堀江貴文被告緊急記者会見(4) 「テレビの仕組みを変えたかった」
最高裁から上告を棄却されたことにより近く収監される見通しとなっている堀江貴文被告は2011年4月26日17時から、都内で自由報道協会の主催により開かれた記者会見に出席。会見で堀江被告は、「僕はテレビの仕組みも変えたかったし、ラジオの仕組みも変えたかった。色々なことを変えてより便利に、より生きがいのある社会にしていきたいと思っていた」とニッポン放送の株を大量取得して世間を騒がせた当時の考えを率直に語った一方で、「説明不足がすごくあったと思う」と反省する一面も見せた。
(堀江貴文被告緊急記者会見(3) 「日本では、お上に逆らったら首を切られる」)
以下、本記者会見全文。
司会・自由報道協会暫定代表・ジャーナリスト・上杉隆氏(以下、司会・上杉氏):
ツイッターのタイムライン上に記者クラブの記者に全然当てないでヤラセではないかと言われているがそんなことはない。ぜひどんどん質問して、フェアにやりたい。
TBS・カシタ氏(以下、カシタ氏):
堀江氏がやろうと思っていた正しいことというものができなかった、中断されたということが時代のせいなのか、制度のせいなのか、どう考えるか聞かせて欲しい。
堀江貴文氏(以下、堀江氏):
すべては諸行無常。起こっていることが真実なわけで、それに関して私が何か評価をしても仕方がないと思う。ただ、伝えること、僕が思っていることが僕の意図通りに皆に伝わるかというと、多分そんなことは100%あり得ない。原子力発電所が100%安全でないのと同じで、僕が言っていることが100%皆に伝わることはあり得ない。だから、そうやって100%に近づける努力をしなければいけないはずなのに、それを僕が怠っていたことがひとつは非常に大きな理由。
出来の悪い生徒に100回説明しないとわからないという話をしたが、そういう作業が必要だと思う。ただ、面倒臭いのでそういった作業を結構サボってきた。丁寧にしつこく説明すること。よくこういったインタビューでも、はっきり言って質問者のレベルがものすごく低いことはよくある。はっきり言ってイライラする。イライラしてそれを押さえられないときはぞんざいな対応になる。それで敵が増える。あるいは意図がちゃんと伝わらない。それはすべて僕の責任。なので仕方がない部分もある。それが因果応報で私にまわってきたということだろう。
これから僕がやっていかなければいけないことは、もっと丁寧に説明をすることだし、時間をかけることだと思うが、時間をかけるということが僕の短い人生の時間を消費することでもある。急がば回れという言葉がある通り、まさに私は急がば回れだった。思わぬところからそういったことになってしまったのではないかと思う。
カシタ氏:
それはつまり、ライブドアという会社を使って、堀江氏が世の中を良くしようとしていたけど、説明が足りなかったということか。
堀江氏:
説明が足りなかったのか、説明をいくらしても、すごいしつこく説明をしなければいけなかったのか、説明してもわからなかったかもしれない。
例えば、よく言われる株式100分割。100分割をして流動性を上げて、個人投資家がポートフォリオを組んで、自由にどんどん投資をする。これはアメリカでは当たり前のことだが、なぜか日本では任天堂の株を買おうと思ったら100万円からしか買えないとか、はっきり言っておかしな仕組みになっていた。任天堂のお客さんは子供たちではないですか。子供たちが買えなくてもいいのかもしれないが、消費者が、企業の主要ユーザーが少しでも株を持って応援してあげようとか、そういう仕組みが資本市場なわけだが、それが全く機能してなくて、なぜか大型の投資顧問会社、機関投資家と呼ばれる人、一部のお金持ち、そういった人しか参加ができないようになっている。そういうものを変えたかった。
僕はテレビの仕組みも変えたかったし、ラジオの仕組みも変えたかった。電波という貴重な資源をある意味浪費している部分もすごくあると思う。そういった仕組みを変えたかったし、色々なことを変えてより便利に、より生きがいのある社会にしていきたいと思っていたが、そこは説明不足がすごくあったと思う。
司会・上杉氏:
この会見が始まる前に堀江さんと控え室で話して、とにかく質問はなんでも受けるということで、フェアにやろうということなので、その厚意に応えてやっていく。ここで黙って裏で言わず、裏で書かずに、この場でちゃんと聞いて活発な議論をして欲しい
朝日新聞・アオキ氏:
収監までの1ヶ月は、何を一番大事にして過ごしていきたいか。
堀江氏:
結構時間が短いので、すでに入っている予定であったり講演会であったりとか、仕事がある。仕事最優先でこなしていきたいと思う。
あとは異議申し立てをして、1週間から10日かかるらしいが、それはおそらくNGの結果が出るだろうと言われているが、最後の望みとしてある。それがダメだったら高検、高等検察庁と協議をして収監時期を決めるらしいが、それが半月なのか1ヶ月なのか2ヶ月なのかわからないが、健康診断はやったばかりだが、収監されると中の医療体制というのはあまりよくないと聞いているので、その前に歯医者さんに行ったりとか健康面のチェック、ヘルスチェックを十分にやる。
あとは残務整理がある。私も色々と仕事をしているので、そういったものの引継ぎであったりとか。たくさんのお友達・知人がいるが、2年くらいいなくなるのでお別れをする。そういったことを1ヶ月くらいでやっていきたい。なので結構バタバタで、いつの間にか収監の日になっていると思う。
朝日新聞・ヌクイ氏:
先ほど、こういった状況になっているのは、僕に原因があった部分もあると思うと話されたと思うが、原因となった部分について聞かせてほしい。
堀江氏:
つまりは説明不足だったということ。
僕はすべての行動に対して結構、情報をたくさん取って、取った情報をアウトプットするということをすごく考えてやっているが、情報を取るということは未来を知ること。相対的な未来と僕は呼んでいるが、皆が知っている情報よりも早く、たとえば僕が上告を棄却されるというという情報を司法記者クラブの人たちは昨日の晩から知っているという話があったが、それは未来を知っているということ。それと同じように、僕はたくさんの情報を仕入れて、自分のなかにインプットしているので未来を知ることができる。
皆よりも未来を知ることができる。だから、それに対応したああいうことをやろうというのを思いついてしまう。思いついたら実行してしまう。昔は全然そういった力がなかったが、ライブドアの社長になって上場して、社員も増えてキャッシュも増えてくると、ほとんどのことが実現できるようになった。つまり考えたこと、「未来はこうなる。だからこうしよう」ということ、前はいろんな制約があってできなかったことが、できるようになる。できるようになると実行してしまう。
皆は当然、未来を知らないので「なんで堀江はあんなことをやっているのだろう」、「何か悪いことをしているの違いない」と、「まったく検討違いのことをしているな」と、陰謀論であったりとか、色んな説が出てくる。さらにそこで有名になって、どんどん発信してしまった。発信すると、情報リテラシーのすごく低い人たちもいるので、さらにわからなくなる。本当に「あいつはちょっとキチガイだ」とか、「あいつはよくわからなんことをしている」と。
よくわからないものに対して人間というのは恐怖をおぼえる。たとえば原子力発電所から出る放射能に対して、ものすごく恐怖をおぼえる人が多いと思うが、あれと同じで「堀江というのはなんかようわからん。だから怖い」と思う人たちもたくさんいる。怖いと思うと人間、防御をする。
一番そういった防御、盾の役割をするのが検察官。だからそういった人たちがやってきたというのが結論。つまり、先を行くということは、それなりのリスクを伴うこと。これを説明して、皆納得して「堀江さんの言うことはすごくよくわかる」ということをやっていても意味がない。だからそういったリスクというのを、僕は背負い続けるんだと思う。だから、背負い続けるのである意味僕も僕で防御をしていかなければならない。防御というのは具体的にはできるだけ説明をするということ。あとはあまり人の縄張りに入っていかない。それが一番大事だと思う。
司会・上杉氏:
ただ今、日本のテレビ業界にとっては不適切な発言があった。発言者に代わって司会者が、お詫びはしないが訂正する。
フリー・サイトウ氏:
先ほどツイッターの話があったが、収監中もメールマガジンや新しい書籍や自身が情報発信する点でどうしたいか。
堀江氏:
嬉しいことに僕を応援してくれるスタッフが「これからもやり続けます」と宣言をしてくれたので、彼らのサポートを受けてできる限り情報を発信していきたい。メールマガジンについては続ける。僕しか出せない情報というのがあると思うし、それは貴重な情報だと思うので、アップトゥデートで収監されているあいだもできる限り多くの情報を、今とできるだけ変わらないように。手書きになるので、手書きで文通みたいになるので非常に腱鞘炎になるリスクが高まると思うが、できる限り頑張る。出てきたときには腱鞘炎になっていると思う。タイピングの仕方も忘れているかもしれないが、頑張る。
書籍に関してはすでに5、6冊分もう最終校了が終わっているものがあるので、それは予定通り出す。電子書籍に関しても、これまで電子書籍化されていなかった過去のものも含めて出そうと思っている。それは予定通り出したい。ただし、雑誌の連載は全部続けることはおそらく難しいなと思うし、取材なんかにも対応できない。講演会ももちろんできない。ただできる限りはやっていく。
(堀江貴文被告緊急記者会見(5) 「ニコ動を見る子供が大人になったとき、メディアは変わる」)
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]堀江貴文被告緊急記者会見、記事内全文起こし部分から視聴
http://live.nicovideo.jp/watch/lv47840618?ref=news#44:44
(山下真史/宮川幸輔/三好尚紀/土井大輔/丹羽一臣)
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ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
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