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東京国際アニメフェア2011で都条例問題を議論するシンポジウムを開いてはどうか

H-Yamaguchi.net

今回は山口浩さんのブログ『H-Yamaguchi.net』からご寄稿いただきました。

東京国際アニメフェア2011で都条例問題を議論するシンポジウムを開いてはどうか
東京都青少年健全育成条例改正問題をめぐって、『東京国際アニメフェア2011』の開催が危ぶまれる状況になっている。講談社や集英社等のコミック10社の参加ボイコット表明に続き、日本動画協会も反対声明を出した。このままでは実質的に実行不可能になる、という懸念を表明している。

「アニメフェア参加を拒否 出版10社、都条例案に抗議」2010年12月11日『MSN産経ニュース』
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/101211/gam1012110011000-n1.htm

「“アニメフェア、実行不可能な事態に” 動画協会、都条例に反対声明」2010年12月21日『ITmedia News』
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1012/21/news107.html

これに対して主催者にあたる東京都の石原都知事はいつもの“石原節”で、とりつくしまもないといった状況だ。

「都職員の説得活動奏功 育成条例改正 アニメフェアは“来る連中だけでやる”と石原知事」2010年12月16日『ITmediaNews』
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1012/16/news030.html

私の意見は前に書いた* ので長々とは繰り返さないが、要するに、本来別次元の問題だった表現の自由の保護と青少年健全育成が衝突しているように見えるのは、ある種どっちもどっちではあるものの、結果としていろいろ残念であることはまちがいない。とにかく、このままではよくない。

*:「例の“非実在犯罪規制”についてひとことだけ」2010年12月07日『H-Yamaguchi.net』
http://www.h-yamaguchi.net/2010/12/post-601e.html

で、建設的提案。『東京国際アニメフェア2011』で都条例問題を議論するシンポジウムを開いてはどうだろうか。

都条例問題、といっても、別に東京都を糾弾するッ! 的な大会をやろうというわけでもないし、劣悪なマンガ許せない! ムキーッ!! みたいな話でもない。繰り返すが、表現の自由を守ることと、青少年の健全育成とはまったく別の次元の話だ。ただ、発達段階にある青少年が触れると問題がある表現がもしあるのだとすると、そこでは当然、摩擦が生じる。少なくともかたちのうえで、東京都青少年健全育成条例というのは、そういう問題を扱う条例だったはずだ。

ならばそこをきちんと議論しようではないか。発達途上の青少年が触れるべきでない表現とはどんなものか。それを青少年の目に触れないようにするためにどうすればいいか。それが表現の自由への侵害にならないために何をどう配慮したらいいか。曲りなりにも、“慎重に運用すること”という付帯決議がついたわけだし、これまでまともに議論されてこなかったこれらのテーマについて、きちんと時間をかけて、しっかり検証しながら、議論を進めていくべき段階に入ったのではないか。

都がそうした議論に応じないなら、まさに馬脚を現すことになろう。これまでのような、できる限り水面下で進めようとしていた彼らのやり方は、この条例が今後表現の自由に対する広範な規制に発展する懸念を抱かせるに充分なものだった。しかしそれは、出版社側が、表現の自由のみに依拠した、かたくなな反対論に終始したおかげで目立たなかったのだ。今度はきちんと、空中戦でない議論を戦わせたらいい。それに応じられないのなら、出版社側は商売重視といわれてもしかたないし、表現者もわがまますぎないかとの批判を免れないだろう。

条例改正までの経緯はいろいろ残念な感じだが、とはいえそれをいい機会ととらえる考え方もありうる。これまで正面から議論することを避けてきたのは、お互いそれなりの“処世術”ではあったのだろうが、事態がこうなっている以上、そのまますますのはやはりよくないと思う。相手の考えに耳を傾けるところから始めるべきではないか。“慎重に運用”というのはそういうことではないだろうか。一般の人も含む、いろいろ人の意見をきちんと聞くべきではないだろうか。

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