が予言した波をつかまえようという研究を実感できる。その興奮をみなさんにお伝えしたい」と意気込みを口にした。

地底1000メートル、ノーベル賞の『神岡』から生中継! アインシュタインの宇宙を捕まえる

(亀松太郎)

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]地底1000メートル、ノーベル賞の『神岡』から生中継! アインシュタインの宇宙を捕まえる – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv56737333?po=news&ref=news

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