国境なき医師団が被災地で診療 メンタルケアで「心の復興」を

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 国境なき医師団(MSF)は2011年3月14日、記者会見を行い、東日本大震災発生後に被災地の宮城県仙台市で、被害状況の調査や被災者の診療などを行ったことについて報告、「今後はメンタルケアが重要になる」と述べた。国境なき医師団は国際的に民間の医療・人道援助を行うNPO団体で、1995年の阪神・淡路大震災や2004年の新潟県中越地震でも支援活動を行っている。

 今回被災地の宮城県仙台市で調査を行った黒崎伸子医師は、

「阪神・淡路大震災と同規模の地震だったわりには建物の倒壊は少ないが、県庁の建物以外は電気も水も何もなく、自動車で混雑しており、カオス(混沌)となっていた」

と、現地の状況を説明。仙台市内の店はほとんど閉まっているが、食料品などを調達するために車でお店を探している家族が多いという。

 また、医療については、仙台市内では保険証がなくとも処方箋さえあれば常用している薬が出るようになっているというが、人工透析用の生理食塩水や酸素が不足しているとした。血液は手術が多数あるわけではないのでそれほど不足しているわけではないが、現地では献血する人の数が少ないので、今後どうするべきか検討していると話した。

 さらに、黒崎医師はスマトラ島沖地震での支援活動の経験を踏まえ、

「ライフラインが復旧して家屋が整っても、家族を一瞬で失った精神的な傷はなかなか癒えるものではない。精神的なケアが今後早急に必要となってくる」

と述べた。復興のためには物資の調達やインフラの再建だけでなく、メンタルケアでの「心の復興」が課題となりそうだ。

【関連サイト】
国境なき医師団(MSF)日本 公式サイト

国境なき医師団 記者会見
http://live.nicovideo.jp/watch/lv43237902
(番組はタイムシフト機能でいつでも視聴できる)

(中村真里江)

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