出題傾向に変化?最新のTOEIC事情

出題傾向に変化?最新のTOEIC事情

 グローバル化が進み、ビジネスマンにとって英語の重要性は増すばかり。この流れは今後もどんどん加速していくはずです。
そんな中、英語力を測るうえで事実上の共通指標になっているのがTOEICです。すでに社員の英語力を判断する目安として取り入れている会社や、人材採用の条件にしている会社もあります。
 それならば、学生は学生のうちに、社会人ならできるだけ早い段階で、TOEICで高いスコアを取れるだけの英語力をつけておくのは必須のはず。今回はそのための勉強法やコツを教えていただくべく、TOEIC関連書籍で多くのベストセラーを持ち、このたび『TOEIC(R)TEST必ず☆でる単スピードマスター』(Jリサーチ出版/刊)を刊行した成重寿さんにお話をうかがいました。その後編をお届けします。

――日本にもすっかり定着しているTOEICですが、これまでに問題傾向に変化はあったのでしょうか?

成重:TOEICは2006年に出題傾向が大きく変わったり、2011年あたりからは問題が少し難化するなど少しずつ変化しています。ただTOEICというテストは、いつ誰が受けても自分の実力に見合ったスコアが出るようになっています。

――頻出する単語の傾向にも変化があるのでしょうか?

成重:単語についても、以前より難しい単語が使われるようになってきています。ただ、大幅にということではなくあくまで一部ですから、600点を目指している限りはそこを特別に勉強しなくても問題ないはずです。

――近年、「英語力を測ることはできない」としてTOEIC自体の意義を問う声も聞かれます。それでもTOEICの勉強を続けることの意味はどんなところにありますか?

成重:TOEICでは英語力を測れないというのは極端な意見で、実際にはかなりしっかり測れていますよ。TOEICの問題はリーディングとリスニングで、スピーキングとライティングはありません。ですから、「高得点を取っても英語で会議ができない」というような言われ方をされてしまうのですが、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングには一定の相関関係があります。
600点が取れていればスピーキングにしろライティングにしろベースになる能力はついているはずで、あとはそれらの技能をトレーニングで活性化させていけばいい。
ビジネスパーソンの英語力を測るという意味ではTOEICに勝る試験は今のところ存在しません。また、すでに多くの企業が英語力の基準としてTOEICを採用しています。

――実際の試験の現場で役立つ、高得点をとるためのコツがありましたら教えていただければと思います。

成重:リスニングでは「考えすぎないこと」です。聞き取れずに何だったかなと長考してしまうと次の問題文の音声がすぐ流れてしまうので、聞き逃してそちらまで落としてしまう。リスニングの場合、音声が流れているときに聞き取れるかがすべてなので、後で考えてもわからないわけです。すぐに割りきって次の問題に備えるという判断が大切です。
リーディングについては時間の管理ですよね。Part 5と6に何分、Part 7に何分とあらかじめおおよその時間配分を決めておくことです。公式問題集などを解いて、自分自身の時間プログラムを設定しておくのがいいと思います。600点ならある程度「落とせる問題」もあるので、最後まで解ききる必要もありません。難しい問題は適当にマークして、取るべきところで確実に取るという姿勢が必要です。

――最後になりますが、TOEICで高得点を目指す方々にアドバイスやメッセージをいただければと思います。

成重:勉強法の目安として、600点を目指すのであれば単語をしっかりと勉強して、必要なものは覚えてしまう。そしてTOEICに沿った問題集等で練習を積んでいくという2点が重要です。英字新聞や英語ニュースなど、英語に触れられる素材はいろいろありますが、そういうものはひとまずやらずにTOEICに集中した方がいいと思います。
たとえば今TOEICスコアが400点の人が600点に上げるには、統計的に400〜500時間くらい勉強時間が必要です。この本では「20日間でマスター」としていますが、これは必要な単語をひとまず覚えてしまうまでの時間であって、TOEICのスコアを上げるにはもっと長い時間がかかります。それこそ半年や1年という長い期間を継続して勉強していくことになるので、きちんとした計画を立てるとともに、週に何時間というノルマを設定して着実にこなしていっていただきたいですね。
600点より上を目指す方についても、730点くらいまではTOEICの教材だけでもいいと思います。730点より先は、英字新聞や英語のニュース番組など、いろいろな英語の素材に触れながら勉強していくと、飽きることなく楽しく継続できるのではないかと思います。

出題傾向に変化?最新のTOEIC事情

(新刊JP編集部)


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