「ゴルフ離れ」は時代遅れ?デキる若者が休日にゴルフする5つの理由
お酒とあわせて、ビジネスのコミュニケーションに欠かせないツールと言われてきたゴルフも、近年では「若者のゴルフ離れ」が叫ばれています。たしかにゴルフって、お金がかかるし、細かいマナーも面倒臭そうだし……誘われても気軽には参加しにくいですよね。
しかし、若者といえどトップクラスの成績を残す営業マンは、休日のゴルフを自己投資と捉えているといいます。それはいったいなぜでしょうか。
今回は「ビジネスパーソンにとって、ゴルフは英語と並んで必須ツール」と断言する、日本ゴルフジャーナリスト協会会員で経営コンサルタントの冨田賢さんに、トップ営業マンにとって休日ゴルフが自己投資である理由を聞きました。
ゴルフは「高い・長い・おじさんくさい」?
若者が休日ゴルフを敬遠するのにも理由があります。その理由とは、以下のようなものではないでしょうか。
◎飲み会より3〜6倍も高い!
飲み会では、せいぜい1回につき、4、5千円ですが、ゴルフは1回につき1万2000円〜3万円ほどかかります。飲み会の3〜6倍ものコストは、若者にとって、大きな負担でしょう。
◎丸1日も気を使うのは面倒臭い!
さらに、飲み会なら数時間で終わるところが、ゴルフは1日掛かり。上司や取引先といった相手に気を使いながら長時間過ごすのは疲れてしまいますよね。それに、ゴルフ独特のマナーに対して「面倒くさい」と感じてしまう一面も。
◎おじさんっぽい!
「ゴルフ=おじさん」というイメージがあり、若い人にとってゴルフは身近ではありません。さらに冨田さんは、「それだけの時間、お金、労力をかけても、仕事につながるという具体的なメリットがわからないのでは」と指摘します。
休日ゴルフが自己投資である5つの理由
たしかに、短い目で見れば「高い・長い・おじさんくさい」で敬遠しがちな休日ゴルフ。しかしトップ営業マンは、休日ゴルフを“自己投資”と捉えているようです。
トップ営業マンにとって休日ゴルフが自己投資である理由として、冨田さんは次の5つを挙げてくれました。
1.相手と信頼関係を築きやすい
ビジネスパーソンにとって大切なことは、仕事をする相手との距離を縮めること。特に営業マンにとっては、契約を受注するために限られた期間で取引先と信頼関係を築き、距離を縮めることが大切です。
その点、ゴルフでは相手と長時間一緒にいることにより、相手と距離が縮まりやすく、営業しやすい関係性を構築することができると冨田さんは言います。 さらに、ゴルフでは出身や食べ物の話など、プライベートな内容をフランクに話せることも大きなメリットのひとつだそうです。
「プレー中だけでなく、ロッカールームの着替えのときなどにプライベートな会話をすることで、商談の場ではできないような話ができ、相手との共通項を探ることができます。共通項を持つことでシンパシーが生まれ、短期間で相手との関係性を深めることができ、契約につながるのです」(冨田さん)
2.ゴルフであれば、忙しい人でもアポが取れることも
日々忙しい経営者や地位のある人とのアポイントメントは、どうしても取りづらいもの。ワーキングタイムになかなか会うことができず、契約がなかなか決まらないというのもよくある話です。
しかし、その人物が参加するゴルフの集まりに参加することで、話をする機会を得ることができるのも、トップ営業マンが休日ゴルフを自己投資と捉える理由の一つ。
「私の取引先に、上場企業の社長がいます。この方とワーキングタイムにアポをとるのはとても難しいため、ゴルフをした前後に打ち合わせをしています。オフィスでは忙しくてアポがとれなくても、休日のゴルフなら参加するから話す時間をもらえる、ということがあるんです」(同)
アポ取りだけで何日もロスするよりも、ゴルフの機会を利用して時間を共有することで、短期間で仕事を進めることができるのも大きなメリットのようです。
3.ビジネス交流会だけでは会えないような人と出会える
冨田さんは、「仕事の成果を出せていない人は、まず出会う人の数が足りていないことがほとんど。逆に成績のいい人は、訪問回数、会った人の数が多い」と語ります。 そこで、多くの人と出会うという意味で、ゴルフが有効だそう。たとえばコンペに参加すれば、20人30人、大きな規模だと100人200人とも会うことができるのです。
多くの人と会うのが目的ならば、ビジネス交流会に参加すればいいと思うかもしれません。しかし経営者やある分野の一流の人たちは、なかなか交流会には来ないそう。
「ゴルフコンペでは、ビジネス交流会では会えないような目上の人たちが来ることがあります。そのような人たちと名刺交換するチャンスなのです。私もかつては、人脈を広げるために土日にはコンペにばかり参加していました。人脈を広げるという意味でも、ゴルフはひとつのツールなのです」(同)
4.仕事に役立つコミュニケーション力が身につく
ゴルフを通じて多くの人と関わることで、コミュニケーション力を鍛える場を持つことができることも大きなメリットのひとつ。
「仕切り上手な人は出世する、と私は感じています。たとえば、自らゴルフコンペを企画するようになれば、多くの人と連絡をとり、段取りをつける必要がでてきます。大人数のスケジュールを調整したり、場を企画・運営するスキルが身につけば、大きな武器のひとつになります」(同)
また、多くの人と会うゴルフコンペや格上の人がいるような接待では、空気を読むことが大切。若いうちから参加することで、気配りをしなければならないタイミングやシチュエーションについて学ぶこともできるそう。
「自分の経歴や業界について話すなかで、アピール力を磨くことができます。集まる人の経歴もさまざまな中で、相手の関心事はなにかをつかむ練習にもなり、自分なりのパターンを増やすことができます」(同)
5.プレッシャーに負けない精神力が身につく
仕事でのプレッシャーに弱い人にとっても、ゴルフは良い訓練の場になるようです。「ゴルフは一緒に周っている人や後続の人たちに迷惑をかけないために、1打ごとにプレッシャーに晒されながら行うことになります。ゴルフはメンタルが重要なスポーツなのです」(同)
若いうちから始めておくと得?
ゴルフは一朝一夕で上達しないもの。将来のためにも、若いうちにゴルフを始めておくことがオススメだと冨田さんは言います。
「ゴルフを30代後半になってから始めても、上達まで時間がかかりますし、なによりプレー中の振る舞いを間違うと恥をかくことになります。でも、若いうちに始めておけば、振る舞いを間違えても『若いから』という理由で大目に見てもらえます。
また、いざ大事な取引先や上司とゴルフをするとなったとき相手に迷惑をかけないために、100切るか切らないかくらいのスコアでコースを周れるよう、若いうちから練習しておいたほうがいいでしょう」(同)
ゴルフは人と会う機会を広げてくれたり、スキルアップに繋がるなど、若いビイネスパーソンの自己投資となります。もし興味を持ったなら、今のうちから始めてみてはいかがでしょうか。
取材協力:冨田 賢(とみた さとし)
株式会社ティーシーコンサルティング 代表取締役社長 慶應大卒、京都大院修了。米国系銀行や投資会社を経て、現職。約7年で160社を超えるコンサルティング実績。講演・セミナーも好評。Webから登録できるメルマガを数千名に配信中。著書に『新規事業立ち上げの教科書 〜ビジネスリーダーが身につけるべき最強スキル』、『世界のエリートが教えるちょっとした仕事の心がけ』、『これから10年活躍するための新規開拓営業の教科書』など。
WRITING:ミノシマタカコ
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