着ぐるみの中の人になってみた【20のバイトを渡り歩いた女の、体当たりバイト体験談】

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高校1年の15歳から20種類のバイトを渡り歩いた、私こと牧村朝子がお送りする体当たりなバイト体験談。

今回は「着ぐるみの中の人」のバイトについて、リアルな体験談をお送りします!
―もくじ―
★何をするの? どうすればなれるの?
★着ぐるみの中の人バイト体験談
★まとめ~ここが良い、こんな人が向いてる!

何をするの? どうすればなれるの?

(写真はイメージです)

(写真はイメージです)
着ぐるみの中の人とは、その名の通り、着ぐるみの中に入ってイベント会場などを盛り上げるお仕事

正式名称としては「イベントスタッフ」「キャンペーンスタッフ」などの名前で募集されることが多いです。

私の場合はイベントスタッフ派遣会社にアルバイトとして入り、着ぐるみの仕事を紹介してもらいました。

なお、遊園地や映画の撮影などで特定のキャラクターを演じる人は「スーツアクター」と言います。

こちらはアルバイトとして募集されることは少なく、スーツアクターの事務所に所属することが近道です。

着ぐるみの中の人バイト体験談

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「おはようございます!」

高校の夏休み。朝から30℃を超えるその日、イベント会場に着いたときにはもう汗だくでした。

場所は神奈川県内のショッピングモール。ある商品の宣伝のため、イメージキャラクターである妖精の着ぐるみを着てアピールするお仕事です。

(きっと子どもに大人気だろうな~)

現場のチーフに案内され、倉庫に向かう私は、可愛い子ども達に囲まれる自分を想像してニヤニヤしていました。

ところが。

「あなた、何部?」
「えっ?」

倉庫に着くと、チーフは厳しい顔でそう聞いたのです。

その表情は、明らかに雑談じゃないマジ質問でした。

なんだこれ。なんて答えれば正解なんだろう。まあとりあえず正直に言っておくか。

「ぶ、文芸部ですけど……」

「文芸部~~~~!?」

ふ、不正解!!

「倒れる前にちゃんと言ってよ。夏の着ぐるみって、サウナスーツ着て炎天下歩いてるようなもんだから」

そっか!!

「まぁ、ついつい根性燃やしちゃう野球部員とかより、あなたみたいに弱そうな子のほうが意外と長く頑張れるもんだよ」

そうなの!?

褒められたのかけなされたのかよくわからないまま、さっそく着ぐるみに身を包みます。

いよいよ着ぐるみに身を包むと、想定外の反応が…

(写真はイメージです)

(写真はイメージです)
チーフから着ぐるみの頭の部分をポコッとはめられると、体中がズ~ンと重くなりました。

けれど、着ぐるみと体の間にはいちおう空気が入るようになっていて、あまり暑苦しさはありません。キャラクターの目は黒い網でできており、そこから外が見えるようになっています。

これで私も人気者になれる!

わくわくしながら倉庫の外に出ていくと……

「わ~っ! ○○ちゃんだ~!」

「あくしゅして~!」

キャラクターの名前を叫びながら駆け寄る子どもたち、写メを撮る親たち。

めっちゃ大スターになった気分です。中ではすっぴん汗だくだけど(着ぐるみを汚さないようすっぴんで出勤)。私が手を差し出すと、子ども達は争うように私(が着ている着ぐるみ)の手をつかみ……

「揉んでみ! 揉んでみ、ここ!」

「うわ~! 人の手が入ってる~!」

着ぐるみ越しに手をモミモミしてくるお子様たち。

やめて! 中の人などいないの!!

そう叫びたくても、着ぐるみはしゃべれません。重たい頭を振って“いやんいやん”したり、着ぐるみの手を目元にあてて“え~ん”したりと、必死でSOSサインを出したところ……

「いや~暑いね○○ちゃん(キャラクターの名前)!」

その声は……

チーフだ!!(背後から話しかけられても見えないけど!!)

チーフは私を救出し、倉庫の裏まで連れて行ってくれました。

妖精さん(設定上)なのに、見られてはいけないシーンを目撃される

「なかなかの演技力だったね~。着ぐるみ劇団、紹介しようか?」

そう言うとチーフは着ぐるみの頭をちょっと持ち上げ、そこからウチワで風を入れてくれました。

私が何か言おうと口を開くと、なまぬるいしずくが流れ込んできます。たぶん汗でしょう。でも塩味がしません。

子どもに正体を見破られた冷や汗と暑さとで、私の汗はほぼ出尽くし、汗になる前の水みたいなものが全身から出ていたのです。

「あ~っ! ○○ちゃんの頭がぁ~!」

子どもの叫ぶ声がします。妖精さん(設定上)なのにウチワであおがれている、しかもちょっと頭が外されてる状態の私が目撃されてしまったのです。

私は思いました。

(それでも、演じきってやる……)

倉庫で熱中症予防のスポーツドリンクを飲み干すと、私はまたイベント会場へ出て行きました。きっとまた、手をモミモミされることでしょう。

それでもやっぱりなんとなく、子どもたちに盛り上がってもらえるのが嬉しかったのです……予想とはちょっと違う形でだけどね。
★まとめ★

こんな人が向いてる!
・体力面で無理をしすぎず、体調管理ができる人
・子どもに「人が入ってる~!」とかいって手をモミモミされてもめげない人

ここがメリット!
・人気者気分を味わえるよ!
・すごい汗をかくから、デトックスになるかもよ!

※この記事はタウンワークマガジンとガジェット通信で共同制作しました。

文・写真モデル:牧村朝子 写真撮影:タロウ 企画:ガジェット通信

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