東電役員、報酬カットでも3600万円 海江田経産大臣「もっと努力を」

 海江田万里経済産業大臣は2011年5月14日朝、テレビ朝日の番組に出演し、現段階で東京電力のリストラ策は不十分であるとの認識を示した。

 海江田経産大臣は、福島第1原発事故に絡む東京電力の損害賠償をめぐっては「事前に賠償総額の上限は設けない」との姿勢を表明しており、東京電力に対して更なる経営合理化を求めていく考えを強調した。

 また番組の中で、東京電力の清水社長の「退職金は社員の老後に直結する問題ということで、現時点では検討していない」との発言に触れ、

「東京電力にリストラのお願いをしたが、福島の発電所でがんばっている人たちの生活が不安になって、士気が上がらないようなことがあってはいけない。上を厳しくして、下の人たちはできるだけ守らなければいけないというのが原則的な考え方」

 と語った。

 東京電力側はすでに社長、会長ら代表取締役8人が全額返上することを決定しているが、当初は役員報酬の削減幅を最大で50%と公表していた。これについて海江田経産大臣は、

「50%カットしていくら残るかといったら、実は3600万円くらい。ですから私はもっと努力してくださいと。自分もそうやりますからとお伝えした」

 と述べ、東京電力に対して経営努力を求めたことを明らかにした。海江田経産大臣と菅直人首相は当面の間、閣僚給与を全額返納する意思を表明している。

(萩原和晃)

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