女性社員比率9割のワコールが実践している「チームコーチング」とは?改めて注目される「自走する組織」のつくり方
企業向け個別教育プログラムを提供する株式会社日本チームコーチング協会は8日、都内で同協会のチームコーチングを取り入れ、ダイバシティ推進をはかった株式会社ワコールを招き、その事例紹介を行うラウンドテーブルを開催した。
今回のラウンドテーブルを主催した同協会の代表である今給黎(イマキュウレイ)氏は、産業構造が急激に変化し、ビジネスにスピード感が求められるようになった昨今、日々発生するあらゆる問題に対して自分達の力で組織課題の解決をはかることのできる力を持った「自律したチーム」をつくることが必要だと発言。そのためには「個人の主体性の向上」「メンバー間の関係性の深める」ことなどが重要で、チームコーチングを通して組織力の向上を支援しているという。
同イベントに登壇した株式会社ワコール執行役員人事総務本部ダイバーシティ・キャリア支援室室長の葛西順子氏によると、女性活躍推進法の成立に伴い、女性の活躍が企業にとって重要視されるなか、女性社員比率が約9割となる同社ではダイバーシティの推進とより一層の女性活躍推進を目指しチームコーチングを取り入れた言う。
具体的には、同協会の取締役である國弘隆子氏がワコールのチームコーチを務め、ダイバーシティ(育児中の社員、障がい者、異動直後者、販売系などの多様な人材)を持った社員が集まる新規事業開発部門において、部門トップからの方針は示されているものの、そのミッションにメンバー各自が自分事として腹落ちしかねているという課題があるなかで、メンバーが納得した上で業務を遂行できるような環境づくりが必要だったという。その中で、チームコーチングを通して、「メンバーそれぞれに感じている課題や本音を引き出し、遠慮なく発表」できるようなワークショップを開いた。また、「部門長などのトップに依存することなく、自律的に業務を捉えられるようなチーム基盤の形成」を目指したと発言。これよって、「本来のミッション・ビジョンを再構築し、メンバーそれぞれが主体性を持ってアクションを起こせるようになった」という。
終身雇用制度が崩壊しつつあるなかで、プロパー社員と中途人材の境界線もなくなっていくことが予想されるなか、多様な人材が一丸となって企業の目指すビジョンに邁進する必要がある。そうした状況下で、メンバーそれぞれが自分たちの役割を自覚し、トップに指示されずとも自ら事業の新たな価値を見出し、一致団結する「自走する組織」を目指すことが重要だ。こういった企業風土とチームビルディングを支援する「チームコーチング」が今後ますます注目を集めていきそうだ。
日本チームコーチング協会https://www.teamcoaching.jp/
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