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猫を通して教わる「生きる意味」

猫を通して教わる「生きる意味」

 自分は何のために生きているのか。何か悲しい出来事があったり、落ち込んでいる時、そんなことを考えてしまうことがあるかもしれない。でも、生きている意味なんて、考えても、考えても、答えが見つからないものだ。

 そんなときに読んでもらいたいのが、本書『悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと』(瀧森古都/著、SBクリエイティブ/刊)だ。
 お金では買えない本当に大切なものを描いた「鳴かない猫」、血縁よりも深い絆を描いた「絆のかけら」、悲しみのその先にある再出発を描いた「透明のスタートライン」、受け入れざるを得ない運命を描いた「奇跡の赤い糸」全4話から物語集で、1冊の「里親探しノート」を介して、様々なドラマが繰り広げられていく。

 田舎の片隅にあるパチンコ屋。そこで働いている五郎は、生きていることに意味を持てないまま、ただなんとなく生きていた。五郎のパチンコ店の常連客・宏夢も、いい加減な生き方をしてきた。今はなんとなく成功を目指しながら「なんでも屋」の見習いをしていた。
 ある日、五郎はパチンコ店の飲食スペースの小さなテーブルの上に「里親探しノート」が置いてあるのを見つける。それは数日前、常連の弓子が置いていったノートだった。そのノートを開いて、捨て猫情報を流し読みしながらページをめくっていくと、奇妙なコメントが書かれているのを見つける。そのコメントは、真っ白いページの真ん中に、ポツンと「ネコは、ごはんを何日食べなければ死にますか?」と書かれていた。この書き込みをきっかけに、五郎と宏夢はある事件に巻き込まれていく。
 1冊のノートによって、五郎と宏夢の運命の歯車が動き出し、生きる意味と向き合うことになっていく。

 作者の瀧森古都氏は現在、5匹の猫と共に暮らしているという。
 瀧森氏にとって猫は、生まれた時から家の中にいた身近な存在であり、言葉を交わさなくても気持ちが通じ合う親友のような存在だったそうだ。本作は、そんな瀧森氏自身の猫との不思議な体験、取材をした多くの人の「猫のエピソード」やメディアに取り上げられた情報などをもとに、描かれた物語だ。
 飼っていた猫を引っ越しの時、置き去りにしてしまう出来事が全国各地で起きている。どうか、猫と飼い主さんが再開を果たせますように…という願いを込め、物語の中では「悲しみ」の先にある出会いや絆、夢や希望を描いたと、瀧森氏はあとがきにて語っている。

 猫を通して大切なものを教えてくれる本書。落ち込んだ時や生きる意味がわからなくなってしまった時、読んでみると救いになるかもしれない。
(新刊JP編集部)


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