創立70周年のマガジンハウスが、戦後70年を考えました。~マガジンハウス担当者の今推し本『ダカーポ特別編集 戦後70年を考える。』
こんにちは、マガジンハウスです。第二次大戦が終結した1945年からちょうど70年。“戦後70年”というフレーズを目にする・耳にすることも多いでしょう。それにしても、「もはや戦後ではない」と言われた頃から既に60年近くも経っているし、果たして今って“戦後”なの?
N 「そうなんです。そもそも“戦後”とは何なのか? いつまでが“戦後”なのか? 本書では、哲学者の萱野稔人さんがわかりやすく解説してくださいました」
―――って、いきなり現れたNさん! どうぞ宜しくお願いします。Nさんがこのムックを編集されたと聞き、一緒に昭和なつかし話をしたいなーと思ってたんです(笑)。それにしても、水木しげる先生の『地獄と天国』をプロローグに、田原総一朗さん、黒柳徹子さん、黒鉄ヒロシさん等々、錚々たる方々が“戦後”を語られていますね!
N 「ええ。最初は戦争を知らない若い世代に読んでもらいたいと思って作り始めたんですが、作っているうちにだんだん私自身が知らないことばかりだと気がついちゃって(笑)。水木先生は93歳、黒鉄さんは70歳。このお二人だけでも、戦争に対するとらえ方がまるで違ってらっしゃるんです。だから、色々な地域、世代の人のスケッチで語られる戦後、というのを届けられたらいいなと思ってます」
―――先ほどお名前が出た萱野稔人さんや社会学者の古市憲寿さんといった、さらに若い世代の方の声も興味深いです。
N 「ね。古市さんは30歳とまだお若いですが、30歳の視点で日本の今後を考えられていて、村上龍の小説『希望の国のエクソダス』と『オールド・テロリスト』を軸に<これから、この国はどこへ向かうのか>を特別寄稿していただきました」
―――とても読み応えがありました。一方でマガジンハウスらしいというか、芸能、スポーツ、カルチャー、家電やガジェットなどの70年史もあって、思わず仕事の手を止めて読み込んでしまいましたよ!
N 「芸能&スポーツ年表は10年ごとに区切って、それぞれどんな時代だったのかをまとめた見出しをつけたのですが、たとえば自分が生まれた1965~1974年代は、若者文化が始まった時代だったんだなあなどと勉強になったり」
マガジンハウスの第一号雑誌『平凡』からの写真も多数。昔は「凡人社」、「平凡出版」という社名だったんですよ~。
―――各年代を象徴する人物の写真も楽しかったです。佐村河内さんとか(笑)。1990年のところに野茂英雄投手があったのも嬉しかった……。
N 「私も野茂、好きなんです~!」
―――きゃー! いいですよね、野茂♡ (以下、野茂LOVEトーク続く)
N 「……というように、主観があったほうが年表は面白いと思い、担当のライターさんに、必ずしも数字的な記録ではなく、話題になったり記憶に残った人をピックアップしてもらいました。複合的なエンタメとして読んでいただければ嬉しいです」
―――また、家電や電子機器の写真を見ると、ほんの数十年でめまぐるしい進化をしているのがわかりますよね……。タブレット全盛のいま、ラップトップPCの写真を見るとしみじみします。
iMac……この巨大な物体を、平成生まれの若者は知っているのでしょうか。
N 「おもちゃやお菓子といった昔の商品を見るのも楽しいでしょう? リアルタイムで知っている人は“そうそう、こんなパッケージだった!”と懐かしむことができるし、知らない世代の方には新鮮に見えるでしょうし」
―――本書は、かつてマガジンハウスで発行していた雑誌『ダカーポ』の特別編集版となっていますね。そのせい(?)で「3時間でわかる戦後70年」と見出しにありますが、これ3時間で読めないですよ!
N 「いや、これはダカーポという雑誌が当時“現代が3時間でわかる情報誌”というキャッチフレーズを持ってたので、それを踏襲して……。でも、164ページと分厚いですからね、確かに3時間では読み切れないと思います、我ながら(笑)」
今週の推し本
『ダカーポ特別編集 戦後70年を考える。』
マガジンハウス 編ISBN:9784838750214
定価:880円 (税込)
発売:2015.08.04
ジャンル:実用
[http://magazineworld.jp/books/paper/5021/]
ウェブサイト: http://magazineworld.jp/
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