東京電力の恐るべき影響力
今回は山本一太さんのブログ『山本一太の「気分はいつも直滑降」』からご寄稿いただきました。
東京電力の恐るべき影響力
今から4、5年前、JBIC(国際協力銀行)の借款部分を切り離して新JICAを作るプロセスの中で、財務省と正面衝突した。“武見敬三&山本一太VS財務省”という構図だった。戦いの模様は、当時のブログに生々しく書かれている。巻き返したり、巻き返されたり! 最後は、“武見・山本連合軍”が押し切った。が、財務省の恐るべき影響力を見せつけられる場面に、何度も遭遇した。
財務省の本当の強みは、組織を構成する個々の官僚の“ずば抜けた能力の高さ”ではない。霞ヶ関、永田町はもちろん、経済界、アカデミズム、マスコミまでを幅広く網羅する“人脈と情報力”だ。特に、財務省の“政界・根回しリスト”の威力は絶大! 円借款の切り離しで決着がつくまで、財務省の意を受けた大物政治家たちとの熾烈(しれつ)なせめぎ合いが続いた。
最近、幾つかの勉強会に出席して、ハッキリ分かった。ある意味で、東京電力も財務省と同じなんだな、と。実際、今回の原発事故が起こるまで、東電の政治力は絶大だった。
ふと考えてみる。何十年もの間、東電の年間数百億(?)の広報宣伝費は、政界、官界、経済界、マスコミ等にどれだけ浸透し、どれほど深く広い人脈を作り上げてきたのだろうか、と。そして、電気事業連合会は、どれだけ多くの官僚や与野党の政治家にアプローチし、彼らとどれほど深い関係を築いてきたのだろうか、と。ちょっと想像がつかない(ふう)。
これから、政治家や有識者の“東電問題に関する発言”は、しっかりウォッチさせてもらう。世耕弘成氏も言っていた。「一太さん! 何か、変ですよね?」と。
執筆: この記事は山本一太さんのブログ『山本一太の「気分はいつも直滑降」』からご寄稿いただきました。
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