「ヤドカリに最高の住まいを提供したい」 住まい探しのプロが本気でチャレンジしたドキュメンタリームービーがじんわり熱い!
収入や年齢、自分の生活サイクルなど、身の丈にあった住居を求め引っ越す、という人は多いはず。そして、まさに自分の身体の成長に合わせ、生涯を通じて宿を探し、住み替えつづける引越しの達人と言えば“ヤドカリ”です。
しかし、彼らの住環境は現在満たされているとはいえず、住まいとなる貝殻不足が発生しているそう。
環境変化による貝殻の不足で、ペットボトルのキャップなどを宿にするヤドカリもチラホラ。そんなヤドカリたちにも新しい快適な住まいを届けるため、不動産・住宅情報サービス『SUUMO(スーモ)』と海洋生物の専門家である東京海洋大学増殖生態学研究室が、ヤドカリの中でも陸上生活をする“オカヤドカリ”にとって住み心地の良い住まいを探求する共同プロジェクトが発足!
ヤドカリ引っ越しプロジェクトのドキュメンタリー動画『Shell We Move?』がウェブ公開されています。ゆったりと流れるBGMとは裏腹に内容は熱い!
住まい探しのプロがヤドカリ用の住まいを考える
「最高の住まいを提供したい」。住まい探しのプロ『SUUMO』のスタッフたっての希望で、ヤドカリたちに最適な住まいを考え、提供しようと始まったこのプロジェクト。みんなで真面目にヤドカリの“最高の住まい”を考えます。
新しい住まいの形状は、柔らかい腹部を傷つけないよう通常の貝殻より室内を広くすることで内部をより快適に。また、動きやすさを重視し軽量化を実現。“丈夫さ”と“軽さ”を両立させるため、最終的に貝殻形状ではなくコロンと丸い“繭型形状”にたどり着きました。
『SUUMO』のロゴがワンポイントとなったヤドカリの“新しい住まい”は、生態や自然環境に影響のない片栗粉を原料とした有機素材で造形するという配慮も忘れていません。
実際にヤドカリに気に入ってもらえるのか!?
ヤドカリ引越しのチャレンジは、オカヤドカリの生息地である沖縄で実際に実施。プロジェクトメンバーは砂浜に開発した“新たな住まい”を設置し、ヤドカリたちの動きを観察。
興味を示してくれるヤドカリは現れるものの、すんなりとは引っ越してくれないヤドカリたち。プロジェクトメンバーが昼夜にわたり観察を続ける中、ついに感動の瞬間が……!
明らかに小さめな宿(貝殻)を背負ったヤドカリが、この“新たな住まい”を見つけると、あっという間に引っ越してくれたのです!
そして次々と他に設置した“新たな住まい”にも引っ越すヤドカリ。なんとこの“新たな住まい”を2匹で取り合う場面も見られました。
<東京海洋大学増殖生態学研究室 濱崎准教授コメント>
オカヤドカリは、浜に打ち上がった貝殻を宿とするので事実貝殻不足な状況はありましたが、実際に引っ越しが行われたときは感動しました。生態系のバランスの問題など、議論が必要な部分もありますが、今回のプロジェクトは、将来的にはオカヤドカリ類の宿不足を解決していく第一歩になったと思っています。<『SUUMO』担当者コメント>
よりよい住まいを求めて住み替えを続ける。誰かが出た住まいにまた誰か新しい人が入る。ヤドカリの引っ越しは実は人間の住まい探しととても似ていると実感しました。
真面目に本気でヤドカリの引っ越しを考えたこのプロジェクト。今回は実験的なプロジェクトとしての取り組みのため、撮影終了後は自然の貝殻に再度引っ越してもらったそうですが、ヤドカリに気に入ってもらえる“新たな住まい”を作ることには成功したと言えるのではないでしょうか。
・Prologue to Shell We Move?/ SUUMO(スーモ)(YouTube)
https://youtu.be/Gyn3Ss0G_3E
・Shell We Move?/ SUUMO(スーモ)(YouTube)
https://youtu.be/wDAOCOxRMXg
ヤドカリ引越しプロジェクト『Shell We Move?』
http://suumo.jp/edit/brand/shellwemove/
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