低年齢化する凶暴性防止に親が果たすべき役割

低年齢化する凶暴性防止に親が果たすべき役割

暴力・暴言などの荒れる行為の奥には隠されたメッセージがある

「非行」「荒れる」「キレる」などは、一昔前までは中学生以上というイメージがありました。しかし、現代では低年齢化し、多くの小学校の現場でも問題になっています。私のところへも、子どもの攻撃的態度や言動に悩みを抱え、カウンセリングへ来られる保護者も少なくありません。そういった人たちの特徴としては、子どもの荒れた時の「今」「行動」しか見てない場合が多いと感じます。「誰々に対して、このような暴力を振るった、または暴言を吐いた」と、その時に子どもが行った行動にしか焦点が当たらず、その行動を抑え込むにはどうしたら良いのかと、表の面にしか目が向いていません。

もちろん、私が同じ立場になったら…と考えると、まずは我が子の攻撃性を抑えるのに必死になる気持ちもわかります。しかし、一時的にそういった感情を抑え込んだとしても、その感情は、また必ず表に出てきます。もしくは、子どもの心にマイナスなものを抱えたままにしてしまう可能性があります。

暴力・暴言などの荒れる行為に走るには、心の奥に隠されたメッセージがあります。それに気付いてあげることが大切です。

攻撃性や怒りを表に出す時には、「自分自身への否定」が存在

親としての対処法は、まずは、これまでの自分と子どもの関係(子育て)・子どもが置かれた状況を振り返る必要があるでしょう。

もし、「話をよく聞いてあげられなかった」「親の考えを押し付けすぎた」など反省点があれば、素直に認め、焦らず改善していくことから始めることをお勧めします。

また、子どもが攻撃性や怒りを表に出す時には、「自分自身への否定」が存在している場合も多いです。自分の嫌な部分などを自覚し、自分で自分が許せない場合、人は自己防衛の一つとして、無意識に自分の許せない部分を、他への否定へすり替え、他を攻撃することもあります。それには、自信や自尊感情を取り戻させることを心がけ、じっくりと話に耳を傾けて応援してあげてください。

親の愛情を試しているケースも。子どもとの時間を大切に

もう一つは、子どもの「試し」とも考えられます。親からの愛情に疑問を抱いた場合、あえて怒られるような行動を行い、どんなことをしても親は自分を守って愛してくれるのか?と試しているケースも多いと、カウンセリングを通して感じています。そんなときは、「して良いこと・悪いこと」はきっちりと言い聞かせながらも、愛情を注ぐことをイメージしながら子どもとの時間を大切にしてください。子ども自身も 「して悪いこと」は、言われなくてもわかっています。それが止められないほど、何かを訴えかけているのです。

そして、最後に大切なことは、親の心がけです。「自分の子育てが間違っていたのじゃない。ちょっとだけコミュニケーションがずれてただけ。我が子なんだから きっと伝わる。救ってあげられるのは親の自分だけ」。このことを忘れずに、子どもの心に寄り添ってあげてください。

(つだ つよし。/心理カウンセラー)

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