ホッチキスだけで取り付ける棚。強度は大丈夫?

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ホッチキスだけで取り付ける棚。強度は大丈夫?

壁に棚があったらな、と思うことが多い。でも本格的にやろうとすると面倒だし費用もかかる。そこで知ったのが『壁美人』というホッチキスで取り付ける壁面家具。でも、ホッチキスでどうやって取り付けるの? 耐久性は大丈夫なの? などいろいろと気になったので、実際に取り付けてみた。
準備するのはホッチキスだけ。DIY未経験でも30分で出来た!

今回は出窓の下の壁面を利用して、ウォールボックス(白)とウォールポケット(黒)を取り付けることにした。しかし、DIY経験なし、不器用な筆者でも取り付けられるのか不安だった。

送られてきた商品は固定金具、壁掛けの棚、ステンレス製のホッチキス針セット。作業を始めるうえで自分で準備するものはホッチキス本体だけ、と手軽だ。しかし『壁美人』は石膏ボード専用の金具で、木やコンクリート、土壁などには設置できないので、壁の材質を確かめる必要がある。壁に画鋲やピンなどを刺して抜き取ると先端に白い粉が付くのが石膏ボードだ。

【画像1】準備するものは、ほぼ180度開くタイプのホッチキス。商品に附属された専用フィルムがセットされた固定金具と針(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像1】準備するものは、ほぼ180度開くタイプのホッチキス。商品に附属された専用フィルムがセットされた固定金具と針(写真撮影:佐藤由紀子)

石膏ボード壁であることを確認したら、いよいよ作業開始だ。ホッチキスに、通常の針ではなく錆に強く耐久性の高いステンレス製の針をセットする。次に透明な『打ち込みフィルム』がセットされた固定金具を2つ壁面に固定する。この時、商品に附属されている『位置を決める窓』があいた用紙を利用すれば、水平に取り付けることが可能だ。

次に、固定金具の8つの窓それぞれに上下2針ずつ縦に打ち込んでいく。ホッチキスは壁に対して約30度の角度をつけて、『打ち込みフィルム』の上からゆっくり丁寧に針を打ち込むのがコツだ。最初は針がつぶれたり曲がったりして打ち損じたが、その針を抜いて再度打ち込みをやり直すうちに、徐々にコツがつかめてきた。

【画像2】フックを上向きに固定する。片手で金具を押さえながらもう一方の手でホッチキスを横向きにして打ち込む(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像2】フックを上向きに固定する。片手で金具を押さえながらもう一方の手でホッチキスを横向きにして打ち込む(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像3】金具1つに16本の針を打ち込む。針は多少曲がってもしっかり奥まで針が刺されば問題はなさそうだ(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像3】金具1つに16本の針を打ち込む。針は多少曲がってもしっかり奥まで針が刺されば問題はなさそうだ(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像4】棚本体の裏面にある2つの掛け金具を、壁に固定した金具のフックに上から引っ掛ければ設置完了(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像4】棚本体の裏面にある2つの掛け金具を、壁に固定した金具のフックに上から引っ掛ければ設置完了(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像5】設置完了。ウォールポケットには雑誌やリモコンを、右のウォールボックスには仕切り板をはめて食器を収納した(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像5】設置完了。ウォールポケットには雑誌やリモコンを、右のウォールボックスには仕切り板をはめて食器を収納した(写真撮影:佐藤由紀子)

固定金具の窓すべてに2針ずつ打ち込み、固定金具のフックに棚の掛け金具を引っ掛ければ完成だ。DIY未経験の私は作業時間約30分で棚を2つ取り付けたが、慣れた人なら15分もあれば取り付けられるだろう。重さに耐える強度、コスパ、取り外した壁の穴あとが小さいのも魅力

【画像6】『壁美人』のウォールポケット。DIY未経験でも、猫の手も借りずにラクラク設置できた!猫が乗るのはもちろん禁止だ(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像6】『壁美人』のウォールポケット。DIY未経験でも、猫の手も借りずにラクラク設置できた!猫が乗るのはもちろん禁止だ(写真撮影:佐藤由紀子)

ホッチキスという身近な文房具を使って家具を取り付けられる『壁美人』は、今までにない画期的な商品だ。バリエーションとして、複数タイプの棚、オープンシェルフ、コートハンガー、ミラー、ギターハンガーなどがあり、自由に組み合わせてインテリアが楽しめるのもうれしい。

ホッチキスの針も石膏ボード壁も頼りないイメージがあるが、設置した棚はしっかり壁に固定されている。しかも、ウォールポケットに雑誌を6冊収納しても安定感がある。今回の商品の場合は荷重3kg以内だが、10kgまでOKの棚や吊下げ荷重8kgのギターハンガー、壁掛けテレビ用の商品もある。

なぜホッチキスの針だけで数kgの荷重に耐えられるのか、『壁美人』を開発・製造した若林製作所営業部の山浦恵さんに話を聞いた。

「ホッチキスの針1本は、壁から下方向の引っ張りに対して約3.75kg、垂直方向の引っ張りに対して約1.07kgの保持力があります。1本の保持力は弱くても、固定する際は多くの本数を打ち込むので強い保持力を発揮します。また、ホッチキスの針は釘やネジと違って先端が細く、石膏ボードの組織を壊さずしっかり刺さるのが特徴です。また針を打ち込む専用のフィルムは、割れや破れ、衝撃に強く飛行機の窓などにも使用されているポリカーボネート材で強度を高めています」とのことだ。

『壁美人』の販売は2010年からで比較的新しい商品のため耐久年数のデータはないが、取り扱い説明書どおりに正しく使用していれば強度も耐久性も問題はないという。「荷重25.5kg、震度6強相当の地震を想定した公共機関で行う等加速度運動試験でも落下しないことを確認しています。また、今まで何度か地震がありましたが、テレビや家具が落ちたという報告はありません」と山浦さん。地震が起きた場合や衝撃が加わった場合は、固定金具が壁にしっかり固定されているかを確認し、浮いている場合は再度打ち込みを行えば安心だ。

気になる価格は、今回のウォールボックス(スクエア型)が6500円(税込)。ウォールポケット(スクエア型)が6380円(税込、いずれも固定金具、針込み)(完売商品が多く、現在はリニューアル商品を生産中)。引越したり取り付け場所を変えて何度も使えること、壁の補強工事や業者に依頼することなどを考えるとコスパも悪くないだろう。「打ち込みフィルム」の再利用は2回までなので、これを新しくすれば何度でも使いまわせる。「ホッチキスの穴のあとは画鋲の約1/5で、壁の柄にもよりますが、近くで探しても目立たず分からない程度です(山浦さん)」と、取り外した穴のあとを気にしなくていいのもうれしい点だ。

【画像7】石膏ボードに木ネジ、画鋲、ホッチキスの針を刺して抜いた場合の穴のあとの比較。ホッチキスの穴あとはほとんど分からない(写真撮影:佐藤由紀子)

【画像7】石膏ボードに木ネジ、画鋲、ホッチキスの針を刺して抜いた場合の穴のあとの比較。ホッチキスの穴あとはほとんど分からない(写真撮影:佐藤由紀子)

「ここにちょっとした棚が欲しい」と思ったときに、手持ちのホッチキスを使って自分で簡単に取り付けられる『壁美人』。しかも自分で簡単に外し再利用ができる。取り外した際に穴痕が目立たないので、賃貸住宅や新築住宅でも安心して使える。まさに、手軽さ、便利さが求められる時代にフィットする新たな収納家具の提案といえるだろう。●取材協力
壁美人
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/11/13/100613/

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