ドキュメンタリー監督が語るPerfumeの魅力「その成長に止まる気配が無い」

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アメリカ、ヨーロッパ、アジア各地を回った「Perfume WORLD TOUR 3rd」の裏側に完全密着したPerfume初の映画となる『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』が大ヒット上映中(そろそろ上映終了が近いので、まだの人は急いで!)。

結成15周年、メジャーデビュー10周年となったアニバーサリーイヤーに行った海外ツアー「Perfume WORLD TOUR 3rd」など、海外での活動を中心に、約2カ月間にわたり密着して撮影された映像を中心に構成された本作は、今のPerfumeの集大成! と言える濃密な内容。

監督を務めた佐渡岳利さんは、NHKの音楽番組のプロデューサーを務め、『ポリリズム』の頃からPerfumeと番組作りをしてきた、3人をよく知る人物。今回は、佐渡監督に映画について、Perfumeの凄さについて、色々とお話を伺って来ました。

佐渡岳利監督

―映画、Perfumeファンとしてはたまらない内容で、感動しましたし、笑ってしまうシーンも多くてとても楽しめました。膨大な記録映像を映画サイズに編集するのは大変だったのでは無いでしょうか?

佐渡監督:そうですね。ただ、長時間も撮っていても、編集する時には「あのシーンを使おう」「あのライブの時に使いたい場面があったかも」と自然と頭の中で組み立てている部分がありました。もちろん、細かい部分は覚えていないので、全部は見直すんですが(笑)。

―いろいろハプニングもありましたね。

佐渡監督:Perfumeと一緒にいるとなぜか何かが起きるんですよ(笑)。僕は以前NHKで放送されたPerfumeのドキュメンタリーを作らせていただいたり、『MUSIC JAPAN』の担当をしていた事もあり、付き合いは長いのですが、毎回それは不思議です。

―今回改めて映画を作る事になったきっかけは、どんな事だったのでしょうか?

佐渡監督:東京ドームでの初公演や、初めてのワールドツアーとか、節目節目でドキュメンタリーを撮ってきました。そして、今年はメジャーデビュー10周年で、しかも結成15周年という節目なので何か大きな事をやりたいなと。それでこういう形になりました。

テレビのドキュメンタリーは、Perfumeをあまり知らない方もご覧になるので、基本的な「Perfumeとは何か」という事を説明しなくてはいけませんが、映画は、わざわざ映画館に足を運んでくださる方が対象ですから、ある程度Perfumeに興味がある方ですよね。ですので、「観た事ある様な映像ばかりだな」とか「こんなの知ってるよ」と言うのは避けたいなと意識して作りましたね。

―確かにPerfumeのファンの方ってアツいですし、これまでに発表された映像の類いは観ている人も多そうですものね。

佐渡監督:そうですね。でも、といっても何か珍しい事をするわけでは無く、今回の映画は基本的にワールドツアーの様子をそのまま映したという感じなんです。ありのままの映像にメンバーの個性がにじみ出るという手法ですね。。

―確かに、この映画を観て改めてPerfumeのメンバーのそれぞれの違いを感じて、魅力的だなあと。

佐渡監督:面白いですよね。映画の中で、メンバーが他の2人について語っているパートがありますが、本当にそんな感じです。あ〜ちゃんは、ムードメーカーで、プロデュース力がある。ゆかちゃんは、とてもしっかりしていて気がつくタイプで、番組とかで、「あのトークが撮れてないですけど、大丈夫ですか?」なんていう事を心配してくれたりします。のっちは、あまりこまかいことを考えないので、まわりをポジティブな雰囲気に変えることができるんです。三人三様で、いいバランスですよね。

―映画の中での、のっちのNGシーンも驚きましたね(笑)。

佐渡監督:アレはすごいですよね(笑)。なかなかお目にかかれないワイルドなシーンですよね。のっちならではだと思います(笑)。

―監督が編集していく中で、「このシーン入れたかったのに!」と泣く泣くカットしたシーンってありますか?

佐渡監督:移動の車中とか、メンバーが結構ときどき歌を歌うんですよ。聴いててすごく良いなあ、と思うんですけど、他のアーティストの歌だったりするので、著作権の関係で使えないという(笑)。大人な話で恐縮です(笑)。

―世界的なアーティストなのにそういった飾らない所がまた良いですよね(笑)。先日はiPhone6sの発表の際、Perfumeが登場して大きな話題になりました。あれはビックリしましたね。

佐渡監督:すごいですよね! 映像観ていて、思わず「おお〜っ!」ってなりました。『カーズ2』の挿入歌に使われた時も、こちらから売り込んだわけでもないのに、ジョン・ラセター監督が気にいって入れたいということになったそうですし。アップルとかディズニーとか世界のブランドに世界基準として選ばれている所が、本当にすごい。メンバーは、「ずっと黒髪にしていたことも良かったかも」とか言ったりしてましたが、「日本の文化」を象徴する存在になっているんではないでしょうか。

―映画では、3人の魅力はもちろん、MIKIKOさんの振付、中田ヤスタカさんの音楽や、真鍋大度さんの映像など、演出部分に耳・目を奪われる方も多いと感じました。

佐渡監督:すごいですよね。僕もみなさんの才能にはいつも驚かされるばかりで。海外のファンにも「MIKIKO先生のダンスが好き」という方が本当に多いし。真鍋さんにしても、映画の冒頭に使われている映像は、メンバーのダンスや会場の様子を3Dスキャンして、それがリアルタイムでトランジションしていくという物なんですが、現実と非現実が、継ぎ目なく行ったり来たりしてる感じで、真鍋さんらしい格好良すぎる仕上がりですよね。

中田さんには、今回、劇中音楽や『STAR TRAIN』という主題歌を書き下ろしていただきましたが、これもとにかく素晴らしい。『STAR TRAIN』はまだかなり長いラフな映像をご覧いただいて作ってくださったんですが、映画の内容を表現しているだけでなく、これまでとこれからのPerfumeを完璧に表現してくださいました。出来上がった曲を聴いて、涙が出ましたし、3人ももちろん、そう言っていました。「いつだって今が常にスタートライン」という歌詞は、Prefumeを表現するのに、これ以上無い言葉ですよね。

―「いつだって今が常にスタートライン」、この歌詞に代表される、常に上を目指して努力している所がPerfumeの凄さなのかもしれませんね。

佐渡監督:皆さんもご存知かと思いますがPerfumeってぱっと出て来たアーティストじゃないですよね。苦労もたくさんしているし、ちょっとずつ、ずっと成長を続けて、今ここにいるんですよね。そして、その成長に止まる気配が無くて、ずっと情熱を持ち続けているのがすごい。それは、3人もそうですし、中田さん、振付・演出のMIKIKO先生、そして他のスタッフ全て含めた「チームPerfume」が変わらず向上心を持っているからだと思います。そして、作品やライブはとてもクールなのに、3人の人柄は、謙虚で、可愛らしくて、本当に人間味豊かという。そんな所を映画で感じていただけたら嬉しいですね。

―最後になりますが、監督の個人的に一番好きな楽曲は何ですか?

佐渡監督:僕は『MY COLOR』が大好きなんです。「手のひらが世界中 繋がるウィンドウ 指先でつかむのはどの未来? 空を飛び交う 光になって こんなワクワクも届くのかな」って、少し前の曲ですけど、まさに今のPerfumeですよね。3人のワクワクは世界に届いていると思うんです。

―今日は貴重なお話をどうもありがとうございました!

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藤本エリ

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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