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学習よりも優先?社会性を育む塾増加の背景

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ソーシャルスキルトレーニング(SST)を行う塾が増加

小学校入学を前に、発達に課題のある子供を対象に対人コミュニケーションなどの社会性を育むソーシャルスキルトレーニング(SST)を行う塾が増えています。発達障害(学習障害や注意欠陥・多動性障害など)の診断を受けた子供に限らず、集中して話を聞けなかったり集団行動が苦手だったりなど、小学校生活に不安のある子供にも対応しており、利用が広がっています。

SSTとは、感情と行動をコントロールする方法を身につけ、学校や日常生活の中で、友人との関係性を良好に保てるように、遊びやゲームを用いて訓練するものです。

子どもたちが社会や地域の中で育たなくなった

文科省が平成24年2~3月、全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童・生徒約5万4千人(回収率97%)に実施した調査によると、発達障害の可能性のある児童・生徒の割合は約6.5%(推定値)となり、決して少なくないことがわかっています。その背景として、「子どもたちが社会や地域の中で育たなくなった」ということが挙げられます。その理由を、2点に絞って考えてみましょう。

まず1点として、「人付き合いの少なくなった社会」という問題が根底にあります。特に都市部においては、地域の大人との関わりが希薄になったこと、子供同士が泥んこになってみんなで一緒に遊ぶなど、縦のつながりが減少。さらに、少子化・核家族化・兄弟の減少・親の多忙などが影響し、過保護・過干渉、あるいは放任の方に向かっていることが挙げられます。

2点目として、インターネットやテレビゲームの普及など、遊びのバーチャル化がそれらに拍車をかけていると思われます。子供同士の遊びや家庭生活の中で、自然に身につけられてきたソーシャルスキルが身につけられず、積み残しになったまま成長するような状況が生まれてきているのです。こうした背景の中で、学校生活を円滑に進めるために、家庭と学校が連携したソーシャルスキル教材が必要となってきたわけです。

幼稚園や保育園でSSTを指導することが望ましい

最近の幼稚園や保育園では放任主義が主流となっているため、先生たちはあまり口を出さずに、園児たちの個性を尊重する教育方針がとられています。本来、幼稚園や保育園は小学校に入学する前の学校通いの習慣づくり、集団行動を身につける場であったはずです。

しかし、現状はそれが形骸化していると言わざるを得ません。幼稚園や保育園においてこそ、障害に関する知識を持ち、学習前の教育としてSSTを指導されることが望ましいと考えられます。

(田中 正徳/次世代教育プランナー)

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