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15年春からはじまった子育て新制度。何がどう変わったの?

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「子育ての新制度がスタートします!」。子どもがいる家庭では、行政からのこんなお知らせを受け取った人も多いはず。だが、筆者は何度目を通しても、何がどう変わるのか、中身がビタイチ理解できなかった。そこで、新制度をきっかけに、新しい試みをはじめるという練馬区にどう変わるのか、話を聞いてみた。出産前から小学生まで。切れ目ない支援を行う制度

2015年春からはじまる子ども子育て支援新制度、大きな改正として注目を集めているが、いまいちよく理解できない人も多いはず。そもそも、どんな内容なのだろうか。「『子ども・子育て支援新制度』で大きく変わるのは舞台裏。誤解を恐れずにいうなら、木造だった舞台が鉄筋鉄骨造になり頑丈になったが、表から見ればあまり変わらないのと同じです」と混乱気味の筆者に分かりやすく解説してくれたのは、練馬区こども施策企画課長 柳橋祥人さん。

続けて、「子育て支援というと、『保育園の待機児童問題』ばかりがクローズアップされますが、今回は、出産前から小学生までを対象にしています。ですから、子育てのひろばや学童クラブ、ファミリー・サポートの充実など、含まれる内容も多岐に渡るんですよ」という。なるほど、子どもの年齢、親が働いている/いないに関わらず、子育てサポート体制を充実させ、保育の質と量を確保したいというのが新制度の狙いのようだ。

ただ、そうはいっても差し迫ったの課題となっているのが、都市部の待機児童問題。新制度では、「認定こども園」を増やし、解消をはかるのだという。「認定こども園」は、幼稚園と保育園のそれぞれの良さと特徴を併せ持った施設で、2006年に導入されたのだが、日本各地にあるのはまだ1000カ所超。これを普及・加速させて、待機児童問題を解消していくという。背景には、2014年春の消費税率の引き上げがある。「1年で約7000億円を子育て支援にあてることができるようになり、継続・安定的に子育て制度を拡充できるようになったのです」(柳橋さん)待機児童問題解消の秘策となる? 小規模保育が「認可施設」に

そして、新制度で増えていきそうなのが、「家庭的保育(保育ママ)」や「小規模保育」、「事業所内保育」、「居宅訪問型保育(※自宅で保育してもらう)」などだ。今まで、自治体や企業などが運営してきたこれらの施設は一律「認可外」の扱いだったが、「地域型保育」として、新制度のなかで認可事業に位置づけられることになった。今後、地域の実情にあわせて、「小規模保育」や「保育ママ」などを増やしていけるため、保護者としては特に需要の多い0〜2歳の「預け先」が増え、待機児童問題を解消する一助になりそうだ。

ちなみに、「現在、幼稚園や保育園に通園されているお子さんがいるご家庭では、特に大きな変化はありませんよ」と柳橋さん。そのため、保育料や幼稚園への入園の申し込み方法や手続き、保育料などはほぼ変わらないという。ただし、「利用する上では大きな変化はないものの、施設に給付金が給付されるという制度設計上、子どもたちは1号〜3号(図1)といった認定を受けていただく必要があるんです」(同区子育て支援計画担当係長松本秀満さん)

【図1】新制度で導入される3つの区分認定(出典:内閣府子ども子育て支援新制度)小規模保育が増えると立ちはだかる「3歳の壁」とは

しかし、小規模保育が増えると問題も発生する。いわゆる「3歳の壁問題」というものだ。これは、3歳となって小規模保育を卒園したら、その後の預け先がない! という切実なもの。新制度では、卒園後の受け入れ先として幼稚園や保育園を設定していくとなっているが、練馬区ではそこからさらに踏み込み、今ある私立幼稚園を巻き込んで、一定の条件を満たした園(後述)を「練馬こども園」として認定、活用していくのだという。

「練馬区では、区内に40の私立幼稚園がありますが、その85%にあたる34園が子どもを夕方まで預かってくれる延長保育を実施していました。また、家庭の教育方針として、3歳から幼稚園に通わせたいというニーズも根強くありました。そこで、幼稚園の保育時間を伸ばしつつ、両者の橋渡しになるような練馬区独自の“こども園”を実施することにしたのです」と柳橋さん。なるほど、保護者のニーズにあわせて幼稚園が延長保育を実施した結果として、保育園や認定こども園と近似したサービスを提供していたのも背景にあるようだ。既存の幼稚園を活用し、幼保一元化を進める練馬区の取り組み

この練馬こども園の特徴は、全部で3つ。(1)長時間預かり保育の拡大(1日11時間開所、土曜日などは預かり保育を行わないことも可能)、(2)小規模保育や東京都認証保育所等の提携(卒園児の受け入れ)、(3)幼稚園と保育園との合同研修の取り組みを行うことだ。14年度までは長時間預かり保育を行う練馬区内の幼稚園は9園にとどまっていたが、将来的には練馬区内にある全40の幼稚園がこの「練馬こども園」となることを目指しているという。つまり、練馬区では、積極的に私立幼稚園を巻き込んで、「幼保一元化」が図られていくことになりそうだ。

また、政府が定める「認定こども園」は、地域のママの相談窓口を設けるなど“地域に開くこと” 等が条件となっている。しかし、練馬区独自の「練馬こども園」はこの条件がないため、政府が掲げる「認定こども園」よりも認定取得のハードルが低いのも特徴だ。

「教育・保育サービスを質と量で充実させていき、安心して施設を選んでもらえるようにしたい」と柳橋さん。もちろん、子どもを預けて働くことが子育て支援のすべてではないが、こうして預け入れる先の選択肢が増えることで、安心して子どもを産み、さらに第二子、第三子と育てることができるようになるはず。各自治体の、地元の実情にあった試みに、これからも注目していきたい。●内閣府「子ども・子育て支援新制度」
練馬区「みどりの風吹くまちビジョン(練馬こども園の創設)」
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/04/20/82345/

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