殺人ユッケ事件について遅ればせながらクダまくよ

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C.I.L(Charismatic Itabashi Lover)

今回はおはらんさんのブログ『C.I.L(Charismatic Itabashi Lover)』からご寄稿いただきました。

殺人ユッケ事件について遅ればせながらクダまくよ
板橋が誇る “殺人ユッケ”でおなじ大和屋商店さんだが、マスコミ各社が集まっているのってなんで大山の商店街の中にある “営業所”の方だけなんだろう?

殺人ユッケ事件について遅ればせながらクダまくよ

画像:『Google マップ』より引用
http://maps.google.co.jp/
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://px1img.getnews.jp/img/archives/2210.jpg

↑このドッグカフェとさぼてんの間の奥まったところにある怪しい建物がそれなんだが、事件後いつもテレビカメラが張り付いてて邪魔なこと邪魔なこと。しかしオレの記憶が確かならば、大和屋商店さんというのはもっと住宅街の中にある小汚い肉屋だったはずなんだが。

殺人ユッケ事件について遅ればせながらクダまくよ

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それがここ。まあ御世辞にもキレイとは言えない外観で、ここで黙々と肉をさばいていたはずなんだが、こっちにはマスコミは来てるんだろうか? さすがに住宅街だからクレームが来るのか?

殺人ユッケ事件について遅ればせながらクダまくよ

外に積み上げられているケースには、それはそれは有名どころの企業名や、わかる人が見るとひと目で 「ああ、あっち系ね」 とわかる名称までw
ここは夏場になるとそれはそれはものすごい臭いが漂うステキスポットでな。ついでに虫も飛びまくりで、苦手な人は3秒持たずに発狂しそう。

ところで、この大和屋商店さんは昔は近隣住民向けの小売りもやってたよね? ハッピーロード商店街の、ぼったくりスナックやチョンの間があった(今もある?) 大山でも特に触れちゃいけない一帯という素晴らしすぎる立地で(アドアーズの裏口に通じてる路地の入り口)。今はもう小売りはやってないらしいんだけど、問屋に特化しちゃったんだろうか?

いま遊座商店街の営業所の方で売ってるのって、いわば倉庫セールみたいなもんで、単位がすごく大きいじゃない? 5kgだ10kgだっていうコストコもびっくりなサイズで。だから個人経営の飲食店だと回し切れなくて買えないそうなんだけど、その代わり10kg程度すぐにはけるチェーン店や有名店が “板橋価格”に釣られて遠方から買い付けに来てるんだよ。

今はみんな知らないから 「これだから焼肉屋は!」 なんて言ってるけど、もしこの事件で大和屋商店がやられたら、思いも寄らない業種の飲食店がダメージ受けるぜ。イタリアンとかフレンチとか、おセレブ様が得意がって通ってたお店を含めてな。この店で肉を買ってるお客のリストが公になったら、それはそれは天と地がひっくり返るような騒ぎになって、より外食控えが加速するはず。それくらいここはアンタッチャブル。

だがしかし、そうした話を踏まえた上で、オレはあえて焼肉店をたたくね。大和屋商店もえげつなさ過ぎるとは思うが、食肉なんて歴史的にリスクが付いて回る食べ物だったじゃん。なんでその根本的な情報を忘れるんだよ。内臓の整ってないガキや弱った年寄りに肉は食わせない、もし食わせるとしたら必ずよく火を通してから食わす。これって当たり前の話だよね? それこそ小学校の家庭科の授業で習うレベルだよね?

また生肉を食うなんてのは言ってみればギャンブルだったじゃない。リスクはあるけど美味いから、好きな奴が自己責任で食う的なシロモノだったよね? ユッケもレバ刺しもガツ刺しもその他諸々も絶対の安全はないと知って、その上で信用できる店でだけ食うっていう。だからこそ 「あの店のモツは生でもイケるぞ」って情報が何より貴重だったんだよ。

それが不況のせいなのかモツブームが巻き起こって、肉の知識なんか全くないような素人が金もうけ目当てでもつ焼き系の飲食店を開きまくって、それをマスコミが 「いま千ベロがブーム!」みたいにあおって、そのせいでモツ肉の相場が異常な高騰。需要が増えすぎて供給が追いつかず、モツのクセに正肉系の部位とそんなに変わらないようなふざけた金額に。

そりゃ品川に行ったって仕入れ量が足りないとなったら、大和屋商店みたいな商売をやってる卸しに注目が集まるわな。ドカンと格安で仕入れられるんだから、飲食店が大手になればなるほどうれしい存在と化すよね。

挙句にそれまでは老舗のしっかりしたルートのある店だけがヤレてた“生食”を、新参のIT詐欺師出身みたいな連中が 「あれいいじゃーん」と真似て、知識も技術もないのに牛・豚構わず生で客に出すようになっちゃって、いつこういう事件が起きてもおかしくない状況だったんだよ。

そしてそういう 「ガキかよ!」 って経営者に限って 「生食の肉なんか出せないし、少なくともその金額じゃ無理だ」 と正論を言う肉屋をたたくんだ。「あそこは生食でイケる肉を扱えない弱小卸しだぜwww」 みたいに、バカ2ちゃんねらー並の恐るべき幼稚さで。

焼肉屋や卸し問屋をたたくのは仕方ないとしても、それ以外に “無知な素人の暴走”って点にもっと注目すべきだろうね。それがいかに肉屋を圧迫しているか。誠実な肉屋ほど 「ウチには生食の牛肉なんかねえ」 と言うんだよ。まずはそれを知ろう。

大和屋商店だって、そもそもは生肉でどうこうじゃなく、そこそこの肉を相場よりもかなり安く買えるから飲食店に人気だったんだから(ただし単位が大きすぎるけど)。

またウチのブログでも板橋を中心に色々なもつ焼き系の店を紹介しているし、その中には生で出すメニューのある店もあるけど、そういう店は必ずと言っていいほど付き合いの長い信用できるルートから肉を仕入れて、長年の知識と技術で“客のリスクを極力減らした生肉”を出してる。むしろそれができないなら生肉なんか客に食わせるな。

今回の焼肉屋がダメなのは、まずトリミング(外側の菌が付着しやすい部分をざっくり切り落とす作業)を一切していなかったという点。いくら卸しが 「生食できますよー」 と言ったからって、富山の焼肉屋が板橋から肉を仕入れて店でトリミングしない ってのはどういうことなんだ? この焼肉屋の社長は、金もうけしか考えてない素人だろ? 肉を扱う仕事をしてた人間ならば、それがいかに危険か知ってないとおかしいよな?

おまけに 「アルコール消毒すれば平気だと思った」 なんて中学生レベルの寝ぼけたことまで言ってるし、ハッキリ言ってこの事件て『グルーポン』おせち事件なんかと全く同類なんだよ。
飲食業の知識のない素人が算盤弾いただけでやれてる気になっちゃって事故を起こすっていう。
そして迷惑を被るのは技術のある職人ですよ。「生肉食わしてるけど一度も食中毒なんか出してねえぜ」っていう名店が自慢の生肉を出せなくなるんだよ。

あーちくしょう!

これは経営者にも客にも言えることだけど、物には適正価格ってのがあるんだよ。大和屋商店が売ってた肉の価格で生食できるかどうかなんて、少し知識のある人間ならわかるだろ? 飲食店を経営するってのは 「知りませんでしたー」じゃ済まないんだよ。安いには安いなりの理由がある。その理由を知った上で客に出せるかどうか判断するのが店の仕事。それが仕入れ。

これだからここ10年くらいのベンチャー(笑) は嫌いなんだ。「出会い系で金貯めたんで外食産業やってみまーすw」 みたいなガキが気軽に手を出せる業種じゃねえっつうの。

というわけで、今回の件は大和屋商店がヤラれるのは当然として、それと同じくらい(もしくはそれ以上に)焼肉屋の方も重い罪を着せられてほしいなと。そして安易に 「ぼろもうけできそうじゃんwww」 とバカ面したガキが外食産業に手を出す風潮が弱まりますように。

そういえば話題は変わるけど、「焼酎無料!」 で一時期話題になった居酒屋革命って潰れたの? 大山の本店(それこそ大和屋商店の営業所のすぐ近く)は震災前後から店を閉めてて、他の支店も閉店しまくってるそうなんだが。思えばあれもあれで“その手の店”だったよね。

みんないい加減“ベンチャー系の外食屋”を疑おうぜ。オジちゃん悪いことは言わないからさ。そんなもんに金を落とさなくたって、あちこちに老舗の居酒屋とか小料理屋とかあるだろ? ボロボロの外観なんだけど常連客が常にいるような店が。そういう所の方が絶対に安全で美味い物が食えるんだから、もっと積極的にお金を落として応援しようよ。な?

チェーン店で小奇麗で新しくてスタッフが若いってのは、言ってみれば “危ない条件がそろってる”んだって。多少敷居が高くても、街に古くからある個人店を大事に守ろうよ。な?

執筆: この記事はおはらんさんのブログ『C.I.L(Charismatic Itabashi Lover)』からご寄稿いただきました。

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