会社説明会で自社が舞台の映画を就活生に先行上映『東京PRウーマン』

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2016年新卒者の就職戦線は3月活動解禁、8月選考開始となり、現在真っただ中。
各業界、会社は良い人材を集めようと必死だ。

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さて、そんな中、会社説明会で映画を上映してしまうという、前代未聞の試みが実際に行われたので取材した。

総合PR会社の株式会社ベクトルは自社を舞台にした『東京PRウーマン』という映画を会社説明会において先行上映した。
この映画は山本美月の初主演で、BS-TBSが製作・配給を行い、2015年8月22日(土)より全国で劇場公開する。
写真は上映チケット。

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写真は会社説明会受付の映画ポスター。

■2015年8月22日(土)公開 映画『東京PRウーマン』予告編
https://youtu.be/–nnEeDSTTg

内容は映画館でご覧いただくとして、昔は広告代理店というカテゴリーが就職先として大人気を誇った時代がある。現在も人気があることに変わりはないが、PR会社というのが人気の業界カテゴリーとして浮上しつつある。そもそもPR会社というのは何をしていて、広告代理店とは何が違い、一般消費者にどのようにかかわっているのだろうか。

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企業がモノを売りたいと思えばテレビCMを打ったり、雑誌や新聞に広告を出すが、その時間枠やスペースを買って企業の立場から宣伝する。そのコンサルトをするのが広告代理店。

最近はメディアが多様化し、テレビや新聞、雑誌だけではなく、インターネットメディアやSNSも重要な情報発信媒体になっている、何よりも消費者の商品知識がインターネットの普及により豊富になり、企業からの一方的なコマーシャルメッセージではなく、記事としてメディアに取り上げてもらうという方法が近年、脚光を浴びている。PRとはPublic Relationsの頭文字だ。

ところが、CMや広告は企業が好きなように出せるが、記事はそうはいかない。
メディアが取り上げてくれないことには何も起きないのだ。
いかに記者やメディアに取り上げてもらうかのコンサルタントをするのがPR会社。
写真は上映前の様子。

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PR会社はメディアに取り上げてもらおうと情報や話題を提供する。
もちろん、記者(私自身)もPR会社からプレスリリースを受け取るが、記事にならないと判断すれば取材はしないし、仮に取材しても記事にしない場合もあるし、記事にしても編集部の段階ででボツになることもある。それだけ記事になり世に出るハードルが高いので一般的に信頼性や客観性が高いと判断される。
記事になると、一般消費者がそれを読んで今度は個人のSNSで情報が拡散される。それとて読者が面白い、役に立つと思わなければ拡散はされない。
写真は会社の概要を説明する役員。

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しかし、取り上げるかどうかの決定権は記者もしくはメディアが握っているので、仮に記事になっても記者やメディアにはお金が支払われることはない。これが広告やCMとの大きな違いだ。

記者やメディアのフィルターを通るので信頼性や客観性が増す一方で、企業はどのように記事にされるのかは全く分からない。そうなると、自然に良いもの、信頼できるもの、面白いもの、役に立つものが記事として残っていく。また情報が個人によって拡散されていけば、それが流行となり、主流へと変わっていく。

現代社会のマーケティング手法はCMや広告のほかにも、多様化しているということである。
写真は業界の内容をスライドを使って説明している様子。

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就職活動で来場していた学生に話を聞いたが、うまい表現で表してくれた。
現在大学4年生で就職活動中にPR会社に興味を持ったという外国語を学ぶ女子学生だ。

「マスメディアの影響力の主流がYouTubeやSNSやインターネットニュースになっていると感じています。そう考えると、企業が”上から”発信する広告代理店よりも、”下から”押し上げるPR会社の方がより魅力を感じるようになりました。厳しい世界だというのはわかっているつもりですが、仕事としての魅力はあります」

この、「上から」「下から」という表現の良し悪しは別として、消費者一般の目線としては的を射てるような気がする。
写真は、消費者の商品知識に関するスライド。

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同社の広報担当者に聞いた。

「私たちはモノを作るのではありません。情報を自ら発信するわけでもありません。ですから、世間一般ではない、認知されていないPR会社という世界をPRしたいと思い、映画を用いたPR手法である“ストーリープレイスメント”を取り入れました。これにより、全面的に表に出ることがいいわけではありませんが、こんな世界もあるということを知っていただき、就職の選択肢に入れていただければいいなと思っています」

ストーリープレイスメントとは、商品やサービスを露出させるのではなく、ストーリーそのものが商品やサービスと連動しているPR手法のこと。

SNSで何らかの情報を発信するとき、それは企業からPR会社、記者のようなメディアを通して、最後のフィルターを通過させるかどうかの権限を読者の皆さんが握っているということを心の隅にとどめておきたい。もしかしたら流行を作っているのは読者の皆さん自身なのかもしれないからだ。
写真は広告とPRの違いを説明するスライド。

※写真はすべて記者撮影
 動画はYouTubeのBS-TBSアカウントから使用
 (c)2015「東京PRウーマン」制作委員会
 製作・配給 BS-TBS

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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