電車と並走する区間も!? 大津祭の曳山巡行は苦労が多い
10月11日、滋賀県大津市浜大津界隈で大津祭の本祭曳山巡行が催されました。
13基の曳山が、9時から夕刻まで時間をかけて氏子町一帯をゆっくり巡行していくのですが、途中に国道161号やアーケード商店街があるので、その道程ではかなり面倒なことをしなければなりません。
国道161号交差点の信号を移動
曳山は信号機の高さより高いため、交差点を通過するためには信号機を移動させる必要があります。
曳山が国道の交差点に近づいてきました。交差点を曲がるので、手前の信号機が邪魔になります。
信号機に紐を結んで移動させます。
信号機は完全に引っ込められてしまいました。通行止めになっていないので、交差点で信号待ちしている自動車は警察官が誘導します。
曳山と京阪電車が平行して走ります
国道161号のこの区間は京阪電鉄京津線が路面を走っています。そのため曳山と電車が国道を平行して走る場面もあります。
対向車線は自動車が普通に通行しており、警察官と警備員それに京阪電鉄の職員が交通整理をしています。
頻繁に通行が止められるので、祭りの開催を知らずに通った京都ナンバーの車が、苛立って頻繁にクラクションを鳴らすことも。
曳山がアーケード商店街に侵入します。アーケードは曳山の屋根が引っかからないような構造になっています。
また商店街の入り口はなだらかな下り坂になっているので、今度は曳山の後ろ側から引っ張って、急に転がらないようにしなければなりません。
そのため、引き手が後方へ回ります。
商店街を通過する曳山
商店街の狭い通路を13基の曳山が通過していきます。
観客と曳山の距離はほとんどありません。間近に通過する曳山はかなり迫力があります。
曳山から縁起物のちまきを放り投げてくれます
大津祭の曳山巡行では、曳山から縁起物のちまきや手ぬぐいを放り投げてくれます。
観客はそれを目当てに曳山巡行の後を追うのですが、巡行通路沿いの民家では2階の窓から観覧できるので、乗り手に声をかけてちまきを投げてもらうこともあります。
ちなみにちまきは藁を結んだだけのもので、中に餅が入っているわけではありません。
観て楽しい大津祭曳山巡行ですが、運営されている方々の苦労を思うと、頭が下がるばかりです。
今年もありがとうございました。
大津祭とは
滋賀県大津市の中央部に位置する京町三丁目の天孫神社の祭礼。
長浜曳山祭、日吉山王祭と並んで湖国三大祭の一つに数えられ、滋賀県無形民俗文化財に指定されています。
祭礼は、毎年体育の日の前々日が宵宮、次の日が本祭です。
本祭には13の曳山町から13基の曳山が出され、終日コンチキチンの囃子と見事な「からくり」を演じながら市内を巡行します。
慶長年間(1596年~1615年)に鍛冶屋町の塩売治兵衛が狸の面をつけて踊ったのが起源とされています。
出典:NPO法人大津祭曳山連盟
http://www.otsu-matsuri.jp/home/
画像撮影:yasuu_kusayan
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(執筆者: yasuu_kusayan) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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