ドコモが2011年春モデルとしてAndroidスマートフォン『MEDIAS N-04C』『Xperia arc SO-01C』とタブレット『Optimus Pad L-06C』を発表
NTTドコモは、2011年春モデルの新製品発表会を開催しました。いずれもAndroid端末で、NECカシオモバイルコミュニケーションズ製の『MEDIAS N-04C』とソニー・エリクソン製の『Xperia arc SO-01C』がスマートフォン、LGエレクトロニクス製の『Optimus Pad L-06C』は通話機能を持たないタブレット端末。いずれも『ドコモ スマートフォン』としてラインアップされます。いずれも3月中に発売と、かなり急ピッチで市場へ投入される予定で、ドコモがAndroidスマートフォンで攻勢をかけていることがうかがえます。
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・“世界最薄”のスマートフォン『MEDIAS N-04C』
最初に紹介されたのは、NECカシオモバイルコミュニケーションズが満を持して製品化した初のスマートフォン『MEDIAS N-04C』。厚さ7.7mm、重量105gという“世界最薄”のAndroidスマートフォンです。3月15日に発売予定で、3月4日から事前予約を受け付けます。新規契約での端末価格は2万円台後半の見込み。
OSはAndroid 2.2。『Flash Player 10.1』に対応し、パソコン同様にFlashコンテンツが利用可能。4.0インチ 480×854ドットのフルワイドVGAディスプレーを搭載し、『おサイフケータイ』、ワンセグ、赤外線通信に対応します。iモードのメールアドレスやキャリア決済が利用できる『spモード』、ドコモが運営するアプリマーケット『ドコモマーケット』にも対応。『Twitter』『Facebook』『mixi』などで友人とのやりとりを一覧できるアプリ『ソーシャル電話帳』をプリインストールしています。カラーはMEDIAS BlackとMedias Whiteの2色です。
タッチ&トライコーナーで実機を触りましたが、とにかく印象的なのはその薄さ。「大きくてゴツい」という、従来のスマートフォンのイメージを覆すものとなっています。説明員によると、CPUは『Snapdragon』の『MSM 7230』800MHzで、バッテリー容量は1230mAh。薄さを実現するためにバッテリー容量が多少犠牲になった印象はありますが、「凄く使用時間が短いということなない」(説明員)とのこと。
夏にはAndroid 2.3へのバージョンアップを予定。夏モデルには後継機種として、防水機能を搭載した『MEDIAS』の発売を予定しており、そちらも2.3で出荷されるものとみられます。
『MEDIAS N-04C』主な仕様
サイズ:約W62×D127×H7.7mm(最厚部約8.7mm)
重量:約105g
3G連続待ち受け時間:約360時間
GSM連続待ち受け時間:約220時間
連続通話時間:約250時間(3G)、約250時間(GSM)
ディスプレー:約4.0インチ 480×854ドット フルワイドVGA TFT 26万2144色
外部メモリー:microSD(2GB)、microSDHC(32GB)
カメラ:CMOS 有効画素数約500万
カラー:MEDIAS Black、MEDIAS White
国内初のAndroid 2.3搭載『Xperia arc』
続いて発表されたのは、ソニー・エリクソン『Xperia SO-01B』の後継機種『Xperia arc SO-01C』。国内では初めて、スマートフォン用最新OSであるAndroid 2.3(Gingerbread)を搭載した端末となります。「arc(円弧)」の名を冠している通り、背面に円弧状の“アークデザイン”を施し、最薄部の厚さは8.7mm。3月24日に発売し、3月4日から事前予約を受け付けます。新規契約の端末価格は3万円を切る見込み。
6月から順次、下り14Mbpsの『FOMA ハイスピード』に対応を予定。『Flash Player 10.1』に対応し、『spモード』と『ドコモマーケット』が利用可能。『GALAXY S』などのようなグローバル仕様の端末であるため、『おサイフケータイ』やワンセグ、赤外線には非対応となっています。発表会では夏モデルとしてこれらに対応する新『Xperia』の発売が予告されていました。
4.2インチ 480×854 のフルワイドVGAディスプレーを搭載し、『モバイルブラビアエンジン』によりくっきり鮮やかな映像表現を実現。810万画素のカメラはCMOSセンサ『Exmor R for mobile』を搭載。手ブレ補正やLEDオートフラッシュ、開放値F2.4の明るいカメラレンズが暗い場所での撮影をサポートします。HDMIケーブル出力やDLNAサーバー機能により、写真や動画を大画面液晶テレビに出力したり、『PlayStation 3』などDLNAクライアント対応機器とワイヤレスでコンテンツを共有可能。
メインカラーは女性をターゲットにしたSakura Pink。ほかにMidnight Blue、Misty Silverの全3色をラインアップしています。
タッチ&トライコーナーで確認した実機は、やはりアークデザインが特徴的。手に収まる感触がよく、重量約118gの本体は『MEDIAS』ほどではないものの軽く感じました。これは女性ユーザーにも受けがよさそうです。Android 2.3は初めて触ったのと、時間が限られていたこともあり、その特徴をつかむところまではいきませんでしたが、ホーム画面の動作は軽快で滑らか。『GALAXY S』の次はこちらがドコモの主力スマートフォンになりそうです。
説明員によると、CPUは『Snapdragon』の『MSM8255』(1GHz)で、バッテリー容量は1500mAh。1月の全世界での発表から2か月で日本市場向けに発売できることについては「早い商品開発サイクルを構築している」(説明員)と胸を張ります。最先端のスマートフォンをタイムリーに日本でも展開するソニー・エリクソンには、“プレステケータイ”『Xperia PLAY』の動きを含め今後も注目できそうです。
『Xperia arc SO-01C』主な仕様
サイズ:約W63×D125×H10.9mm(最厚部約11.4mm)
重量:約118g
3G連続待ち受け時間:約400時間
GSM連続待ち受け時間:約270時間
連続通話時間:約340時間(3G)、約390時間(GSM)
ディスプレー:約4.2インチ 480×854ドット フルワイドVGA TFT 1677万7216色
外部メモリー:microSD(2GB)、microSDHC(32GB)
カメラ:CMOS 有効画素数約800万
カラー:Sakura Pink、Midnight Blue、Misty Silver
・8.9インチのAndroid 3.0搭載タブレット『Optimus Pad L-06C』
最後に発表されたのはLGエレクトロニクス製の『Optimus Pad L-06C』。タブレット向けに最適化された最新OSであるAndroid 3.0(Honeycomb)を搭載する国内初のタブレットとなります。3月下旬の発売予定で、3月15日から事前予約を受け付けます。新規契約で3~4万円の価格帯となる見込み。
8.9インチ 1280×768ドットのワイドXGA液晶を搭載。3か所に搭載されたスピーカーは、縦持ちでも横持ちでもステレオ再生が可能になります。7インチの『GALAXY Tab』より大きな画面サイズは、動画や映像を楽しむ“エンターテインメント・タブレット”という位置づけで、通話機能は非搭載。バッテリー容量は6400mAh。『Flash Player 10.1』は、Android 3.0に最適化されたものがまだ提供されていないため、後日別途ダウンロードすることになる予定。詳細は発売時に発表されるそうです。
3D動画の撮影機能を搭載し、HDMI出力して3D対応テレビで3D映像を楽しめます。本体での立体視には対応していません。右目用と左目用で撮影するサイド・バイ・サイド方式の撮影と、赤青の3Dメガネで鑑賞するアナグリフ方式の両方に対応しています。
タッチ&トライコーナーで触ってみましたが、重量620gの本体はカバンに入れて持ち歩くにはちょうどよい重さとサイズ。電車の中で立って使うような場合にも、男性なら片手で持てるぐらい。『iPad』と比べられることになりそうですが、そこはOSの趣味の違いというすみわけになりそうです。
『Optimus Pad L-06C』主な仕様
サイズ:約W243×D150×H12.8mm(最厚部約14.1mm)
重量:約620g
3G連続待ち受け時間:約900時間
GSM連続待ち受け時間:約750時間
ディスプレー:約8.9インチ 1280×768ドット ワイドXGA TFT 1677万7216色
カメラ:CMOS 有効画素数約500万
インカメラ:CMOS 有効画素数約120万画素
カラー:Mat Black
・女性ユーザーや50代ユーザーもターゲットに
発表会には、現在放映中のドコモスマートフォンCMに出演する石野真子さんと朝倉あきさんがゲスト出演。CMでは東京で1人暮らしを始める娘(朝倉さん)と、それを送り出す母(石野さん)という役どころを演じています。
ドコモ代表取締役社長の山田隆持氏は質疑応答で1月の販売結果を分析した結果、スマートフォン購入者の35~40%が女性で、購入者の15%が50代以上と、女性ユーザー、50代以上のユーザーでスマートフォンの関心が高まっていることを明かしました。この春に進学する若者層を代表する朝倉さん、今年で50歳になる石野さん、そして2人とも女性であることから、今回のゲスト起用は今後ドコモがスマートフォンユーザーとして新たに期待している層を代表した2人であることが分かります。
石野さんは『MEDIAS』、朝倉さんは『Xperia arc』を手に取り、トークセッションに登場。石野さんは「こんな薄いのは初めて見ました。スマートフォンは男性向けの堅いイメージがあったけど、これなら女性でも使える」、朝倉さんはピンクの『Xpera arc』に「色の印象が強い。スタイリッシュできれいだと思う」と、今回発表された新製品が女性にも受け入れられることをアピールしていました。
来週はKDDIが新製品を発表予定。薄型、最新OS、画面サイズの異なるタブレットでこの春勝負をかけるドコモに対して、au陣営はどんな新製品を投入するのでしょうか。ガジェット通信は来週のKDDI発表にも参加する予定なので、レポートを楽しみにお待ちください。
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
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