日本人が知らない“ありのままの日本”がいっぱい!
数字で見ると、知っているようで実は知らなかった日本の本当の姿が見えてきます。
例えば、日本の市民一人あたりの生活水準は、アジアの中で何番目だと思いますか?
◯市民一人当たりの生活水準はアジアで5位
IMF(国際通貨基金)が発表している、より経済の実態に則した、購買力平価ベースのGDP(日本ではあまり馴染みがありませんが、世界では標準の指標)で比較すると、実は日本の経済規模は、アメリカ、中国、インドに次いで4番目です。
世界で4番目なら大したものだと思うかもしれませんが、これを「市民一人あたり」に換算するとどうでしょう?
市民一人あたりの購買力平価GDPとは、「市民一人ひとりの経済的豊かさ」を表します。この値を見てみると、なんと日本は世界で29位まで後退してしまいます。アジアの中では5位と、シンガポール、香港、台湾よりも一人あたりの生活水準が低いのです。
日本が世界経済を牽引していた時代を知っている多くの人にとっては、受け入れがたいかもしれませんが、これが現実です。
◯日本の広さは世界9位
国土についてもおもしろい事実があります。
ご存知の通り、日本は小さな島国で、国土面積は、世界で62位。ですが、海まで合わせて考えるとどうでしょう。CIAが発表している「The World Factbook」から算出すると、日本は一気に順位を上げて、世界でもトップ10に入る広さになります。海底には豊富なエネルギー資源が眠っています(まだ技術的に取り出すことは難しいようですが)。資源がない小さな島国という常識は、見方によっては非常識となるのです。
◯日本の株価だけが成長していない
皆さんは、1980年から、日本、アメリカ、ドイツの株価がどれだけ成長しているか、ご存知でしょうか?
バブルを知っている世代は、日本の株価が成長していないことはご承知のことと思います。しかし、世界の国々の株価はどうなのでしょうか。
1980年から2015年7月末現在で、日本の日経平均は2.9倍になりました。一方、アメリカのダウ平均は、18.7倍、ドイツのDAXにいたっては、23.7倍です。これは、同じ先進国といっても日本だけが成長できていない事実を雄弁に語っていると言えます。
このように『日本の未来を考えよう』(出口治明/著、クロスメディア・パブリッシング/刊)では、数字を使って世界の国々と比較することで、知っているようで知らなかった日本の姿や本当の実力を明らかにしています。
◯“ありのままの日本”を知ることから“明るい未来”がはじまる
日本は、世界に類を見ない「高齢社会」、かつ世界一の「借金大国」で、現在進行形で借金も高齢者も毎年増え続けています。
私たち大人が増やし続けてきた借金を返すのは、これから大人になる今の小さな子どもたち、これから生まれてくる子どもたちです。今の若者たちが未来に不安を感じている以上に、何も知らない小さな子どもたちを待ち受ける未来はもっともっと絶望的なものかもしれません。
しかし、これはあくまでも“今のままでは”です。課題があるのなら、それに対して対策を講じればいいのです。そのためにはまず、“ありのままの日本”を知ること。“明るい未来”はそこからはじまります。
「人間は次の世代のために生きている」と著者の出口治明さんはいいます。私たちの子どもや孫の暮らしが少しでも豊かになるように未来を考えることは、今の大人たちに課された役目なのです。
(新刊JP編集部)
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