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【『ニコ生』珍事件簿】出会い厨の新形態“エア歌い手”あらわる

【『ニコ生』珍事件簿】出会い厨の新形態『エア歌い手』あらわる

『ニコニコ動画』(以下『ニコ動』)には“歌ってみた”と題して、自身が歌った楽曲を動画にして披露する“歌い手”と呼ばれる人々がいる。近年の歌い手人気は凄まじく、2008年から行われてきたイベント『ニコニコ大会議』においても人気の歌い手たちをゲストに招きライブを行うことでイベントの集客に大きく寄与した。『ニコ動』での活動を足がかりとして歌手としてメジャーデビューする者も現れるなど、いまや『ニコ動』の花形とも言っていい存在の歌い手たち。

そんな歌い手人気に便乗し、『ニコニコ生放送』(以下『ニコ生』)上で自身を歌い手と偽り複数の女性とコンタクトを試みるという新手の出会い厨(ちゅう)に遭遇したので報告したい。またこの記事は注意喚起を促すものであり、いわゆる“炎上”を目的としたものではないので登場人物や関連コミュニティは伏せさせていただく。

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今年の3月、女性生主S(『ニコ生』の放送者)が放送中、リスナーに対して曲のリクエストを募ったところ、Aという男性リスナーから「これ俺が唄いました。是非かけてください」といった旨のコメントと楽曲のmp3ファイルが、Sのスカイプあてに送られてきた。この曲を放送でかけたところリスナー、女性生主ともに大絶賛。「みんなでもっとAさんを応援しよう!」となり、以後この放送ではAが歌ったとされる曲がパワープレイされることとなった。

これをきっかけにAにはその放送のBSP(バックステージパス。これが付与されると通常とは異なる記名付きコメントが表示される。ある意味その放送におけるカリスマリスナーの証)が付与され、リスナーの間ではすっかりおなじみの存在に。中には「曲を聴いてファンになりました!」と公言する者も現れることまでなった。

調子に乗ったAは「そのうちコミュニティ限定でネットライブしよっかなぁ~」と発言。自身のコミュニティを立ち上げ放送を開始した。ネットライブの日を5月30日とし、それまでは放送上で歌わないことを明言。「音源が欲しい方 スカイプコンタクト待ってます」とし、バックにAが歌ったとされる曲をかけながら連日連夜のゲーム配信を行っていた。Aは自身の放送とSの放送の両方でネットライブの宣伝を行い、最終的にAのコミュニティには600名程度の参加メンバーが集まるほどの大盛況。放送タグにも「Aの声は涙腺崩壊」「A中毒患者急増中」「Aのカバーはもはや持ち歌」などと書かれ、リスナーから大いに持てはやされた。こうしてネットライブの日までゲーム配信で焦らすことでリスナーの期待感をあおり、その間Aのもとには音源欲しさに若い女性を中心としたスカイプコンタクトが多数寄せられていたものと思われる。

そして数日が経過したころ、女性生主Sが放送でいつものようにAのものとされる楽曲をかけながらネットライブの告知をしていたところ、たまたま通りかかったリスナーから「その楽曲はAのものではなく別の歌い手Mのものではないか?」と指摘される。Sがその場に居合わせていたAに問い詰めたところ、放送中Aからの返答はなく、その後自身のアカウントおよびコミュニティを削除しそのまま雲隠れするに至った。

Mは歌い手としてはマイナーな部類に属しており、2年前にアップした楽曲を最後に歌い手としての活動を行っていない。歌は上手いものの不運にも動画の再生数は伸びず、「もっと評価されるべき」といわれながらフェードアウトしていったパターンだろう。Aはそんな知名度が低くなおかつ現在活動休止中である歌い手に目を付けて、かたり行為に及んだのではないだろうか。

Aの人気向上に加担し応援し続けた結果裏切られ、リスナーにもスカイプID流出という形での被害を与えてしまったSは「心がレイプされた」と声のトーンは重く、それまで明るい雰囲気だった放送の面影はもうどこにもない。

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このように『ニコ生』で起きた珍事件を取り上げてみたが、Aが消息を絶ったいま、実際Aが若い女性と知り合うことを目的としてかたり行為に及んだのかどうかは定かではない。しかし歌い手をかたることにより生まれるメリットが“歌い手と名乗ることで人(特に若い女性)からチヤホヤされる”くらいしか思い浮かばず、唯一Aの手元に残ったものも金でも名誉でもなく“若い女性のスカイプID”くらいであることからかんがみて、やはり若い女性目当ての出会い厨(ちゅう)だったと見るのが妥当ではないだろうか。

歌い手は中高生といった若い女性を中心に人気だが、若い子特有の恋愛心理として、ある特定のジャンルに属する男性にのみ関心を示す傾向が強い。いわゆる“バンギャ”や“ジャニヲタ”が良い例なのだが、これらは“バンドマンである”“ジャニーズ事務所所属である”といった肩書きが恋心や尊敬の念抱くための前提条件となっている人たちだ。これと同様に若い子の中には“『ニコ動』の歌い手である”という属性そのものに憧れ、夢中になっている子もいるだろう。

Aはそんな若い子の心理をうまく突き、一時的ではあるが関心を集めることに成功した。インターネット上において、このような詐欺的行為は氷山の一角だろう。特に若い子がインターネットを通じて他人とコンタクトを取る際には個人情報の管理をしっかり行うよう気をつけていただきたいものである

※画像:igosso画像検索
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執筆:ゲーリー落合:福岡在住ライター。投資・音楽・映画・サブカルチャーなどオモロなネタを投稿していきます。福岡ローカルニュースブログ『福岡ch』を運営中。こちらもヨロシクね!

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