日本人は保険に入りすぎ? 損をせずに「お金を貯める」には

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日本人は保険に入りすぎ? 損をせずに「お金を貯める」には

 お金がなかなか貯まらない、節約しているはずなのに出費がかさむ…。家計事情に余裕がある人はなかなかいません。
 『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社/刊)の著者であり、ファイナンシャルプランナーでもある長尾義弘さんは、書籍の中で、「お金が貯まりにくい人」に特徴的な行動や習慣をあげ、それらから脱して「お金に好かれる」ようになる方法を説明してくれます。

 今回、新刊JP編集部は長尾義弘さんにお話を伺い、私たちはどのようにお金に対して向き合えば、お金に困らない人生を送ることができるのかを聞きました。その後編です。
(インタビュアー・記事:神知典)

■日本人は保険に入りすぎ? 損をせずに「お金を貯める」には

――人生の中で大きな支出があります。その時に「ローン」というのは、避けて通れないと思いますが、その点はいかがでしょうか?

長尾:ローンは無理をして組まないほうがいいです。余裕を持って組まないと破綻してしまうことがあります。晩婚が進んでいる現在は、「教育費」「住宅ローン」「老後資金」などが重なるトリプルパンチになった時に困りますからね。

――そうなると、ある程度長期スパンで人生設計する必要がありますね。

長尾:この本にも書きましたが、ライフプラン表は作っておくべきでしょう。
65歳までに老後のお金を貯めなくていけない。ただ、人生は思うように行かないことがいろいろあります。今、申し上げたように、教育費と住宅ローンが重なることがありますし、その上に老後資金も乗ってくるということがあります。そんな時にライフプラン表を作っておくとだいたいの予想ができますから、早めの対処ができます。

――長尾さんはファイナンシャルプランナーの資格をお持ちでいらっしゃいますが、本書で「日本人は保険に入りすぎ」と警鐘を鳴らしています。

長尾:かなり多くの日本人が「入る必要のない保険」に入ってしまっている印象があります。たとえば医療保険。万が一、入院した場合でも「高額療養費」という制度を使えば、個人の負担額をおよそ8万円程度に抑えられます(※)。その意味で、医療保険に入る必要はないと思いますね。(※被保険者が70歳未満かつ一般区分(上位所得者、低所得者以外)に該当する場合)

――逆に、「これは絶対に入っておくべき」という保険は何ですか?

長尾:個人賠償責任保険や火災保険…なかでも家財保険ですね。私が入っている個人賠償責任保険は年額700円で保証額は1億円です。家財保険は35年の長期契約をしていて、年間3万円ほど払っています。
前者の個人賠償責任保険は、自動車を運転していて死亡事故を起こしてしまった場合、賠償額が数千万から数億単位になることを考えれば入っておくべきでしょう。また後者は、家財にまで保険をかけるひとは少ないですが、実は火災のときにいちばんダメージを受けるのは家財なので、これも入っていて損はしないはずです。

――本書に出てくる「1世帯あたりの年間払込保険料は平均41万6000円」という数字を考えれば、長尾さんが現在払っている年間保険額は相当安いですよね。

長尾:これだけ保険料を抑えれば、その分貯蓄にまわせますからね。多くの人が「保険料を払い過ぎている」ことに気づいていません。だから、ぜひ一度、ご自分の入られている保険を見直していただきたいです。

――また、本書では「税金」についても触れていますが、こちらも抑えることはできるのでしょうか。

長尾:そうですね。税金は払うしかないものですが、節税のやり方はたくさんあります。
たとえば確定拠出年金や小規模企業共済のように、掛け金が全額控除になる制度を使えば、税金をかなり抑えることは可能です。
また、結婚してお子さんがいる家庭なら、扶養控除や配偶者控除を受けられますが、独身だとそういった控除が一切ありません。その分、意識していないとかなりの額の税金を払うことになるので、国や行政がどのような仕組みを用意しているのかしっかりと調べる必要があります。

――なるほど。節税に限らずそういったお金にまるわる情報を集めるには、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。

長尾:私も特別なことはしていませんよ。普段から地道にネットで検索をかけたり、お金のことに詳しい知人に話を聞く機会をつくったり、そういったことです。また『日経トレンディ』や『DIME』といった情報誌の記事からも、意外と使える情報が見つかります。

――では最後に、このインタビューの読者の皆さまへメッセージをお願いします。

長尾:はじめにも申し上げたように、貯蓄ゼロの「綱渡り」な人生がひとりでも減るようにと思って書きました。どんな方でも、ちょっとしたきっかけさえあれば、「お金の意識」は変えられますし、お金を貯めることは可能です。この本が、その原動力になってくれれば嬉しいですね。

(了)


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